- 空き家を売却すべきかどうか悩んでいる
- 空き家を売却する方法が知りたい
- 空き家を売却するときの注意点が知りたい
「相続した実家が空き家になっている」
「引っ越し後の旧居を使わないままにしている」
このように、空き家の扱いに悩んでいる人は少なくありません。
活用予定がない空き家は、売却を含めて早めに処分方法を検討するのがおすすめです。所有している間も固定資産税や管理費がかかり、建物の劣化や近隣トラブル、相続登記・税金の手続きなどの負担が増える可能性があるためです。
本記事では、空き家を売却すべき理由、売却方法、かかる費用や税金、使える特例、売却時の注意点をわかりやすく解説します。
結論として、活用予定がない場合は、まず登記名義と税金の特例期限を確認し、複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。そのうえで、「現状のまま売る」「古家付き土地や更地として売る」「不動産会社に買い取ってもらう」という方法ごとの手取り額と売却期間を比べることが大切です。
「そのまま売るべきか」「更地にしたほうがよいか」「相続した空き家の税金はどうなるのか」で迷っている人は、まず全体像を確認しておきましょう。
\6年連続・2部門でNo.1/
※「不動産査定サイト認知度」「使ってみたい不動産査定サイト」。株式会社マーケティング アンド アソシェイツ調べ(2025年9月19日~23日)
活用予定がない空き家は早めに売却を検討しよう

住む予定や貸す予定がない空き家は、早めに売却を検討しましょう。
空き家は所有しているだけでも税金や管理費がかかります。さらに、適切に管理できない状態が続くと、近隣トラブルや建物の劣化、固定資産税の負担増につながる可能性もあります。
- 固定資産税・都市計画税や管理費がかかり続ける
- 火災・倒壊・不法侵入などのリスクがある
- 建物の劣化が進むと売却しにくくなる
- 相続人が複数いる場合、時間が経つほど話し合いが難しくなることがある
まずは、空き家を放置する主なデメリットを確認していきます。
税金や管理費用は空き家のままでもかかり続ける
空き家を使っていなくても、固定資産税、地域によって課される都市計画税、火災保険を継続する場合の保険料、清掃・草刈り・修繕などの管理費用は発生します。
特に注意したいのが、固定資産税の住宅用地特例です。住宅が建っている土地は、一定の条件を満たすと固定資産税の課税標準が軽減されます。
しかし、適切に管理されていない空き家が「特定空家等」や「管理不全空家等」とされ、市区町村長から勧告を受けると、その敷地は住宅用地特例の対象外になる可能性があります。
| 区分 | 住宅用地特例がある場合 | 特例が外れた場合の影響 |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地 (200㎡以下の部分) | 固定資産税の課税標準が1/6 | 土地部分の固定資産税が大きく増える可能性がある |
| 一般住宅用地 (200㎡を超える部分) | 固定資産税の課税標準が1/3 | 土地部分の固定資産税が増える可能性がある |
「いつか使うかもしれない」と考えて先延ばしにしている間も、管理の手間と費用はかかり続けます。遠方の空き家では、見回りや草刈りを管理会社に依頼する費用も負担になりやすいでしょう。
火災・倒壊・不法侵入などのリスクがある
人が住んでいない家は、劣化や異変に気づきにくくなります。管理が行き届かない状態が続くと、次のようなトラブルにつながる可能性があります。
- 火災リスク
電気配線の劣化や放火などに気づきにくい - 倒壊・落下リスク
屋根・外壁・塀などの劣化が進むと、周囲に被害を与えるおそれがある - 不法侵入・不法投棄
人の出入りがないことが分かると、侵入やゴミの投棄を招くことがある - 近隣トラブル
雑草、害虫、悪臭、景観悪化などで苦情につながることがある - 所有者の責任問題
建物や塀の一部が落下して他人に損害を与えた場合、所有者が責任を問われることがある
民法では、土地の工作物の設置または保存に問題があり、他人に損害を与えた場合の責任が定められています。空き家を所有している以上、「使っていないから関係ない」とは言い切れません。
空き家は増えており、条件によっては売りにくくなる
日本では空き家が増え続けています。総務省統計局の「令和5年住宅・土地統計調査」の確報値によると、2023年の全国の空き家数は900万2,000戸、空き家率は13.8%で、いずれも過去最高となりました。

