屋根塗装は本当に必要？工事の流れと判断ポイントを解説

「屋根の塗装って必要なの？」「屋根塗装は意味ないって聞いたけど本当？」と悩んでいる方がいるのではないだろうか。

築年数が経過した屋根の塗装の劣化を見て、工事の必要性を判断できずに困っている方は少なくない。

結論から言えば、屋根塗装の必要性は屋根材の種類によって異なる。塗装が不要な屋根材もあれば、定期的な塗り替えが欠かせないものもある。

本記事では、屋根塗装とは何か、工事の流れと工期の目安、塗装が必要かどうかを判断するポイント、費用相場、業者選びのコツまで網羅的に解説する。

屋根塗装を検討している方は、ぜひ参考にしていただきたい。

屋根塗装とは？意味ないって本当？

まずは屋根塗装の基本的な知識を押さえておこう。

「屋根塗装は意味ない」とは本当なのか解説する。

屋根塗装とは

屋根塗装とは、住宅の屋根に塗料を塗布して保護する工事のことである。屋根は常に紫外線や雨風にさらされるため、経年劣化が避けられない。

屋根塗装によって、防水性を高めて雨漏りを防止したり、紫外線による劣化を防いだりする効果がある。

屋根材によってはたわみや亀裂が発生するリスクがあるため、定期的な塗装や点検が必要だ。

ただし、屋根材の種類によっては塗装が必要ないものや、自分で塗装できるものもあるため、屋根材の特性を理解した上で判断すると良い。

屋根塗装の効果

屋根塗装には、主に以下のような効果がある。

このように、屋根塗装には住宅の美観を維持するだけでなく、機能性を向上させる効果もある。

「屋根塗装は意味ない」と言われる理由

「屋根塗装は意味ない」という意見を耳にすることがある。これには以下のような理由がある。

まず、屋根材の種類によっては塗装そのものが不要なケースがある。粘土瓦やセラミック系屋根材など、もともと耐久性が高く塗装を必要としない屋根材に対して塗装を行っても、費用対効果は低いだろう。

また、既に屋根材の劣化が進んでいる場合、表面的な塗装では根本的な問題は解決しない。葺き替えが適している状態で塗装しても、数年後にはより大きな修繕が必要になる可能性がある。

さらに、必要のない時期に営業トークに乗せられて塗装工事を契約してしまうケースも少なくない。

つまり「屋根塗装は意味ない」というのは、すべての屋根に当てはまるわけではなく、適切な判断ができていない場合に当てはまる話である。正しい知識を持って判断すれば、屋根塗装は住宅を長持ちさせるために有効なメンテナンス方法だ。

屋根塗装が本当に必要か判断する3つの軸

屋根塗装が本当に必要かどうかは、以下の3つの軸で判断できる。

軸①：屋根材の種類

屋根材の種類によって、塗装の必要性は大きく異なる

塗装が必要ない屋根材

	耐用年数	塗装の必要性
粘土瓦（釉薬瓦）	50～100年	不要
粘土瓦（無釉瓦）	30～50年	不要
ニチハ	25～30年	不要
コロニアルNEO	10～15年	基本的に不要
レサス	15年程度	基本的に不要

代表的な塗装が必要ない屋根材の一つが粘土瓦である。
粘土瓦は1,000℃以上の高温で焼き上げられており、表面がガラス質化しているため防水性が高い。
特に釉薬瓦の耐用年数は50～100年、無釉瓦でも30～50年と寿命が長い。

また、ニチハなどのセラミック系屋根材も塗装が不要な種類に含まれる。
これらは表面に特殊なセラミックコーティングが施されていて、通常のスレート瓦の耐用年数は25年～30年程度である。

コロニアルNEOやレサスなども塗装が基本的に不要とされることがある。耐用年数はコロニアルで10～15年、レサスでも15年程度と比較的短い。

このような塗装不要の屋根材を選ぶ際は、実際の耐用年数を確認し、将来的なメンテナンスやリフォームの時期を見据えた選択をしよう。

塗装が必要な種類

	耐用年数	塗装の必要性
スレート瓦	20～30年	必要 （10～15年目安）
トタン屋根 （金属屋根）	25～35年	必要 （7～10年目安）
モニエル瓦 （セメント瓦）	30～40年	必要 （7年前後目安）
折板屋根	20～30年	必要 （10年程度目安）

