不動産を高く売るためには、築年数や立地などの条件が大切ですが、実はタイミングも重要です。
同じ物件でも、タイミングによって価格が大きく変わってきます。
相場が1,000万円の物件だと、売却するタイミングの違いだけで1,100万円変動する可能性も高いです。
次の5つのタイミングが、不動産売却を成功させるカギを握っています。
- 築年数
- 税金
- 季節
- 住宅ローン金利
- ライフスタイルの変化
もちろん売却におすすめできないタイミングもあるので、気をつけなければなりません。
この記事では、売却のタイミングや、売却してはいけないタイミングについて解説します。
住み替えなどを予定している方は、ぜひ参考にして売却時期を検討してください。
家を売る5つのタイミングはコレ!
家の売却には、適したタイミングがあります。
せっかく良い物件でも、タイミングを誤ると売却条件が悪くなることがあります。
急いで売却する必要がないなら、少しでも高く売れるタイミングを狙いたいものです。
家を売るタイミングは、以下の5パターンで見極めることが多いです。
各項目をタップすると、それぞれのタイミングについて詳細に説明している場所に飛べます。
できるだけ良い条件で家を売りたいと考える方は、売るタイミングを見極めたうえで不動産会社に相談しましょう。
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「築年数」による不動産売却のタイミング
築年数による不動産売却のタイミングで大切なポイントは、以下の通りです。
- 売却価格の変動
- 築年数による変動
築年数で売却価格が変わる
不動産は築年数が古くなればなるほど価格が下がる傾向にあります。
築年数が浅い物件はきれいな状態であることが多く、たくさんの人の目にとまります。
日本では新築物件が人気のため、どれだけ築年数が浅い物件でも「中古物件」になった瞬間に大きく価格が下がるのです。
例えば新築物件に1日でも住めばその物件は中古物件になるため、購入した価格よりも10%ほど価格が下がるケースも存在します。
「まだ築浅だから、新築と同じくらいの価格で売れるだろう」と考えている方は要注意です。
ただ築年数が早い段階での売却にもデメリットはあるので、詳しくは次の見出しで説明します。
築6年~15年の不動産は売り時
結論、築6年から築15年が売り時といえるでしょう。
築5年までは価格の下落率が大きく、築6年からは緩やかに下がっていき、どんどん売れにくくなっていきます。
特に戸建ては築10年、マンションは築15年以上になると人気がなく、さらに売りにくい状況です。
ただ築年数が浅ければ良いというわけでもありません。
「なんでこんなに早く売られているのか」という買主側に曇りが出てきてしまう、という考えも出てくるからです。
また築浅の物件は、中古物件を希望している買主からすると少し高いと感じられてしまう可能性もあります。
以上の背景から築6年以上の物件よりも、築6年から15年のほうがコスパ面で需要が高く売り時と言えるのです。
築年数の観点で売れるか不安な方は、「不動産会社による買取」など様々方法があるので安心してください。
「税金」が不動産売却のタイミングに影響する
実は税金も、不動産売却のタイミングに影響します。
以下の年数をチェックしておきましょう!
- 5年以内
- 10年以内
- (相続の場合)3年10カ月
【不動産所有5年以下は税率が高い】売却には注意!
不動産を所有して5年以内に売却した場合、税率が高くなるので注意が必要です。
分類・所有期間 | 税率(所得税) | 税率(住民税) | |
短期譲渡所得(5年以下) | 30.63% | 9% | |
長期譲渡所得(5年を越える) | 15.315% | 5% |
家を売って得た譲渡所得には、所得税と住民税がかかります。
上の表は、所有してから売却するまでの期間ごとの、所得税と住民税の税率です。
譲渡所得とは、家を売って得た利益をいいます。
売却代金から、その家を購入したときの金額と、購入にかかった費用を差し引いたものです。
計算式は次のようになります。
譲渡所得=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)
譲渡収入金額:売却して得た「売買代金」
取得費:購入したときの「購入金額」「手数料」「登録免許税」など
譲渡費用:売却にかかった「仲介手数料」「印紙税」など
【不動産所有10年以上は税率が下がる】所有軽減税率!
