離婚を考えたとき、多くの人が最初に悩むのが「この家をどうするか」です。
住宅ローンが残っている、夫婦共有名義になっている、子どもの学校を変えたくないなど、家の扱いは離婚後の生活に直結します。
結論からいうと、離婚時の家は「売却して現金で分ける」「どちらかが住み続ける」「賃貸に出す」「共有のまま保有する」の4つから検討します。
ただし、最適な選択肢は、家の名義・住宅ローンの契約形態・ローン残債と査定額の関係によって変わります。
この記事では、離婚時に家をどう扱うべきか、財産分与・住宅ローン・税金・売却手続きの順番まで、初心者にもわかりやすく整理します。
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まず結論:離婚で家をどうするかは4パターン
離婚時に家をどうするかは、大きく分けて次の4パターンです。
| 選択肢 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 売却して現金で分ける | 離婚後の関係を整理したい | 売却価格とローン残債の確認が必要 |
| どちらかが住み続ける | 子どもの学校や生活環境を変えたくない | 代償金・ローン名義・維持費の問題が残る |
| 賃貸に出す | すぐに売りたくない、資産として残したい | ローン契約・管理費・空室リスクを確認する |
| 共有のまま保有する | 今すぐ結論を出せない | 将来の売却・相続・費用負担で揉めやすい |
迷ったときは、まず「売却したらローンを完済できるか」を確認しましょう。査定額とローン残債を比べるだけで、選べる方法がかなり絞れます。
① 家を売却して現金で分ける
家を売却し、売却代金から住宅ローンや売却費用を差し引いた残額を夫婦で分ける方法です。
財産分与の中では最も整理しやすく、離婚後のトラブルを残しにくい方法です。
こんな人向き: 家を現金化して公平に分けたい人、離婚後に相手と関わり続けたくない人
| メリット | 現金で分けやすい 住宅ローンを完済できれば関係を整理しやすい 固定資産税や修繕費の将来トラブルを防ぎやすい |
|---|---|
| デメリット | 住み慣れた家を手放す 子どもの転校や引越しが必要になることがある 売却価格が希望どおりになるとは限らない |
売却を検討する場合は、まず複数の不動産会社に査定を依頼し、家の市場価値を把握しましょう。1社だけでは査定額が高いのか低いのか判断しにくいため、3社程度を比較すると安心です。
② どちらかが住み続けて買い取る
夫婦の一方が家に住み続け、もう一方に代償金を支払って公平に調整する方法です。
子どもの学校や生活環境を変えたくない場合に検討されやすい方法ですが、住宅ローンが残っていると難易度が上がります。
こんな人向き: 子どもの環境を変えたくない人、思い入れのある家を残したい人
| メリット | 生活環境を維持できる 子どもの学校・友人関係を変えずに済む 引越しの負担を減らせる |
|---|---|
| デメリット | 代償金を用意する必要がある 住宅ローンの債務者変更・借り換えには審査がある 固定資産税や修繕費を一人で負担することになる |
住宅ローンの債務者変更や持分変更は、金融機関の審査が必要です。審査の結果、認められない場合や、一部繰上返済・新たな債務者追加を求められる場合もあります。
住み続ける側の収入だけで返済できるか、借り換えが可能か、代償金をどう支払うかを事前に確認しましょう。
③ 賃貸に出して収益を分ける
家を売却せず、第三者に貸して家賃収入を分ける方法です。
不動産市況が悪い時期や、将来的に売却したい事情がある場合に検討されることがあります。
こんな人向き: 不動産を資産として残したい人、すぐに売却したくない人
| メリット | 資産として保有できる 家賃収入を得られる可能性がある 将来の売却時期を選べる |