もちろん、すべての空き家が売れにくくなるわけではありません。駅に近い、生活利便性が高い、建物状態がよい、土地として需要があるなどの条件がそろっていれば、買い手が見つかる可能性は十分にあります。
一方で、地方や郊外、老朽化が進んだ建物、境界や権利関係に問題がある物件は、時間が経つほど売却条件が悪くなることもあります。活用予定がない場合は、建物が大きく傷む前に査定を取り、売却できる条件を確認しておくことが大切です。
\6年連続・2部門でNo.1/
※「不動産査定サイト認知度」「使ってみたい不動産査定サイト」。株式会社マーケティング アンド アソシェイツ調べ(2025年9月19日~23日)
空き家を売却する3つの方法

空き家の売却方法は、主に次の3つです。
| 売却方法 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 中古住宅として売却 | 建物に住める状態が残っている | 建物の不具合説明や契約不適合責任に注意する |
| 古家付き土地・更地として売却 | 建物価値が低く、土地としての需要が見込める | 古家付きか解体後かで手取りが変わるため、解体費と税負担を比較する |
| 不動産会社の買取 | 売却までの速さや手間の少なさを優先したい | 仲介による売却より価格が低くなりやすい |
どの方法がよいかは、建物の状態、立地、売却期限、解体費、税金、相続人の意向によって変わります。まずは複数社に査定を依頼し、「そのまま売る場合」「古家付き土地として売る場合」「解体して売る場合」「買取を利用する場合」の手取りを比べましょう。
中古住宅としてそのまま売却|住める状態なら最初に検討したい方法
空き家が比較的新しい、または修繕すれば住める状態であれば、中古住宅としてそのまま売却する方法があります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 解体費用がかからない 買主がすぐ住める可能性がある リフォーム前提の買主に訴求できる 売却まで住宅用地特例を維持しやすい | 建物状態が悪いと売れにくい 内覧前の片付けや清掃が必要 雨漏り・シロアリなどの説明が必要 契約不適合責任のトラブルに注意が必要 |
中古住宅としての売却は、建物の劣化が少ない場合や、リフォーム・リノベーション需要が見込める地域に向いています。
一方、築年数が古くても一律に解体すべきとは限りません。買主が自由にリフォームしたい場合、古い家が残っていることが判断材料になることもあります。
ただし、雨漏り、シロアリ、傾き、給排水設備の不具合などを隠して売却すると、契約後のトラブルにつながります。分かっている不具合は、不動産会社と相談しながら買主へ正確に伝えましょう。
古家付き土地・更地として売却|解体前に費用と手取りを比較する
建物の老朽化が進んでいる場合は、建物を残したまま古家付き土地として売る方法と、売主が解体して更地として売る方法があります。
古家付き土地なら解体費を先に負担せずに済みますが、買主は解体費用を見込んで価格を判断します。更地は土地の利用イメージを伝えやすい一方、売れる前に解体費を負担しなければなりません。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 古家付き土地なら解体費を先払いせずに済む 更地なら土地として検討する買主に伝わりやすい 更地では建物に関する責任の範囲を整理しやすい | 古家付き土地は買主が解体費を見込んで価格を判断する 更地にする場合は解体費用がかかる 解体費を売却価格に上乗せできるとは限らない 住宅用地特例が外れ、固定資産税が増える可能性がある 補助金は工事前の申請が必要な場合が多い |
解体費は、建物の構造や延べ床面積、前面道路の広さ、重機の搬入条件、残置物、石綿含有建材の有無などで大きく変わります。土地中の埋設物や境界の問題は、建物を解体しても解消されるとは限りません。
また、建物を取り壊すと住宅用地特例が外れ、翌年度以降の固定資産税が増える可能性があります。売却の見込みがないまま解体するのではなく、先に不動産会社へ相談し、古家付き土地と更地の査定額、解体見積もり、売却までの想定期間を比べて判断しましょう。
不動産会社による買取|早く売りたい空き家に向いている