家を売る場合に、所有してから売却するまでの年数で税率がかわることをご紹介しました。
さらに売却予定の家の所有期間が10年を越える場合には、譲渡所得6,000万円以下の部分において軽減税率が適用されます。
さきほどの表に加えて解説します。
所有期間 | 税率(所得税) | 税率(住民税) |
5年以下 | 30.53% | 9% |
5年を越える | 15.315% | 5% |
10年を越える(譲渡所得6,000万円以下の部分) | 10.21% ※軽減税率適用 | 4% ※軽減税率適用 |
10年を越える(譲渡所得6,000万円以上の部分) | 15.315% | 5% |
表を見ると、所有する期間が短いほど税率が高いことがわかります。
5年以下と5年以上では倍ほどの違いがあり、10年を越えれば更に優遇されています。
しかし、気をつけたいことは、所有する年数が増えれば築年数も古くなるのです。
築年数が古くなれば相場が下がります。
売却価格と税金の両方を見て、売却のタイミングを検討しましょう。
参考:国税庁『No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡した時)』
相続した不動産は3年10ヶ月以内の売却がおすすめ
相続した不動産の売却は、相続してから3年10カ月以内であれば「取得費加算の特例」が適用されます。
取得費加算の特例が適用されれば、譲渡所得税が軽減、または無くなる場合があります。
「取得費加算の特例」とは、相続した不動産などを亡くなった日から3年10カ月以内に売却した場合に使える、所得税の特例です。
納付した相続税の一部を取得費に加算して譲渡所得から控除できるため、このような特例が認められます。
「季節」で見る不動産売却のタイミング
不動産は、季節によっても売りやすさが変わります。
引越しシーズン前の2~3月
4月は転勤や子どもの進学に合わせて、引っ越す人が多いです。
引っ越しシーズン前の2月・3月は、1年の中でもっとも不動産売買が活発になります。
購入したい人が多ければ、良い条件で売却しやすいです。
2月・3月に売却するなら12月中には不動産会社を探し、1月から売り出しましょう。
1月と8月を避ける
引っ越しシーズンに合わせて不動産を購入する人は、2月頃から物件を探し始めます。
1月はお正月明けの忙しさもあり、内覧も売買も減る時期です。
また、8月は暑い中内覧に回るのが大変なため、物件探しが億劫になります。
そのために8月も売買が少なくなる時期で、避けたほうがよいでしょう。
「住宅ローン金利」による不動産売却のタイミング
不動産を購入する際に、住宅ローン金利が気になるでしょう。
住宅ローンが低金利になったタイミングだと、買い手が見つかりやすく売却まで近道です。
なぜ低金利の時期が不動産売却のタイミングとなるのか、理由をご説明します。
低金利だと利息が少なくなり、返済額が抑えられる
住宅ローンが低金利の時期は、不動産購入の検討しやすさだけを見れば「売り時」といえます。
購入する側にとっては、低金利だと利息が少なくなり、住宅ローンの総返済額を抑えられるのです。
しかし、住宅ローンの金利が下がるということは、景気が悪い状況です。
景気が悪ければ、住宅ローンの金利だけでなく不動産価格の相場も下がってしまいます。
どうしても早く売りたい人は低金利のタイミングがいいでしょう。
しかし時間に制約がない人は、築年数との兼ね合いを見つつ、長期的な金利の変動のタイミングを計るのがポイントです。
「ライフスタイルの変化」による不動産売却のタイミング
自分や家族のライフスタイルの変化によって、不動産を売却することがあります。
家を売るほどのライフスタイルの変化には、次のようなものが考えられるでしょう。
- 転職
- 相続
- 離婚
転職して現在の家から通勤できない場合は、引っ越しが必要です。
相続した場合や離婚での売却も考えられます。
相続や離婚での不動産売却は、急ぐ必要がなければ高く売れるタイミングで売却することをおすすめします。
すぐに売却する必要があるなら、ライフスタイルの変化を機に売却するといいでしょう。
転職の前後は避ける
住み替えのための売却だと、住宅ローンが通らない可能性があるので転職の前後は避けた方が良いです。
転職に成功し、新天地で新たな出発をするケースがあります。
転勤の場合は不動産売却の良いタイミングですが、転職の場合はおすすめできません。
転職の直後は、住宅ローンの審査に通らないことが考えられます。
ほとんどの金融機関では、勤続1年以上または3年以上という審査基準が設定されているためです。
売却はできても、新たな家が見つかりにくいので、1年経過するのを待つのが良いでしょう。
転職の直前だと、勤続年数は問題ないでしょう。
しかし、審査中に勤務先が変われば、再審査になります。
審査は事前審査から本審査まで、1カ月から2カ月ほどの期間がかかります。
転職が決まっている場合、転職までに3カ月ほどの余裕があれば、その期間に売却を済ませましょう。
相続や離婚のタイミング