|---|---|
| デメリット | 空室・修繕・管理の負担がある 家賃収入の分配で揉める可能性がある 離婚後も相手との連絡が続く |
住宅ローンが残っている場合、賃貸利用がローン契約上認められるかを金融機関に確認する必要があります。無断で賃貸に出すと契約違反になる可能性があるため注意しましょう。
賃貸に出すなら、管理費・修繕費の負担割合、空室時の対応、家賃収入の分配方法、将来の売却条件を必ず書面化しておきましょう。
④ 共有のまま保有する
離婚後も家を共有名義のまま保有し続ける方法です。
「今すぐ決められない」という理由で選ばれることがありますが、原則としておすすめしにくい選択肢です。
おすすめしにくい理由
- 家全体を売却するには、原則として共有者全員の同意が必要
- 固定資産税や修繕費の負担で揉めやすい
- 一方が再婚・死亡した場合、相続関係が複雑になりやすい
- 一方と連絡が取れなくなると、売却や管理が進みにくくなる
自分の共有持分だけを売却することは法的には可能ですが、元配偶者との共有関係を買主が引き継ぐため、通常の不動産より買い手が限られ、価格も下がりやすくなります。
どうしても共有のままにする場合でも、将来いつ売るのか、費用をどう負担するのか、どちらかが住み続ける場合のルールを離婚協議書に明記しておきましょう。
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離婚で家を売却する前に確認すべき4つのこと
家をどうするかを決める前に、次の4点を確認しましょう。
この4点がわかると、売却すべきか、住み続けられるのか、専門家に相談すべき状況なのかを判断しやすくなります。
① 家の名義は誰になっている?
まずは、不動産の登記事項証明書を取得し、所有者が誰かを確認しましょう。
登記事項証明書は法務局の窓口やオンライン請求で取得できます。2025年4月1日以降の主な手数料は、書面請求600円、オンライン請求・送付520円、オンライン請求・窓口交付490円です。
所有者の確認だけなら登記情報提供サービスも選択肢になります。ただし、これは証明書ではないため、離婚協議や登記手続きで正式書類が必要な場合は登記事項証明書を取得しましょう。
単独名義の場合
- 売却手続き自体は、原則として名義人が進められる
- ただし、婚姻中に夫婦で形成した財産なら、名義にかかわらず財産分与の対象になる
共有名義の場合
- 家全体の売却には、原則として共有者全員の同意が必要
- 売買契約や決済では、共有者全員の署名・押印や委任状が必要になる
- 一方が反対すると売却が止まりやすいため、早めに合意内容を書面化する
② 住宅ローンの返済義務は誰にある?
住宅ローンの契約形態によって、離婚後のリスクは大きく変わります。
ローン契約書や返済予定表を確認し、わからない場合は金融機関に問い合わせましょう。
| 契約形態 | 内容 | 離婚時の注意点 |
|---|---|---|
| 単独債務 | 夫または妻の一方だけが債務者 | 債務者でない側は原則返済義務なし。ただし連帯保証人なら別 |
| 連帯債務 | 夫婦が共同で一つのローンを借りる | 離婚後も双方に返済義務が残る |
| ペアローン | 夫婦それぞれが別のローンを組む | 各自の返済義務が残る。互いに連帯保証人になっている場合もある |
| 連帯保証 | 一方が主債務者、もう一方が連帯保証人 | 主債務者が返済できないと、連帯保証人に請求される |
特に注意:連帯債務・ペアローン・連帯保証は、離婚後も相手の返済状況に影響を受ける可能性があります。
相手が滞納すると、自分に請求が来たり、信用情報に影響したりする可能性があります。売却・借り換え・債務者変更の可否を早めに確認しましょう。
③ 売却でローンは完済できる?