空き家を不動産会社に直接買い取ってもらう方法もあります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 売却までの期間を短縮しやすい 現状のまま売れる場合がある 直接買取なら原則として仲介手数料がかからない 内覧対応や価格交渉の手間を減らせる | 仲介より売却価格が低くなりやすい 再販が難しい物件は買取対象外になることがある 複数社に見積もらないと価格差が分かりにくい |
買取は、「売却時期を優先したい」「遠方の空き家を手間なく処分したい」「相続人間で早めに現金化したい」という人に向いています。
ただし、不動産会社は買い取った物件を再販するため、リフォーム費用や売れ残りリスクを見込んだ価格を提示します。仲介で売るより安くなることが多いため、急いでいる場合でも複数社の買取査定を比べましょう。仲介会社を介して買取先を探す契約では、仲介手数料が発生する場合があります。
\6年連続・2部門でNo.1/
※「不動産査定サイト認知度」「使ってみたい不動産査定サイト」。株式会社マーケティング アンド アソシェイツ調べ(2025年9月19日~23日)
空き家を売却するときにかかる費用や税金

空き家を売却すると、仲介手数料や印紙税、登記費用、測量費、解体費などがかかる場合があります。
売却価格だけを見て判断すると、実際の手取り額を見誤ることがあります。事前に費用と税金を整理しておきましょう。
空き家売却にかかる費用一覧
| 費用項目 | 金額・計算方法 | 備考 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 売却価格が800万円超の場合: 売却価格×3%+6万円+消費税が上限 | 売却価格800万円以下の「低廉な空家等」では、事前の説明・合意により、売主側の上限が税込33万円となる場合がある |
| 印紙税 | 契約金額に応じる 例:1,000万円超5,000万円以下は1万円 | 不動産売買契約書の軽減措置は、2027年3月31日までに作成される契約書が対象 |
| 抵当権抹消費用 | 登録免許税は不動産1個につき1,000円 | 住宅ローンが残っている場合などに必要 土地と建物なら通常2個として計算 司法書士へ依頼すると報酬もかかる |
| 測量費用 | 依頼内容に応じた個別見積もり | 境界が不明確な場合や確定測量が必要な場合 土地の広さ、隣接地の数、立会い条件などで変動 |
| 解体費用 | 建物ごとの個別見積もり | 更地にして売る場合 構造・延べ床面積・立地・残置物・石綿調査などで変動 |
| 不用品処分費用 | 家財の量や搬出条件による | 家庭ごみとして処分できない物やリサイクル対象品の扱いも確認する |
| 確定申告の依頼費用 | 依頼内容に応じた個別見積もり | 自分で申告する場合は税理士報酬がかからない 譲渡所得や特例の計算を依頼する場合は事前に見積もる |
たとえば、2,000万円で売却した場合、通常の仲介手数料の上限は「2,000万円×3%+6万円+消費税」で72.6万円(税込)です。
なお、不動産会社による直接買取では仲介手数料がかからないことが一般的です。ただし、買取価格そのものは仲介による売却価格より低くなりやすいため、手数料の有無だけで判断しないようにしましょう。
空き家売却にかかる税金一覧
空き家を売却して利益が出た場合、その利益は「譲渡所得」として課税対象になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 課税譲渡所得の計算 | 譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除 |
| 短期譲渡所得 | 譲渡した年の1月1日時点で所有期間5年以下 所得税等30.63%・住民税9% 合計税率:39.63% |
| 長期譲渡所得 | 譲渡した年の1月1日時点で所有期間5年超 所得税等15.315%・住民税5% 合計税率:20.315% |
相続した空き家の場合、取得時期と取得費は原則として被相続人から引き継ぎます。そのため、自分が相続してから5年経っていなくても、被相続人の所有期間を含めて長期譲渡所得になるケースがあります。
取得時の売買契約書などが見つからず、取得費が分からない場合は、売却代金の5%を概算取得費として計算できることがあります。ただし、実際の取得費より大幅に低くなると譲渡所得が大きくなるため、相続前の契約書、領収書、通帳、住宅ローン関係書類などをできるだけ探しましょう。
税率だけを見て売却を先延ばしにすると、空き家の3,000万円特例の期限を過ぎたり、建物の劣化で売却条件が悪くなったりする可能性があります。税金、売却価格、管理費、特例の期限をまとめて比較しましょう。
