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相続不動産を売却する方法とは?手続きの流れや税金、注意点を詳しく解説

この記事で解決できるお悩み
  • 相続した不動産を売却するときの手続きと流れが知りたい
  • 相続した不動産を売却するときにかかる税金が知りたい
  • 相続した不動産を売却するときの注意点が知りたい

相続した不動産を売却するには、相続登記や名義変更、必要書類の準備など、いくつかのステップを踏む必要がある。

また譲渡所得税や特例制度の活用など、税金面の知識も必要だ。

そこで本記事では、相続不動産の売却方法や手続きの流れ、税金の仕組み、注意すべきポイントをわかりやすく解説する。

スムーズな売却を実現するために、ぜひ最後までご覧いただきたい。

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※2024年9月20日-24日 「サイト評価に関する調査」より

目次

相続した不動産を売却する流れ

相続した不動産を売却するには、いくつかの重要な手続きがある。特に相続登記や売買契約など、法的な手続きが多いのが特徴だ。

スムーズに相続不動産の売却を進めるためには、事前に流れを把握しておくことが欠かせない。

ここでは、相続発生から名義変更、売却、確定申告までの一連の流れを詳しく解説する。各段階のポイントや所要期間を把握し、計画的に進める手立てになるはずだ。

①相続発生から相続人の確定

相続が発生してから相続人が確定するまで、およそ3〜6か月要する。この時期の大きな作業は、次の2つだ。

相続発生と遺言書の確認

親族が亡くなり相続が発生したら、まず遺言書の有無を確認する。遺言書がある場合は、その内容に従って相続手続きを進めよう。

ただしこの時、遺言書の種類を事前に確認する必要がある。

公正証書遺言であれば、すぐに開封できる。しかし自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所で検認を受けなければならない。

検認手続きを経ていない自筆証書遺言では、法務局も銀行も相続手続きを受け付けない。

また検認を受けずに勝手に遺言書を開封した場合、5万円以下の過料というペナルティが科されるので、注意しよう。

戸籍の収集と相続人の確定

相続が発生した場合、相続人を確定させなければならない。その手順として、被相続人、つまり故人の出生から死亡までの戸籍謄本を取得する。

相続人の範囲は、民法で決められている。配偶者や子どもが、主たる相続人だ。被相続人の戸籍謄本を確認することで、相続人が誰なのかを正式に確定できる。

②遺産分割協議と相続登記

相続人が確定したら、遺産分割協議と相続登記(名義変更)を行う。およそ3〜6か月程度要するのが、一般的だ。

遺産分割協議書の作成

相続人が複数いる場合は、財産の分割方法や割合について、法定相続人全員で話し合って決定する。これが、遺産分割協議だ。

なお、次の場合は、遺産分割協議は不要だ。

  • 遺言書がある場合
  • 相続人全員が法定相続分に従って遺産を分割することに合意している場合

相続人全員が合意した内容を記載したものが、遺産分割協議書である。遺産分割協議書には、全員が署名・押印(実印)しなければならない。

仮に、相続人全員の合意が得られない場合は、家庭裁判所での調停が必要になる。

相続登記(名義変更)

相続登記とは、故人の不動産の名義を、相続人に変更する手続きだ。

2024年4月1日に施行された改正不動産登記法により、義務付けられている。相続発生から3年以内の相続登記を怠ると、10万円以下の過料が科される可能性があるため、注意しよう。

相続登記の手続きは、法務局で行う。必要な書類は、以下のとおりだ。

  • 被相続人の戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書(または遺言書)
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 登記申請書