次に確認するのは、「査定額」と「ローン残債」のどちらが大きいかです。
ローン残債は、金融機関から届く返済予定表や金融機関への問い合わせで確認できます。査定額は、不動産会社に依頼して把握しましょう。
アンダーローン(査定額 > 残債)
- 売却代金でローンを完済できる
- 諸費用を差し引いた残額を財産分与で分けやすい
オーバーローン(査定額 < 残債)
- 売却してもローンが残る
- 不足分を現金で補う、住み続ける、任意売却を検討するなど、選択肢が限られる
④ 税金と手続きの順番に問題がないか
離婚で家を売却・譲渡する場合は、手続きの順番を間違えると税金面で不利になることがあります。
特に注意したいのは、財産分与の実行時期と3,000万円特別控除の適用条件です。
- 査定や売却活動は離婚前から進められる
- 財産分与としての金銭分配・名義移転は、離婚成立後に行うのが基本
- 離婚前に配偶者へ不動産を譲渡すると、3,000万円特別控除を使えない可能性がある
- 財産分与として不動産を渡す側に、譲渡所得税がかかる可能性がある
税金の判断は個別事情で変わります。売却益が出そうな場合や、夫婦の一方へ家を譲渡する場合は、税理士や税務署にも確認しましょう。
\名義・ローン残債の次は査定額/
家の売却に関わる財産分与の基本情報
家の売却を進める前に、財産分与の基本ルールを押さえておきましょう。
詳しい仕組みを知りたい方は、記事末尾の「補足:財産分与の基本」も参照してください。
結論:家は原則「夫婦で半分」
財産分与では、婚姻中に夫婦で形成した財産を、原則として2分の1ずつ分ける考え方が基本です。
たとえば、夫が会社員で妻が専業主婦だった場合でも、婚姻中に築いた財産は原則2分の1ずつ分けます。家事や育児によって家庭を支えたことも、財産形成への貢献と考えられるためです。
そのため、「名義が自分だから自分だけのもの」「ローンを払っていたのは自分だから全部自分のもの」とは限りません。
対象は「婚姻中に夫婦で築いた財産」
財産分与の対象となるのは、婚姻期間中に夫婦の協力によって形成・維持された財産です。
家の名義、預貯金口座の名義、自動車の名義がどちらか一方でも、婚姻中に夫婦で築いた財産であれば財産分与の対象になる可能性があります。
一方、結婚前から所有していた財産や、相続・贈与で得た財産は「特有財産」として原則対象外です。ただし、婚姻中に夫婦の協力で価値を維持・増加させた部分は、分与対象になることがあります。
基準時と請求期限
- 基準時
財産分与の対象財産は、実務上、別居時を基準に整理されることが多い - 評価額
不動産など価格が変動する財産は、離婚時や裁判時の時価を基準に計算することがある - 請求期限
2026年3月31日以前の離婚は原則2年以内、2026年4月1日以降の離婚は5年以内
家の問題では、まず名義・ローン契約・残債・査定額を確認することが、最短で方針を決めるための第一歩です。
\財産分与の第一歩/
離婚の財産分与で持ち家を分ける方法
持ち家を財産分与で分ける方法は、大きく次の2つです。
それぞれの流れと注意点を見ていきましょう。
売却して現金化する【整理しやすい方法】
家を売却し、売却代金から住宅ローンや諸費用を差し引いた残額を夫婦で分ける方法です。
1円単位で分けやすく、離婚後の関係を清算しやすいため、家の扱いで揉めたくない場合に向いています。
売却〜財産分与までの流れ
| 手順 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 査定 | 複数社に査定を依頼し、相場を把握する |
| 2 | 残債確認 | 売却でローンを完済できるか確認する |
| 3 | 売却方針の合意 | 売却価格の下限、費用負担、退去時期を決める |
| 4 | 媒介契約 | 査定額だけでなく、販売戦略や担当者の対応も比較する |
| 5 | 売却活動 | 内覧対応や価格調整のルールを決めておく |
| 6 | 売買契約 | 共有名義の場合は共有者全員の協力が必要 |
| 7 | 決済・引渡し | 売却代金受領、ローン完済、抵当権抹消を行う |
| 8 | 財産分与 | 離婚成立後、合意した割合で分配する |
売却活動や売買契約は離婚前から進めることもできます。ただし、売却代金を財産分与として分けるのは、離婚成立後に行うのが基本です。
売却時に揉めやすいポイント
家の売却では、次の3点で揉めやすくなります。
- 売却にかかる費用の負担