\6年連続・2部門でNo.1/
※「不動産査定サイト認知度」「使ってみたい不動産査定サイト」。株式会社マーケティング アンド アソシェイツ調べ(2025年9月19日~23日)
空き家売却で使える税金の特例・補助金

空き家の売却では、条件を満たせば譲渡所得にかかる税金を抑えられる特例があります。自治体によっては、解体や家財整理に使える補助制度もあります。
特に相続した空き家では、3,000万円特別控除の対象になるかどうかで手取り額が大きく変わります。期限や利用状況の条件があるため、売却前に確認しておきましょう。
被相続人の居住用財産を売ったときの3,000万円特例
相続した空き家を売却する場合、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」を使える可能性があります。
この特例は、一定の条件を満たす空き家やその敷地を売却したときに、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。譲渡所得が控除額以下であれば、譲渡所得に対する所得税・住民税が生じない可能性があります。
| 項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 控除額 | 最高3,000万円 2024年1月1日以後の譲渡で、対象となる家屋と敷地等を相続・遺贈により取得した相続人が3人以上の場合は最高2,000万円 |
| 対象期間 | 2016年4月1日から2027年12月31日までの譲渡 |
| 売却期限 | 相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで |
| 対象となる家屋 | 1981年5月31日以前に建築された家屋 区分所有建物登記がされていない家屋 原則として相続開始直前に被相続人以外の居住者がいない家屋 |
| 主な条件 | 売却代金の合計額が1億円以下 相続後から譲渡まで居住・貸付・事業に使っていない 耐震基準に適合する、または取壊し後に売却するなどの条件を満たす |
| 手続き | 確定申告が必要 市区町村が交付する「被相続人居住用家屋等確認書」などの書類が必要 |
売却代金1億円以下の判定では、同じ家屋や敷地を分けて売った場合や、ほかの相続人が売った部分などを合算することがあります。最初の売却時に1億円以下でも、後日の売却によって合計額が1億円を超えると、修正申告が必要になる場合があります。
2024年1月1日以後の譲渡では、買主が譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに耐震改修または取壊しを行った場合も、一定条件のもとで特例の対象になります。
ただし、条件は細かく、老人ホーム入所後に相続した場合や、相続人が複数いる場合などで確認すべき点が変わります。また、同じ物件について後述する取得費加算の特例とは併用できません。売却前に税理士や税務署、不動産会社へ相談しておくと安心です。
空き家解体の補助金を使える場合がある
空き家を解体する場合、自治体によっては解体費用や家財整理費用の一部を補助する制度があります。
補助金の有無、対象となる空き家、補助率、上限額、申請期限は自治体ごとに異なります。工事前の申請や交付決定が必要な制度も多いため、解体業者と契約したり工事を始めたりする前に、空き家がある自治体の制度を確認しましょう。
たとえば、東京都の「東京都空き家家財整理・解体促進事業」では、東京都内の空き家について、家財整理または解体にかかる費用の一部が補助対象になります。
| 補助対象 | 補助額 |
|---|---|
| 家財整理費 | 消費税等を除く対象経費の1/2以内 上限5万円 |
| 解体工事費 | 消費税等を除く対象経費の1/2以内 上限10万円 |
補助金は、申請前に契約や工事を始めると対象外になることがあります。解体を検討している場合は、「先に自治体や指定窓口へ確認する」と覚えておきましょう。
相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
相続税を支払って相続した空き家を売却する場合、「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」を使える場合があります。