スレート瓦は塗装が必要な屋根材で、セメント質のため経年劣化で吸水性が高まり、ひび割れや色あせが発生しやすい。

スレート瓦の寿命は20～30年程度だが、10～15年を目安に塗装することで寿命を延ばせる。

トタン屋根（金属屋根）も塗装が必要な屋根材の一つで、メッキが剥がれると錆が発生するリスクがある。
期待耐用年数は25年～35年だが、7〜10年前後で塗り替えを行うことが推奨される。
特に海岸部では塩害の影響で劣化が早まるため注意が必要だ。

モニエル瓦（セメント瓦）は、耐用年数が30年～40年と比較的長い。塗り替えの目安は7年前後を目安にすると良い。
表面のコーティングが剥がれると急速に劣化するため、早めの対応が重要である。

折板屋根も金属屋根の部類に入り、耐用年数は20〜30年とされている。
10年程度を目安に塗装することで防錆効果を維持できる。

＼WEBで簡単60秒！完全無料／

軸②：築年数と前回塗装からの経過年数

屋根塗装の必要性を判断するもう一つの重要な軸が、築年数と前回塗装からの経過年数である。

新築からの経過年数

新築住宅の場合、塗装が必要な屋根材（スレートや金属屋根など）であれば、「築10年」が最初の点検・検討の大きな節目となる。

ただし、前述の目安時期はあくまで標準的な環境下での数値だ。 以下のような条件では劣化の進行が著しく早まるため、標準的な目安よりも数年早めの検討が必要になる。

前回塗装からの経過年数

過去に塗装を行っている場合は、使用した塗料のグレードによって次回の塗装時期が変わる。

一般的な目安は以下の通りだ。

前回の塗装で使用した塗料の種類を確認し、耐用年数を過ぎていないかチェックしよう。保証書や工事の記録が残っていれば参考になる。

＼WEBで簡単60秒！完全無料／

軸③：劣化症状

築年数や経過年数に関わらず、以下のような劣化症状が見られる場合は屋根塗装を検討すべきである。

ひび割れ

屋根材に発生するひび割れは、屋根塗装が必要なサインである。

特にスレートやセメント系の屋根材では、経年劣化や気温の変化による膨張と収縮の繰り返しによってひび割れが発生しやすい。

初期段階では細いクラックから始まるが、放置すると大きくなり、最終的には雨漏りの原因となる。

ひび割れの発生箇所が少ない初期段階であれば、塗装工事で対応可能だ。

色あせ

屋根の色あせも、塗装が必要な劣化症状だ。屋根材の表面は、強い紫外線を浴び続けるため、徐々に色あせが進行する。

屋根の色あせは美観の問題だけではない。塗料に含まれる顔料が紫外線によって分解されると同時に、塗膜自体も劣化して防水性が低下している可能性が高い。色あせが目立ち始めた段階で塗装を行うことで、屋根材の劣化を防げる。

藻・コケの発生

屋根の表面に藻やコケが発生している場合、屋根塗装が必要だ。藻やコケは湿気の多い環境で繁殖しやすく、日当たりの悪い北側の屋根や、樹木が近くにある屋根に発生しやすい。

藻やコケは水分を保持する性質があるため、屋根材が常に湿った状態になり、劣化が進みやすい。高圧洗浄で一時的に除去できるが、根本的な解決には防カビ・防藻効果のある屋根塗装が必要になる。