登録免許税などの費用を支払うと、手続きは完了だ。

③不動産の査定と売却準備

相続登記が完了すれば、新しい土地の名義人である相続人が、不動産を自由に売買できる。

まずは売却価格を決めるために、不動産の査定を行おう。かかる期間は、およそ1~2ヵ月程度だ。

不動産に査定を依頼

不動産会社に、査定を依頼する。市場価格を把握したうえで、適切に価格設定するために欠かせない手順だ。

査定は、無料で依頼できることが多い。この時、複数の不動産会社に依頼すると、相場が分かりやすくなるのでおすすめだ。

不動産会社と媒介契約を締結

不動産の査定後、売却を任せる不動産会社を決めたら、媒介契約を締結する。

媒介契約とは、不動産の売買や賃貸借の際に、不動産会社に仲介を依頼する契約のことだ。

媒介契約を締結すると、不動産会社は売買契約の成立に向けて広告や購入希望者とのやり取りなどを始める。

なお、媒介契約には以下の3種類があるので、ニーズによって使い分けよう。

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媒介契約の種類特徴
専属専任媒介契約1社のみに依頼可能

自己売却不可

1週間に1回の報告義務(宅建業法34条の2第9項)
専任媒介契約1社のみに依頼可能

自己売却可能

2週間に1回の報告義務(宅建業法34条の2第9項)
一般媒介契約複数社に依頼可能

自己売却可能

報告義務なし

例えば売却を急ぐ場合は、広告力の強い不動産会社に専任で依頼するのも1つの効果的な方法だ。

④売却活動〜売買契約

媒介契約を結ぶと、不動産会社が広告を出したり、内覧を実施したりといった方法で購入希望者を探す。

売却期間は不動産の立地や価格設定によるが、平均して3〜6か月かかることが多い。

購入希望者が見つかったら、売主・買主間で価格や引渡し条件を最終決定し、売買契約を結ぶ。

契約時には、買主から手付金として、売却価格の5〜10%を受け取る。契約後に売主都合でキャンセルすると、手付金を倍額返還する必要があるため、注意しよう。

⑤決済・引渡しと確定申告

売買契約締結後、購入者が決済を済ませて残金の支払いが完了すると同時に、不動産を引き渡す。このとき、司法書士が所有権移転登記を行い、正式に買主へ名義変更される流れだ。

相続した不動産の売買自体は、これで完了する。しかし売主には、まだすべきことが残っている。

不動産売却によって利益(譲渡所得)が発生した場合は、翌年に確定申告しなければならない。譲渡所得税の計算方法は以下のとおりだ。

譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)

なお相続した不動産には「相続財産の取得費加算特例」や「3000万円の特別控除」などの税制優遇措置がある。自身がこれら控除の適用対象であるか、確認するとよい。

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相続した不動産を売却するための必要書類

相続した不動産を売却するためには、いくつもの書類が必要だ。いざ手続きになった段階で不足書類があれば、手続き自体を進められない。

ここでは、相続した不動産の売却で必要な書類を一覧にして、ご紹介する。

相続した不動産の名義変更に必要な書類

書類名説明
被相続人の戸籍謄本出生から死亡までの連続したもの
被相続人の住民票の除票または戸籍の附票
相続人全員の戸籍謄本現在の状況を証明するもの
相続人の住民票不動産を取得する相続人のもの
固定資産評価証明書相続する不動産のもの
遺産分割協議書法定相続分と異なる場合に必要
印鑑証明書相続人全員のもの
遺言書遺言による相続の場合
相続関係説明図任意だが、あると便利

相続登記には、被相続人と相続人の関係を証明する戸籍謄本が重要だ。被相続人の戸籍謄本は、出生から死亡までの連続したものが必要である。

また、相続人全員の現在の戸籍謄本も必要だ。

遺産分割協議による相続の場合は、遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書が追加で必要となる。遺言による相続の場合は、遺言書を用意しよう。

相続した不動産の売却に必要な書類

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書類名説明
本人確認書類運転免許証、マイナンバーカードなど
実印・印鑑証明書売主のもの
登記済権利書または登記識別情報
固定資産税納税通知書最新のもの
住民票登記上の住所と現住所が異なる場合
売買契約書売却時のもの