この特例は、支払った相続税のうち、売却した相続財産に対応する一定額を取得費に加算できる制度です。取得費が増えるため、譲渡所得が減り、結果として税金を抑えられる可能性があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 特例の内容 | 譲渡した相続財産に対応する一定の相続税額を取得費に加算できる |
| 主な条件 | 相続や遺贈で財産を取得している その財産を取得した人に相続税が課税されている 一定期限までに譲渡している |
| 期限 | 相続開始日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで 一般的には相続開始日の翌日から約3年10か月以内 |
| 加算額の上限 | この特例を使わずに計算した譲渡益が上限 |
| 注意点 | 同じ物件について空き家の3,000万円特例とは併用できない |
たとえば、その人に課された相続税額が1,500万円、売却した空き家の相続税評価額が1.5億円、その人が取得した財産価額等の合計が3億円で、譲渡益が750万円以上あると仮定すると、単純化した取得費加算額は次のように考えられます。
実際の計算では、相続時精算課税の対象財産や一定の生前贈与財産が分母に含まれる場合があります。また、計算結果が譲渡益を超える場合は、譲渡益相当額が加算上限です。
空き家の3,000万円特例と取得費加算の特例は、控除額の大きさだけでは比較できません。売却価格、譲渡益、相続税額、売却期限、各特例の適用条件によって有利な方法が変わるため、相続税を支払っている人は税理士へ相談しましょう。
\6年連続・2部門でNo.1/
※「不動産査定サイト認知度」「使ってみたい不動産査定サイト」。株式会社マーケティング アンド アソシェイツ調べ(2025年9月19日~23日)
空き家を売却するときの注意点

空き家をスムーズに売却するには、事前準備が重要です。特に相続した空き家では、相続登記や相続人間の合意が済んでいないと売却を進められません。
ここでは、売却前に確認しておきたい注意点を整理します。
相続登記と住所変更登記を確認する
空き家を売却するには、登記上の所有者が売主になっている必要があります。まず登記事項証明書を取得し、所有者の名義と住所を確認しましょう。
親や祖父母から相続した空き家で、まだ相続登記が済んでいない場合は、売却前に相続登記を行います。遺産分割協議による相続登記では、一般的に次のような書類を使用します。
- 登記申請書
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍関係書類
- 被相続人の住民票除票または戸籍の附票
- 相続人の戸籍謄本
- 不動産を取得する相続人の住民票
- 固定資産課税明細書または固定資産評価証明書などの評価額が分かる資料
- 遺産分割協議書と印鑑証明書(相続人が複数で遺産分割する場合)
必要書類は、遺言の有無、法定相続、遺産分割、数次相続などの状況によって変わります。戸籍の収集や遺産分割協議に時間がかかることもあるため、早めに準備しましょう。
相続登記は2024年4月1日から義務化されています。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請しない場合、正当な理由がなければ10万円以下の過料の対象になる可能性があります。
2024年4月1日より前に発生した相続も義務化の対象です。施行前から相続による取得を知っていた未登記不動産は、原則として2027年3月31日までに手続きする必要があります。
また、2026年4月1日からは、不動産所有者の住所・氏名変更登記も義務化されています。住所や氏名が変わった日から2年以内の申請が必要で、正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の対象になる可能性があります。2026年4月1日より前の変更が未登記の場合は、原則として2028年3月31日までに申請します。
相続人が多い場合、古い相続が残っている場合、戸籍が複数の自治体にまたがる場合は、司法書士へ依頼したほうがスムーズです。
更地にするなら解体のタイミングを間違えない
空き家を解体して売却する場合は、工事前後の手続きに注意が必要です。
- 解体前に「現状のまま売る場合」「古家付き土地として売る場合」「更地にする場合」の査定額を比べる
- 自治体の補助金を使う場合は、工事契約・着工前に申請条件を確認する