塗膜の膨れ・剥がれ

屋根塗装の塗膜に膨れや剥がれが生じている場合、早急に対処が必要だ。塗膜の膨れは、屋根材の内部に水分が侵入し、その水分が太陽熱で温められて膨張することで発生する。

いずれの症状も、塗膜の防水機能が失われているサインであり、放置すると雨水が直接屋根材に当たり、劣化が進行する危険性がある。

欠け・欠損

屋根材の欠けや欠損も、屋根塗装または修繕が必要なサインである。屋根材の一部が欠けたり損傷したりする現象は、経年劣化や強風、飛来物の衝突などによって起きる。

この状態を放置すると、欠けた箇所から雨水が侵入し、下地の野地板や垂木の腐食につながりやすい。

屋根の棟部分や谷部分の欠損は雨漏りのリスクが高いため、最優先で対処すべきである。

反り

屋根材が反る原因は、長年の紫外線暴露や雨水の影響による屋根材自体の変形、あるいは下地の野地板の劣化によるものである。

反りが発生すると、屋根材同士の隙間から雨水が侵入しやすくなり、雨漏りのリスクが高まる。

反りが軽度で部分的な場合、下地処理と塗装で対応できることもあるため早期発見が重要だ。

白華現象

白華現象とは、屋根材内部の水分に溶け込んだ塩類が表面に移動し、水分が蒸発した後に白い粉状の結晶として残るものである。セメント系の屋根材やスレートで発生しやすい。

塗膜の防水性が低下し、屋根材が水分を吸収しやすくなっている証拠である。

高圧洗浄で表面の塩類を除去した後、下塗り処理と屋根塗装で改善できるケースが多い。

劣化が大きく進行している場合は、塗装ではなく葺き替えが必要である

屋根材自体の劣化が進み、表面的な塗装では防水性や強度を回復できない状態の場合、葺き替えが必要だ。

例えば、多数の割れや欠損が見られる、反りが複数箇所で発生している、下地の野地板まで腐食している場合などは、塗装工事では解決できない。

このような劣化症状がある場合、葺き替えを検討しよう。

無理に塗装で対応しようとすると、見た目は一時的に改善されても、数年後により深刻な問題が発生するリスクがある。

プロである塗装業者に屋根の状態を判断してもらい、塗装で対応可能か葺き替えが必要かを見極めてもらうと良いだろう。

＼WEBで簡単60秒！完全無料／

塗装でいいのか、葺き替えが必要なのかを見極めるポイント

屋根の状態によっては、塗装ではなく葺き替えが必要なケースがある。

見極めのポイントを解説する。

葺き替えが必要な状態とは

屋根材自体の劣化が進み、表面的な塗装では防水性や強度を回復できない状態の場合、葺き替えが必要だ。具体的には以下のような状態である。

このような劣化症状がある場合、塗装工事では解決できない。

塗装で対応できる場合

一方、以下のような状態であれば塗装で対応可能だ。

判断に迷ったらプロに相談を

無理に塗装で対応しようとすると、見た目は一時的に改善されても、数年後により深刻な問題が発生するリスクがある。

自分で判断するのが難しい場合は、プロである塗装業者に屋根の状態を診断してもらうと良い。複数の業者に見てもらうことで、より正確な判断ができるだろう。

屋根塗装の流れと工期の目安

屋根塗装工事は、一般的に以下の流れで進められる。各工程の内容と所要日数を理解しておこう。

作業内容	かかる日数
近隣挨拶	工事の1週間前
足場の組み立て	約1日
高圧洗浄	約1日
下地処理	半日〜1日程度
下塗り・中塗り・上塗り	2〜3日程度
足場の解体・工事完了	約1日
合計	約1週間

近隣挨拶

工事の1週間前

屋根塗装工事を行う前に必ず実施すべきなのが、近隣への挨拶である。近隣挨拶は工事の1週間前に行われることが多い。

工事会社のスタッフが工事予定日や工事内容、作業時間などを記載したお知らせ文書を持参し、周辺住宅を訪問して説明を行う流れだ。直接対面が難しい場合、ポスティングで対応するケースもある。

隣接する住宅がある場合、足場が敷地境界をはみ出す可能性もある。トラブル防止のためにも、業者には十分な時間を取って丁寧に挨拶してもらうよう依頼すると良い。

足場の組み立て

約1日

屋根塗装工事では足場の組み立てが必要になる。足場には安全対策として養生シートが取り付けられるため、塗料の飛散防止や落下物による事故のリスクを軽減できる。一般的な住宅の足場組み立ては約1日かかるケースが多い。

足場の種類は、単管足場とクサビ足場があり、住宅の形状や周辺環境に合わせて適切なものが選択される。隣家との距離が近い場合は事前の近隣挨拶で了承を得ておくことが重要だ。

高圧洗浄

約1日

屋根塗装の前に欠かせない作業が高圧洗浄である。専用の高圧洗浄機を使用して屋根表面に付着した汚れ、コケ、藻、古い塗膜の浮いた部分などを洗い流す。一般的な住宅の屋根全体の高圧洗浄には、約1日が必要だ。

高圧洗浄は見た目を綺麗にするためだけでなく、新しい塗料の密着性を高める効果がある。藻やコケが発生している屋根では、洗浄後に専用の除菌・防カビ剤を散布することもある。