相続登記が完了した後、不動産を売却する際には、上記の書類が必要だ。

本人確認書類は、運転免許証やマイナンバーカードなどが該当する。

固定資産税納税通知書は、物件の評価額を確認するために使用される書類だ。また、登記上の住所と現在の住所が異なる場合は、最新の住民票が必要である。

なお、成年被後見人が売却する場合や相続財産管理人が売却する場合は、家庭裁判所の許可など追加の書類が必要となるため、注意しよう。

相続した不動産の売却は複雑な手続きを伴うため、専門家に相談することをおすすめする。

先にも述べたように、2024年4月からは相続登記が義務化されている。売却の意思がなくても、相続登記は必要だ。

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相続不動産の売却で発生する費用と税金

相続不動産を売却すれば、 まとまったお金を受け取れる。 しかし 同時に、ある程度の支出が発生することは、 念頭に置く必要があるだろう。

 相続不動産の売却に伴って発生する費用と税金について、確認する。

相続不動産の売却で発生する諸費用

相続不動産を売却する際には、以下のような費用が発生する。

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費用項目概要
仲介手数料不動産会社への委託費用
一般的に「売買価格×3%+6万円+消費税」が上限
測量費用境界が不明確な場合に必要
解体費用更地として売却する場合に発生
30坪の木造住宅で90~150万円程度
ハウスクリーニング費用売却前の物件清掃費用
登記費用所有権移転登記などに必要
その他の費用立退料(賃貸物件の場合)
広告費
売買契約での違約金など

これらの費用は、物件の状況や売却方法によって変動する。事前に専門家に相談し、概算額を把握しておくことが重要だ。

相続不動産の売却にかかる税金

上述の費用のほかに、相続不動産の売却の際には、主に以下の税金が課される。

税金の種類概要
所得税譲渡所得に対して課税(長期:15%、短期:30%)
住民税譲渡所得に対して課税(長期:5%、短期:9%)
印紙税売買契約書に課税
消費税建物の譲渡に対して課税(土地は非課税)
出典:レガシィマネジメントグループ「相続から不動産売却までにかかる税金は? 6種類の税金と節税に関する6つの特例を紹介」

なお上記表にかっこ書きした長期と短期とは、不動産の所有期間を意味する。

  • 長期=長期譲渡所得
  • 短期=短期譲渡所得
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所得の種類相続不動産の場合の定義税率
長期譲渡所得被相続人(亡くなった方)が不動産を取得した日から譲渡日までの所有期間が5年を超える場合所得税15%
住民税5%
(合計20%)
短期譲渡所得被相続人(亡くなった方)が不動産を取得した日から譲渡日までの所有期間が5年以下の場合所得税30%
住民税9%
(合計39%)
出典:レガシィマネジメントグループ「相続から不動産売却までにかかる税金は? 6種類の税金と節税に関する6つの特例を紹介」国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」

譲渡所得税の税率は、所有期間が5年超の場合は20.315%(復興特別所得税含む)、5年以下の場合は39.63%だ。

ただし、各種特例により税負担が軽減される場合がある。詳細は、次にご説明する。

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相続不動産の売却時に活用できる節税対策

相続不動産を売却するなら、節税対策が欠かせない。

ここでは、3つの特例制度について詳しく解説する。各制度の適用要件と効果を具体的に示すので、ぜひ参考にしていただきたい。

相続税の取得加算の特例

相続税の取得加算の特例とは、相続により取得した不動産を一定期間内に売却した場合に、相続税の一部を不動産の取得費に加算できる制度である。

この特例を活用すれば、譲渡所得税の負担を軽減できる。

適用要件詳細内容
売却期限相続開始から3年10ヵ月以内
対象者相続税を納税した相続人
加算可能額相続税額×(売却資産の相続税評価額÷相続財産総額)
出典:国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」
特例の効果
  • 譲渡所得の計算において、取得費に相続税の一部を加算できる
  • 譲渡所得が減少し、所得税・住民税の負担が軽減される

例えば相続を1,000万円支払い、売却物件の相続税評価額が総財産の50%の場合を想定しよう。この場合、次のように計算できる。

加算可能額=1,000万円×50%=500万円

つまり譲渡所得が3,000万円の場合、2,500万円に圧縮される。

注意点
  • 「3年10ヶ月ルール」に要注意
  • 複数の不動産がある場合の選び方
  • 代償分割(現金で調整)する時に注意
  • 他の特例との組み合わせられないケースがある