- 特定建設資材が使われた建築物の解体工事で床面積の合計が80㎡以上の場合は、原則として工事着手7日前までに建設リサイクル法の届出を行う
- 解体前に石綿含有建材の事前調査を行い、床面積80㎡以上の建築物解体工事では調査結果の報告を確認する
- 登記されている建物を解体したら、滅失の日から1か月以内に建物滅失登記を申請する
- 更地になると住宅用地特例が外れ、固定資産税が増える可能性がある
建設リサイクル法の届出は、対象工事の発注者または自主施工者が行います。石綿の事前調査や結果報告は元請業者または自主施工者が行うため、見積書に調査費や必要な除去費用が含まれているか確認しましょう。
売却の見込みがないまま解体すると、解体費用を回収できず、固定資産税の負担だけが増えることもあります。解体は、不動産会社の査定と解体見積もり、補助金の条件を確認してから判断しましょう。
売却スケジュールに余裕を持つ
空き家の売却は、一般的な住宅より時間がかかることがあります。建物が古い、立地条件が悪い、境界が不明確、相続登記が未了といった事情があると、売却活動を始めるまでにも時間が必要です。
仲介で売却する場合、査定、媒介契約、売却活動、価格交渉、契約、引き渡しまでに数か月以上かかることがあります。税金の特例や相続手続きの期限が決まっている場合は、早めに査定と準備を始めましょう。
どうしても期限内に売却したい場合は、買取も選択肢になります。ただし、買取は価格が低くなりやすいため、複数社の査定を比べることが重要です。
3社程度を目安に査定を依頼して比べる
空き家の査定額は、不動産会社によって差が出ることがあります。特に空き家は、建物を評価する会社、土地として評価する会社、買取を前提に見る会社で判断が変わりやすい物件です。
1社だけの査定で売却を決めると、相場やほかの売却方法を十分に比較できません。3社程度を目安に査定を依頼し、査定額だけでなく、価格の根拠、販売方針、想定される売却期間、空き家売却の実績、担当者の対応を比べましょう。
複数の不動産会社に査定を依頼するなら、一括査定サイトを使うと手間を減らせます。無料で利用でき、1回の入力で複数社に査定依頼できるため、売却相場や提案の違いを把握しやすくなります。
ただし、査定額は実際に売れる価格を保証するものではありません。高い査定額だけで決めず、その価格で売れると判断した根拠も確認してください。
記事後半の「空き家を売却するなら「一括査定サイト」がおすすめ」でも詳しく紹介しています。
\6年連続・2部門でNo.1/
※「不動産査定サイト認知度」「使ってみたい不動産査定サイト」。株式会社マーケティング アンド アソシェイツ調べ(2025年9月19日~23日)
空き家を売却する流れ

ここでは、空き家を売却する準備から引き渡し後の手続きまでの流れを紹介します。
「何から始めればよいか分からない」という人は、まず全体の流れをつかんでおきましょう。
空き家売却の流れ7ステップ
- 登記名義の確認
- 不動産会社の査定
- 媒介契約の締結
- 売却活動の開始
- 売買契約の締結
- 決済・引き渡し
- 確定申告
1. 登記名義の確認
まずは登記事項証明書を取得し、登記上の所有者と住所を確認します。相続した空き家で名義が亡くなった親や祖父母のままになっている場合は、相続登記が必要です。
相続人が複数いる場合は、誰が空き家を相続するのかを決める遺産分割協議が必要になることがあります。住所や氏名の変更登記も含め、売却活動を始める前に登記内容と相続人の合意を整理しておきましょう。
2. 不動産会社の査定
次に、不動産会社へ査定を依頼して売却価格の目安を確認します。
- AI査定:物件情報や周辺データをもとに機械的に目安を算出
- 簡易査定(机上査定):不動産会社が物件情報や取引事例をもとに査定
- 訪問査定:不動産会社が現地や建物状態を確認して査定
空き家は建物状態や周辺環境の影響が大きいため、売却を具体的に進める段階では訪問査定を受けるのがおすすめです。メンテナンス履歴、雨漏りの有無、残置物、境界の状況などを正直に伝えると、査定の精度が上がります。
3社程度を目安に依頼し、査定額の高さだけでなく、査定根拠や販売方針、想定される売却期間も比較しましょう。
3. 媒介契約の締結
依頼する不動産会社を決めたら、媒介契約を結びます。媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。
一般媒介は複数社に依頼できます。専任媒介・専属専任媒介は1社に依頼する契約で、不動産会社から定期的な販売活動の報告を受けられます。