高圧洗浄後は塗装作業までに屋根の乾燥が必要だ。天候によっては1〜2日程度必要になる場合もある。

下地処理

半日〜1日程度

高圧洗浄後には、下地処理といって塗装の仕上がりと耐久性を高める工程がある。下地処理には半日〜1日程度が必要だ。

下地処理では、屋根材のひび割れや欠損部分の補修、釘の浮きの修正、屋根材の継ぎ目のコーキング処理などを行う。また、金属部分の錆が発生している場合、錆を除去して防錆処理を施す。

下地処理の質が後の塗装の密着性と耐久性を大きく左右するため、経験豊富な職人に作業してもらうことが望ましい。

下塗り・中塗り・上塗り

2〜3日程度

屋根塗装では、下塗り・中塗り・上塗りの3段階で行われるのが一般的だ。

下塗りは、屋根材と塗膜の密着性を高めるために行われる工程で、半日〜1日程度かかる。浸透性の高い塗料を使用することで、屋根材への密着性を高め耐久性を向上させる効果がある。

下塗り後、半日〜1日を設けてから中塗りと上塗りに進む。中塗りでは塗膜の厚みを確保し、上塗りでは美観と耐候性を高める役割がある。両方の工程で合計2〜3日程度を要する。

天候や気温によって乾燥時間が変わるため、季節によって作業日数が前後することがある。

足場の解体・工事完了

約1日

屋根塗装の全工程が終了し、塗料が十分に乾燥したことを確認した後、最後に行われるのが足場の解体だ。足場の組み立てと同様に約1日かかる。

足場解体後は、工事で発生した塗料の飛散や汚れがないか、建物周辺や隣家の敷地も含めて点検・清掃が行われる。最終的に工事の責任者が施工箇所全体を確認し、施主立ち会いのもと完了検査を行い、工事の説明書や保証書、メンテナンスについての案内などを受けて工事完了となる。

工事中の生活への影響

屋根塗装工事中は、日常生活にいくつかの影響がある。事前に把握しておくと安心だ。

騒音について

足場の組み立て・解体時や高圧洗浄時には、ある程度の騒音が発生する。特に足場の金属音は響きやすいため、在宅勤務やオンライン会議がある場合はスケジュールを調整しておくと良いだろう。

洗濯物や窓の開閉

高圧洗浄時や塗装作業中は、水しぶきや塗料の飛散を防ぐため、洗濯物を外に干せない。また、養生シートで窓が覆われるため、換気のために窓を開けられない期間がある。工事前に業者に確認し、換気が必要な場合は相談しておこう。

車の移動

足場を設置する関係で、敷地内に駐車している車を移動させる必要がある場合がある。塗料の飛散リスクもあるため、近隣の駐車場を一時的に借りるなどの対応が必要になることもある。

在宅の必要性

工事中は基本的に在宅している必要はないが、工事初日と完了時の立ち会いは求められることが多い。日中留守にする場合は、業者との連絡手段を確保しておくと安心だ。

＼WEBで簡単60秒！完全無料／

屋根塗装の費用相場と、選ぶ塗料による違い

屋根塗装を検討する際、気になるのが費用だろう。ここでは費用相場と、塗料の違いによる価格差について解説する。

屋根塗装の費用相場

一般的な戸建て住宅（屋根面積50〜80㎡程度）の屋根塗装費用の相場は、40万〜80万円程度である。

ただし、以下の要素によって費用は大きく変動する。

塗料グレード別の費用と耐用年数

屋根塗装に使用される塗料にはいくつかのグレードがあり、価格と耐用年数が異なる。

塗料の種類	耐用年数	1㎡あたりの単価目安	特徴
アクリル塗料	5〜7年	1,000〜1,500円	価格は安いが耐久性が低い
ウレタン塗料	8〜10年	1,500〜2,000円	コストパフォーマンスは普通
シリコン塗料	10〜13年	2,000〜3,000円	最も普及している塗料
フッ素塗料	15〜20年	3,500〜5,000円	耐久性が高く長持ち
無機塗料	20〜25年	4,500〜6,000円	最高グレード、価格も高い

シリコン塗料は耐久性とコストのバランスが良く、現在最も多く使用されている。

長期的なメンテナンス費用を抑えたい場合は、初期費用は高くても耐久性の高いフッ素塗料や無機塗料を選ぶ選択肢もある。

費用に含まれる項目

屋根塗装の見積もりには、以下のような項目が含まれる。

費用を抑えるポイント

屋根塗装の費用を抑えるには、以下のポイントを意識すると良い。

屋根塗装を成功させるためのポイント

屋根塗装を成功させるために、押さえておきたいポイントを解説する。

塗装の回数には上限がある

屋根塗装を行う際、塗装の回数には上限があることを抑えておくと良い。屋根材の種類によって異なるが、一般的にスレート屋根の場合、塗装回数は2～3回が限度とされている。