相続不動産を売却する際に取得加算の特例を活用する場合、相続が発生した日から3年10ヶ月以内に遺産分割を終え、不動産を売却しなければならない。

次に、複数の不動産を相続した場合の選び方に注意が必要だ。この特例は全ての物件に適用できるわけではなく、特に「売却で得られる利益が大きい物件」を優先的に選ぶのが鉄則である。

例えば、売却益が1,000万円のマンションと500万円の土地がある場合、マンションに適用すると節税効果が大きくなる。

反対に、売却しても利益が出ない物件や損失が出る家屋に適用しても効果は薄い。

効果が最大になる物件を見極めるためには、各物件の売却予想価格と取得費を比較し、専門家とシミュレーションしよう。

3つ目の注意点は、代償分割、つまり現金で調整する相続方法を採用する際のリスクだ。

例えば兄が不動産を相続し、弟に現金200万円を支払うような場合を想定しよう。この時、特例で加算できる金額が減少する。

具体的には、本来加算できる金額が50万円だった場合、代償金を支払うことで40万円に減少する可能性があるのだ。

このような現金調整が必要な相続では、税理士と事前に影響を試算し、節税効果がどれほど損なわれるかを確認する必要がある。

最後に、他の特例との組み合わせルールを理解しておくことが重要である。

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取得加算の特例と併用できる取得加算の特例と併用できない
小規模宅地特例居住用3,000万円控除空き家の3,000万円控除
出典:相続税のチェスター「【取得費加算の特例】計算方法や注意点は?併用可能な特例も解説」

例えば売却益が3,500万円の場合、空き家特例を使えば課税対象が500万円になる。一方で取得費加算だけを使うと、2,500万円が課税対象だ。

しかし手続きの簡便さを考慮し、空き家特例を選ぶケースは実に多いため、専門家と相談して有利な方を選択しよう。

空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除

空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除とは、相続または遺贈で取得した空き家を売却した際に、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例制度である。

適用要件
  • 相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ2027年12月31日までに譲渡
  • 相続した家屋が1981年5月31日以前に建築された一戸建て
  • 被相続人が相続開始直前まで一人で居住していた(ただし、要介護認定を受けて老人ホーム等に入所していた場合も条件付きで認められる)
  • 相続時から売却時まで、事業、貸付、居住の用に供されていない
  • 譲渡価額が1億円以下
  • 売却前に耐震リフォーム、または売却後に買主が取り壊す

空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の節税効果を、3つの具体例に当てはめると、次のようになる。

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具体例控除なしの場合本特例を適用した場合
売却益2,800万円全額課税(560万円)0円(非課税)
売却益3,500万円全額課税(例:700万円)500万円課税(税額100万円)
売却益4,000万円800万円1,000万円課税(200万円)
出典:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」

上記のように、かなりの節税効果につながることがわかるだろう。

注意点
  • 相続税の取得費加算との併用不可
  • 耐震証明書もしくは解体証明書の取得が必要
  • 相続人3人以上の場合は1人あたり2,000万円が上限
  • 期限は2027年末まで

空き家の3,000万円特別控除は、相続税の取得費加算との併用ができない。どちらか有利な方を、選択する必要がある。

また、適用には耐震証明書か解体証明書の取得が必須だ。2023年の改正により、買主が解体する場合でも特例が適用可能になったものの、自治体発行の確認書が必要である。

さらに相続人が3人以上の場合、控除額の上限が1人あたり2,000万円に制限される。

3.マイホームを売ったときの特例

マイホームを売却する際に適用できる主な特例には3つの重要な制度がある。

  • 3,000万円特別控除
  • 10年超所有軽減税率
  • 特定居住用財産の買換え特例

3,000万円特別控除

3,000万円特別控除は、居住用財産を売却した際に譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度だ。

適用条件
  • 売却時に居住中、または居住しなくなってから3年以内の家屋・敷地
  • 前年・前々年に特例適用がない
  • 売主と買主が特別な関係でないこと(例:親族間取引は不可)
効果
  • 譲渡所得から最大3,000万円を控除できる
  • 物件が共有の場合、共有者ごとに最大3,000万円の控除が可能