契約期間、売り出し価格、仲介手数料、販売方法、契約更新の条件を確認し、納得してから契約しましょう。
4. 売却活動の開始
媒介契約を結ぶと、不動産会社が物件情報を公開し、買主を探します。インターネット広告、不動産ポータルサイト、チラシなどを使って売却活動を行います。
空き家の場合、内覧前に最低限の清掃、換気、庭の手入れ、残置物の整理をしておくと印象がよくなります。完全なリフォームまでは不要でも、買主が建物や設備を確認しやすい状態に整えておきましょう。
5. 売買契約の締結
買主が見つかったら、価格や引き渡し条件を調整し、売買契約を締結します。
- 売買代金と支払方法
- 引き渡し日と引き渡し条件
- 固定資産税・都市計画税の精算方法
- 残置物の扱い
- 契約不適合責任の範囲と期間
空き家の不具合、過去の修繕履歴、雨漏りやシロアリ被害など、把握している事実は契約前に買主へ説明しておくことが大切です。分からない点は、不動産会社に確認しながら進めましょう。
6. 決済・引き渡し
売買契約で決めた日に、残代金の受け取りと物件の引き渡しを行います。
- 残代金の受け取り
- 所有権移転登記に必要な書類の確認
- 固定資産税・都市計画税などの精算
- 鍵や設備書類の引き渡し
- 電気・ガス・水道などの停止・名義変更
住宅ローンが残っている場合は、決済日に抵当権を抹消できるよう、金融機関や司法書士と事前に調整しておきます。
また、契約で「残置物を撤去して引き渡す」と決めている場合は、決済日までに家財やゴミを搬出しておきましょう。
7. 確定申告
空き家の売却で譲渡所得が出た場合は、翌年に確定申告が必要です。3,000万円特別控除などの特例を使って税金が0円になる場合でも、特例を受けるには確定申告が必要です。
主な必要書類は次のとおりです。
- 確定申告書
- 譲渡所得の内訳書
- 売買契約書のコピー
- 取得費や譲渡費用が分かる領収書・契約書
- 本人確認書類・マイナンバー確認書類
- 特例を使う場合に必要な確認書類
譲渡所得の確定申告期間は原則として翌年2月16日から3月15日までです。期限日が土日祝日に当たる年は翌開庁日になることがあります。税金の計算や特例の判断が難しい場合は、税理士や税務署に相談しましょう。
\6年連続・2部門でNo.1/
※「不動産査定サイト認知度」「使ってみたい不動産査定サイト」。株式会社マーケティング アンド アソシェイツ調べ(2025年9月19日~23日)
空き家を売却するなら「一括査定サイト」がおすすめ

空き家の売却で不動産会社を探すなら、一括査定サイトを利用すると便利です。
一括査定サイトとは、1回の入力で複数の不動産会社に査定依頼ができるサービスです。自分で何社も探して問い合わせる手間を減らしながら、査定額や販売方針を比較できます。
空き家は、会社によって「中古住宅として売る」「古家付き土地として売る」「解体を提案する」「買取を提案する」など判断が分かれやすい物件です。複数社の意見を聞くことで、より納得しやすい売却方法を選べます。
一方、一括査定を申し込むと、選択した不動産会社から電話やメールで連絡が入ります。また、表示される会社数は物件所在地や物件種別によって異なります。査定額は売却価格の保証ではないため、金額だけでなく査定根拠や担当者の説明も比較しましょう。
以下では、代表的な一括査定サイトを3つ紹介します。
リビンマッチ|最短45秒で査定依頼できる

| 会社名 | リビン・テクノロジーズ株式会社 |
|---|---|
| 対応エリア | 全国 物件所在地によって紹介社数は異なる |
| 参加企業数 | 全国約2,100社以上 |
- 最短45秒で査定依頼の入力ができる
- 全国約2,100社以上の不動産会社から比較できる
- 最大6社へ無料で査定依頼できる
リビンマッチは、全国の不動産会社に査定依頼できる不動産一括査定サイトです。
大手から地域密着型の不動産会社まで参加しており、空き家の所在地や状態に合う会社を探したい人におすすめです。紹介される会社数や対応可否は、地域と物件条件によって異なります。
\6年連続・2部門でNo.1/
※「不動産査定サイト認知度」「使ってみたい不動産査定サイト」。株式会社マーケティング アンド アソシェイツ調べ(2025年9月19日~23日)
HOME4U|NTTデータグループの一括査定サイト

| 会社名 | 株式会社NTTデータ・ウィズ |
|---|---|
| 対応エリア | 全国 物件所在地によって紹介社数は異なる |