塗料を重ねるごとに塗膜の総厚が増し、重量が増加することで屋根材に負担がかかる。

また、塗膜が厚くなりすぎると通気性が失われ、屋根材内部に湿気がこもりやすくなり、劣化を促進させるリスクもある。

既に2回塗装を行った屋根では、3回目の塗装を検討する際に屋根材の状態を専門家に診断してもらうと安心だ。

塗装を繰り返すことは一時的には経済的に見える。しかし、長期的には葺き替えの方がコストパフォーマンスに優れることもある点を理解した上で判断しよう。

長期的なメンテナンス計画を立てる

屋根塗装は一度行えば終わりではなく、定期的なメンテナンスが必要だ。長期的な視点でメンテナンス計画を立てておくと、無駄な出費を抑えられる。

例えば、築10年で初回の屋根塗装を行い、その後10〜15年ごとに塗り替えを行う場合、築40年までに2〜3回の塗装が必要になる。その先は葺き替えを検討するタイミングだ。

使用する塗料のグレードと耐用年数、次回の塗装時期を記録しておくと、計画的なメンテナンスがしやすい。

DIYではなく専門業者に依頼すべき

屋根塗装はDIYで行うことも不可能ではないが、専門業者に依頼することを強くおすすめする。

最大の理由は安全面のリスクだ。屋根での作業は高所作業であり、転落事故の危険性が非常に高い。プロの職人でも安全帯を使用し、足場を設置して作業を行う。

また、塗装の品質は下地処理の丁寧さや塗料の塗り方によって大きく変わる。屋根材に合った塗料の選定にも専門知識が必要であり、相性の悪い塗料を使用すると早期劣化の原因になる。

さらに、専門業者に依頼すれば施工保証が付くことが多い。DIYの場合、施工不良があっても自己責任となる点も考慮しておこう。

火災保険が適用できるケース

屋根の損傷が台風、雹、大雪などの自然災害によるものである場合、火災保険が適用できる可能性がある。適用を検討する場合は、まず保険会社に連絡して条件を確認しよう。申請には被害状況の写真や修理の見積書が必要になる。

ただし、経年劣化による損傷には適用されない。また、「火災保険で無料になる」と強調して契約を迫る業者には注意が必要だ。保険金が下りるかどうかは保険会社の審査次第であり、必ず適用されるとは限らない。

失敗しない業者選びのポイント｜悪徳業者に注意

屋根塗装を成功させるには、信頼できる業者選びが重要だ。

ここでは、悪徳業者の特徴と良い業者の見分け方、信頼できる業者を選ぶためのコツを解説する。

悪徳業者の特徴

屋根塗装を依頼する際に注意すべきなのが、悪徳業者の存在である。悪徳業者に依頼してしまうと、不必要な工事や過剰請求などのトラブルに発展するリスクがある。

以下のような特徴がある業者には注意しよう。

信頼できる業者の条件

信頼できる業者には、以下のような特徴がある。

これらの条件をすべて満たす業者を探すのは難しいかもしれないが、少なくとも見積もりの明確さと保証内容の書面化は必須条件として確認しておきたい。

業者選びで失敗しないためのコツ

屋根塗装工事を依頼する際に重要なのが、複数の業者から見積もりを取得する「相見積もり」だ。相見積もりを取るメリットは、適正価格の把握ができることである。

屋根塗装の価格は業者によって異なり、同じ工事内容でも価格差が生じることもある。

また、各業者の見積書を比較することで、工事内容や使用する塗料の品質、保証内容の違いなども明確になりやすい。

さらに、営業担当者の説明の仕方や質問への対応を比較することで、その業者の誠実さや知識の豊富さを判断する材料にもなるだろう。

最低でも3社程度から見積もりを取得することがおすすめだ。

しかし、相見積もりを自分で探したり依頼したりするとなると、業者との日程調整や現地調査の立ち会いなど、手間と時間がかかるだろう。

そこでおすすめなのが、一括見積もりサイトの利用だ。

次に紹介するおすすめの一括見積もりサイトを利用し、効率的に信頼できる業者を見つけてみよう。

屋根塗装におすすめの一括見積もりサイト3選

一括見積もりサイトを利用すれば効率的に複数の優良業者から見積もりを取得でき、悪徳業者に出会うリスクも減らせる。ここでは、おすすめの一括見積もりサイト3選を紹介する。