ライフスタイルの変化による売却では、相続や離婚のケースがあります。
売却に何を希望するかによって不動産をどのように手放すかの方法が変わってきます。
主に「仲介」と「不動産会社による買取」があります。
できるだけ高額で売却したい場合は「仲介」
不動産売却において一般的な、不動産会社が仲介に入って売却する相手を見つける手法です。
離婚時に住宅ローンが多く残っており、不動産の売却額でローンを完済したい方などは仲介をおすすめします。
仲介による売却の場合、「高値でもいいから売ってほしい」方には相場よりも高く売却できる可能性があるからです。
「買取」の場合、買取後にリノベーションやリフォームなど付加価値をつけて再販することが一般的である為、その分買取価格は下がる傾向にあります。
できるだけ早く売却したい場合は「買取」
買取は不動産会社が直接買い取るので、一般的な「仲介」と比較してすぐに売却できます。
できるだけ早く売却して、現金化してしまいたい方には「買取」という選択肢もあるでしょう。
ただ仲介に比べて、売却額が下がる可能性が高い為、時間かかっても高く売却したい方には、仲介を検討することをおすすめします。
不動産の売り時を相場で見る
相場が下がっている時に購入し、相場が上がった時に売却するのが理想です。
不動産の相場を見ながら、売却のタイミングを探す方法もあります。
購入時より相場が上がっているなら売り時
一般的に不動産の価格は、築年数が古くなるごとに下がっていきます。
しかし、相場の波によって購入時よりも相場が上がることがあり、売り時といえるでしょう。
かつてバブルの時期には相場が高騰して、購入額の倍以上の価格で売却できた人もいました。
最近では、2008年のリーマンショックで相場が下がっています。
その後アベノミクスにより、2013年以降には相場が上昇しています。
リーマンショック後に安く購入し、2013年以降に売却した場合は、お得に売却できているかもしれません。
相場の変動はプロでも見極めが困難
相場は細かく上下に動きながら、大きな変動が起こります。
大きく波打つ変動を見極めるのは、プロでも難しいといわれています。
例えば、相場の下落が続いていた後で、少し上昇したとします。
その上昇は売り時なのか、それとも更に上昇が続くのかはわかりません。
大きく上昇する可能性もありますし、大きく下落することも考えられます。
逆の例では、相場の上昇が続いた後、少し下落したとします。
この場合でも、下落が続くなら今売ってしまったほうが良いでしょう。
しかし、下落が続くのか、一時的に下落しただけですぐに上昇するのかは不明です。
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不動産の売却がおすすめできないタイミング
不動産売却におすすめできない時期があります。
- 周辺で大規模なマンションが売り出された
- あと少しで税制優遇が受けられる
買い手が見つかりにくかったり、損をしてしまったり売却を失敗するかもしれません。
近隣で大規模マンションを販売
近隣で大規模なマンションが販売された場合は要注意です。
特に引き渡しの時期は、近くから引っ越す人がいれば、その物件が売りに出されます。
多くの物件が動けば、そのエリアの相場に影響することが考えられます。
また、同じマンションのほかの部屋が売り出されている場合も、注意が必要です。
同じマンションの同じような条件の物件が競合すると、価格競争になるでしょう。
税制優遇がギリギリ適用されない時期
税制が売却に有利になるからと言って、売却時期をそう簡単にずらせるものでもありません。
しかし、あと少しでお得になるなら、時期をずらすことを検討する余地があるでしょう。
あと1カ月遅ければ税制の優遇が適用される、という場合には時期をずらしてはいかがでしょうか。
知らずに売却して、後で知ると後悔してしまいます。
税制優遇については、売却を検討し始めた段階で調べることがおすすめです。
不動産売却をするならリビンマッチへ
不動産売却の次の5つのタイミングについて解説しました。
- 築年数によるタイミング
- 税金を損するタイミングを避ける
- 引っ越しシーズンなどの季節
- 住宅ローンが低金利
- 転職・相続・離婚などのライフスタイルの変化
家の売り時は5つのタイミングのほか、相場も気になるところです。
しかし、相場の見極めはプロでも難しいので、現実的とは言えません。
やはりタイミングを考えるなら、上記の5つの中から状況に合わせたものが良いでしょう。
また次のような、売却に向かないタイミングもあるので、注意が必要です。
- 同じエリアで大規模マンションが販売された場合の引き渡し時期
- 売却時期を少し遅らせると税金の特例が適用される場合
不動産売却では、どのタイミングでも査定が必要です。
より高い価格で売却するためには、複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。
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