| 提携企業数 | 約2,500社 |
- NTTデータグループ会社が運営
- 約2,500社の不動産会社と提携している
- 最大6社にまとめて査定依頼できる
HOME4Uは、NTTデータグループ会社が運営する不動産一括査定サイトです。
約2,500社の不動産会社と提携しており、物件条件に応じて最大6社へまとめて査定依頼できます。運営母体や情報管理体制を重視したい人におすすめです。
イエウール|最大6社に無料査定依頼できる

| 会社名 | 株式会社Speee |
|---|---|
| 対応エリア | 全国 物件所在地によって紹介社数は異なる |
| 提携企業数 | 2,000社以上 |
- 最大6社に無料で査定依頼できる
- 全国2,000社以上の不動産会社と提携している
- 物件情報を入力し、対応可能な会社を比較できる
イエウールは、全国の不動産会社に査定依頼できる一括査定サイトです。
最大6社の査定を比較できるため、空き家を中古住宅として売るべきか、土地として売るべきか、複数の会社の意見を聞きたい人におすすめです。
\月間利用者数3万3千人突破!最大6社比較/
※2025年1月現在「不動産の一括査定サイトに関するランキング調査」より
(株)東京商工リサーチ調べ
空き家は放置せず、早めに売却方法を確認しよう
活用予定がない空き家は、早めに売却を含めた対応を検討しましょう。
空き家を放置すると、固定資産税や管理費がかかり続けます。さらに、管理不全の状態が続いて勧告を受けると、住宅用地特例の対象外となり、土地部分の固定資産税が増える可能性もあります。
また、建物の劣化、火災・倒壊、不法侵入、近隣トラブル、相続人間の調整など、時間が経つほど解決しにくくなる問題もあります。
空き家を売却するときの主なポイントは次のとおりです。
- 登記内容を確認する
相続登記や住所変更登記が済んでいないと、売却手続きに時間がかかる - 現状のまま売るか、古家付き土地・更地にするかを比較する
解体費と固定資産税の増加を含めて手取りを確認する - 税金の特例と期限を確認する
相続した空き家では3,000万円特例を使える可能性がある - 複数社の査定を比較する
3社程度を目安に依頼し、査定額の根拠と売却方針を比べる
無料の一括査定サイトを利用すれば、複数社の査定額や提案内容を比べながら、空き家に合う売却方法を探しやすくなります。
「売れるか分からない」「解体すべきか迷っている」という段階でも、まずは査定を取り、現在の価値と選択肢を確認しておきましょう。
\6年連続・2部門でNo.1/
※「不動産査定サイト認知度」「使ってみたい不動産査定サイト」。株式会社マーケティング アンド アソシェイツ調べ(2025年9月19日~23日)
出典
総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」(公開日:2024年9月25日)
国土交通省「固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置」
e-Gov法令検索「民法」
国土交通省「空き家等に係る媒介報酬規制の見直し」
国税庁「No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」
国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」
国税庁「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」
国税庁「No.3270 相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期」
国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」
国税庁「No.3102 譲渡所得の申告期限」
法務省「相続登記の申請義務化について」
法務省「住所等変更登記の義務化特設ページ」
e-Gov法令検索「不動産登記法」
国土交通省「建設リサイクル法の対象となる建設工事では届出が必要です!」
環境省「石綿事前調査結果の報告について」
東京都住宅政策本部「東京都空き家家財整理・解体促進事業」
リビンマッチ「不動産一括査定・売却はリビンマッチ」
HOME4U「NTTデータグループ会社の無料一括査定サイト」
イエウール「不動産一括査定・売却・相場ならイエウール」
株式会社Speee「イエウール」