ぬりマッチ

ぬりマッチは、屋根塗装や外壁塗装の見積もり比較を簡単に行える見積もりサイトである。

ぬりマッチの特徴は、見積もりを取れるだけでなく、業者選びからアフターフォローまで一貫してサポートする体制が整っている点だ。

専門知識を持ったオペレーターが利用者の要望や住宅の状況をヒアリングし、最適な提案をしてくれる。屋根塗装の知識がなくても安心して利用しやすいだろう。

また、ぬりマッチのサイトでは補助金や助成金の情報が豊富にあり、お得に工事を進められる点も魅力だ。

サイトにはおすすめ企業が一覧で掲載されているため、業者選びに時間をかけられない方でも効率的に見積もりが取れる。

スマホやパソコンから約30秒の入力だけで、無料で最大4社の見積もりを一括で取得できる。

屋根塗装を検討中の方は、まずはぬりマッチで屋根塗装の相場だけでも確認してみてはどうだろうか。

ヌリカエ

ヌリカエは、東証上場企業である株式会社Speeeが運営する屋根・外壁塗装の一括見積もりサイトである。

ヌリカエの強みは、豊富な口コミ情報と工事事例が公開されている点だ。

実際に工事を依頼した施主からの評価が星5段階で表示され、年齢や地域、建物の築年数なども確認できるため、近い条件での施工実績を参考にしやすい。

また、「ヌリカエ相談」という無料チャットサービスも提供している。工事の専門家に匿名で気軽に相談できるため「相見積もりを取る前に相談したい」という方におすすめだ。

見積もりの妥当性や工事の必要性について、中立的な立場からアドバイスを受けられるだろう。

さらに「屋根修理の成功ガイド」など、初心者向けの豊富な情報コンテンツも充実している。屋根塗装の基礎知識から業者選びのポイントまで、完全無料で幅広く学べる。

電話での相談なら、土日祝日も対応しているため、忙しい方でも安心して屋根塗装の準備を進められるだろう。

タウンライフ外壁塗装

タウンライフ外壁塗装は、利用者からの高い評価を得ている一括見積もりサイトである。「助成金に詳しい業者に依頼できた」「信頼できる業者に出会えた」など、評価する声が多い。

特に注目すべきは、最大10万円が受け取れるキャンペーンだ。

2025年4月現在、タウンライフ外壁塗装では、契約金額に応じて最大10万円のお祝い金が受け取れる。コストを抑えながら屋根塗装を依頼できるだろう。

利用方法もシンプルで、90秒のチャット形式の質問に答えるだけで複数の優良業者から見積もりを取得できる。

「費用相場だけでも知りたい」「まずは、一括見積もりだけでも取っておきたい」という方でも手軽に相見積もりが可能だ。

完全無料で利用できるサービスなので、屋根塗装を検討している方は利用してみてはどうだろうか。

屋根塗装は「必要なタイミングで、信頼できる業者に」

本記事では、屋根塗装の必要性を判断するポイントから、工事の流れ、費用相場、業者選びのコツまで解説した。

屋根塗装は、適切な屋根材と適切なタイミングで行うことが重要だ。粘土瓦やセラミック系屋根材などは塗装不要の種類である。しかし、スレート瓦、トタン屋根、モニエル瓦などは定期的な塗装が必要だ。

スレート屋根やトタン屋根は、10年を目安に塗装を検討すると良い。ひび割れ、色あせ、藻やコケの発生、塗膜の膨れ・剥がれなどの劣化症状が見られる場合、早めに対応すべきだ。

また、屋根塗装を依頼する際は、飛び込み営業や過剰に安い見積もりを提示する悪徳業者に注意しよう。必ず複数業者から相見積もりを取り、価格だけでなく保証内容や担当者の対応も含めて総合的に判断することが大切だ。

ぬりマッチ、ヌリカエ、タウンライフ外壁塗装などの一括見積もりサイトを活用すれば、相見積もりを効率的に行える。優良業者から見積もりを取得でき、悪徳業者に当たるリスクも減らせる。

少しでも屋根の劣化が気になったら、まずは一括見積もりサイトで相見積もりを取って情報収集だけでも済ませておこう。早めのメンテナンスや修繕で、家の美観を修繕し寿命を延ばせるだろう。