3,000万円特別控除を活用すれば、売却時の税負担を大幅に軽減できる。

注意点
  • 確定申告が必要

10年超所有軽減税率

10年超所有軽減税率は、売却時点で10年以上所有していたマイホームの譲渡所得に対して、通常より低い税率を適用する特例である。

譲渡所得に対する税率を軽減することで、売却時の税負担を減らす効果が期待できる。

適用条件
  • 売却年の1月1日時点で所有期間が10年超
  • 日本国内の居住用家屋または敷地の売却
  • 前年・前々年にこの特例を受けていない
効果
  • 譲渡所得6,000万円以下の部分に14.21%の軽減税率適用
  • 3,000万円特別控除と併用可能
注意点
  • 所有期間は売却年の1月1日時点で判断

この特例は、長期にわたってマイホームを所有していた人にとって特に有利だ。3,000万円特別控除と併用できるため、さらなる税負担の軽減が可能である。

ただし、所有期間の判断基準日に、注意が必要である。

特定居住用財産の買換え特例

特定居住用財産の買換え特例は、マイホームを売却して新しい住宅を購入する際に適用できる税制優遇制度だ。

この特例を利用すると、譲渡所得税の課税を繰り延べられる。つまり、譲渡益に対する課税を、将来に延期できるのだ。

課税繰り延べは、収用等による不動産売却や事業用資産の買換えなど、将来的な収益を期待する不動産の売買で効果を発揮する。

適用条件
  • 所有期間・居住期間ともに10年以上
  • 売却代金が1億円以下
  • 2025年12月31日までの譲渡
  • 新居は50㎡以上500㎡以下、取得翌年末まで居住

特定居住用財産の買換え特例を適用するには、売却する住宅と購入する新居の両方が条件を満たす必要がある。

売却する住宅は、売却時点で所有期間と居住期間がともに10年以上であり、売却代金が1億円以下でなければならない。

また、新居は床面積が50㎡以上500㎡以下で、取得した翌年末まで居住することが条件である。

効果
  • 譲渡所得税の課税繰り延べ
  • 住宅ローン控除との併用可能
注意点
  • 税金免除ではなく繰り延べ
  • 3,000万円特別控除との併用不可

本特例は、3,000万円特別控除との併用はできない。ただし、住宅ローン控除との併用は可能だ。

また、この特例の適用期限は2025年12月31日までとなっているため、それまでに譲渡を完了する必要がある(2025年3月現在)

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相続不動産を売却するときの注意点

相続不動産を売却する際には、以下の重要な注意点がある。

共同名義は全員の同意が必要

相続により複数の相続人が共有名義で不動産を所有している場合、売却には共有者全員の同意が必要だ。

これは民法第251条で定められており、一人でも反対する共有者がいると、売却できない。

なお共有名義不動産の管理には、3つのルールがある

  1. 変更(処分)行為
    • 全体売却や長期間の賃貸など、共有者全員の同意が必要
  2. 管理行為
    • リフォームなど、持分価格の過半数の同意が必要
  3. 保存行為
    • 定期清掃など、同意なしで可能

特に相続による共有の場合、相続人が多数になると連絡先がわからないなど、同意を得ることが困難になる場合がある。

ただし共有持分のみの売却であれば、他の共有者の同意は不要だ。なお共有持分とは、複数の人が一つの不動産を共同で所有する際の、各所有者の権利の割合を指す。

例えば、3人で平等に不動産を所有する場合、各人の共有持分は1/3だ。

しかし共有持分だけを売却しても、買い手が見つかりにくく、価格が安くなる可能性が高い点は否めない。

また共有者の誰かが持分を欲しがっていない場合は、売却が困難になる可能性がある。

単独登記型の換価分割における贈与回避

相続不動産の売却方法の1つに「換価分割」がある。これは不動産を売却して現金化し、相続人で分割する方法だ。換価分割には「共同登記型」と「単独登記型」がある。

単独登記型の換価分割では、特定の相続人が不動産を単独所有し、売却後にその代金を他の相続人に分配する。

この方法は意思決定がスムーズで、所有者本人だけで売却手続きを進められるメリットがある。

しかし単独登記型で家を売却し、所有者が受け取った現金を他の相続人に配分すると、贈与行為とみなされる恐れがある。

これを避けるために、遺産分割協議書に換価分割目的で遺産を取得する旨を、明記しなければならない。

具体的には、遺産分割協議書に以下のような内容を記載する必要がある。

  • 換価分割を目的として、特定の相続人が不動産を取得すること
  • その相続人が不動産を売却し、売却代金から諸費用を控除した残金を他の相続人が決められた割合で取得すること

また遺産分割協議書に明記した後は、速やかに売却活動することが重要だ。数年後に売却をすると、贈与とみなされる可能性がある。

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相続不動産を高く売却するためのポイント

相続不動産を高く売却するなら、次のポイントを心がけよう。

複数社への査定依頼で最適な不動産会社を選ぶ

相続不動産を高く売却するためには、複数の不動産会社に査定を依頼することが重要だ。最低でも3社程度に依頼しよう。

複数社に依頼することで、適正価格を把握できるほか、不動産会社の対応力を見極められる。また信頼できる会社や担当者を選ぶための、判断材料にもなるだろう。

不動産一括査定サイトの利用がおすすめ

複数の不動産会社に査定依頼する際、おすすめなのが、不動産一括査定サイトの利用だ。

一度入力するだけで、複数の不動産会社に同時に査定依頼ができる。

不動産一括査定サイトのメリットは、以下の通りだ。

  • 手間と時間の節約
  • 24時間いつでも依頼可能
  • 複数社の査定結果を簡単に比較できる
  • 無料で利用できる

一括査定サイトを活用することで、効率的に適切な不動産会社を見つけられる。さらに、相続不動産の高値売却につながる可能性が高まるのも、大きな魅力だ。

おすすめの不動産一括査定サイト

不動産一括査定サイトは各種あるが、その中から特におすすめの3サイトを紹介する。

リビンマッチ

リビンマッチは、全国2,700社以上の不動産会社と提携。最大6社に一括査定を依頼できる、不動産一括査定サイトだ。不動産売却、土地活用、賃貸管理など、幅広いサービスを提供している。

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相続不動産の売却に関するよくある質問

相続人が複数人の場合、相続した不動産はどのように分割しますか?

相続人が複数いる場合、不動産の分割方法には主に以下の4つがある。

  1. 共有
    • 不動産を複数人で共有し、持分割合を設定。全員の同意がないと売却などができず、トラブルになりやすい。
  2. 現物分割
    • 不動産を物件ごとに分けて単独所有する方法。不動産が複数ある場合に有効だが、価値の差が生じることがある。
  3. 代償分割
    • 特定の相続人が不動産を取得し、その価値に応じた代償金を他の相続人に支払う方法。代償金を準備できる資力が必要。
  4. 換価分割
    • 不動産を売却して現金化し、それを相続人で分配する方法。公平性が高いが、売却まで時間がかかる場合がある。

これらの方法は、遺産分割協議で相続人全員の合意を得て決定する。

不動産は、相続前と相続後のどちらで売却すべきですか?

相続後の売却がおすすめだ。理由は以下の通りである。

  • 相続税の負担を抑えられる(不動産は現金より評価額が低い)
  • 「相続税の取得費加算の特例」が使える
  • 時間をかけて良い条件で売却できる

ただし、相続人間でトラブルの可能性がある場合は、相続前の売却も検討すべきだろう。

相続のとき、不動産はどのように評価額が決まりますか?

相続時の不動産評価には、主に4つの方法がある。

  1. 固定資産評価額
  2. 相続税評価額
  3. 公示価格
  4. 実勢価格

一般的に相続税申告では、相続税評価額が使われる。しかし遺産分割では、実勢価格が考慮されることがある。

評価方法の選択は、相続人間の合意や裁判所の判断によって決定されるので、一概にはいえない。

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