- 引渡し時期と住み替え先
- 内覧への協力
売却費用は、売却代金から差し引いて残額を分けるのか、夫婦のどちらかが別途負担するのかを決めておきましょう。
| 費用項目 | 目安・考え方 | 補足 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 売却価格400万円超は「売却価格×3%+6万円+消費税」が上限の目安 | 低廉な空家等は別の上限が適用される場合あり |
| 印紙税 | 例:1,000万円超5,000万円以下は1万円、5,000万円超1億円以下は3万円 | 軽減措置適用時の金額 |
| 抵当権抹消 | 登録免許税は不動産1個につき1,000円 | 司法書士に依頼する場合は報酬が別途必要 |
| 測量・解体 | 物件ごとに大きく変動 | 必要な場合は事前に見積もりを取る |
| 引越し費用 | 人数・距離・時期で変動 | 誰が負担するか決めておく |
また、売却が決まると引渡し日までに退去が必要です。どちらがいつ退去するのか、子どもの転校時期、内覧対応の方法を早めに決めておくとスムーズです。
- 内覧可能な曜日・時間帯
- 事前連絡の方法
- 価格変更の判断基準
- 売却期限を過ぎた場合の対応
夫婦のいずれかが取得し、代償金で調整する
一方が家を取得し、もう一方に代償金を支払って公平にする方法です。
子どもの学校や生活環境を変えたくない場合に選ばれやすい一方、代償金の金額や住宅ローンの扱いで揉めやすい方法でもあります。
代償金の決め方
代償金は、基本的に次の考え方で計算します。
評価額3,000万円/残債1,000万円/2分の1で分ける場合
(3,000万円−1,000万円)×1/2=1,000万円
オーバーローンで家の評価額よりローン残債の方が大きい場合、代償金が発生しないこともあります。その場合は、ローンを誰が負担するのかを中心に協議します。
評価額をどう出すか
評価額は、次のいずれかで確認します。
- 不動産会社の査定
無料で依頼できる。まずは複数社で相場を把握する。 - 不動産鑑定士の鑑定
有料だが、争いになりそうな場合や裁判で根拠を示したい場合に有効。
夫婦で金額に合意できない場合は、調停や裁判で評価を争うことになります。早めに根拠のある評価額を用意しておくと、話し合いが進みやすくなります。
名義変更(所有権移転登記)の流れと費用
家を譲り受ける側は、所有権移転登記が必要です。
- 離婚届の提出
- 財産分与協議書、調停調書、判決書などの準備
- 登記識別情報、印鑑証明書、住民票などの準備
- 法務局へ登記申請(司法書士に依頼することが多い)
【費用の目安】
| 費用項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 登録免許税 | 固定資産税評価額の2%が目安 |
| 司法書士報酬 | 事務所・手続き内容により異なる |
| その他実費 | 証明書取得費用など |
固定資産税評価額2,000万円の場合
登録免許税は40万円が目安です。司法書士に依頼する場合は、報酬や実費が別途かかります。
費用負担は協議で決め、離婚協議書に明記しておきましょう。
住み続ける場合に決めること
一方が住み続ける場合は、次の点を必ず取り決めてください。
- 代償金の金額・支払期限
一括か分割か、いつまでに支払うか - 住宅ローンの返済負担
債務者変更・借り換え・名義そのままのリスク - 固定資産税・修繕費の負担
名義変更前後で誰が負担するか - 将来の売却条件
いつ売るか、相手に通知するか、売却益を分けるか
これらは口約束にせず、離婚協議書に記載し、金銭支払いがある場合は公正証書にすることも検討しましょう。
次章では、住宅ローンが残っている家をどう清算するかを、アンダーローン・オーバーローン別に整理します。
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離婚時にローンが残る家を売却・清算する方法【最重要】
住宅ローンが残っている家の財産分与は、残債がない場合より複雑です。
まずは「売却額」と「ローン残債」の関係を確認し、アンダーローンかオーバーローンかを把握しましょう。
- アンダーローン
売却額 > ローン残債。売ればローンを完済でき、残金が出る。 - オーバーローン
売却額 < ローン残債。売ってもローンが残る。
売却する場合
アンダーローンなら:完済後の残金を分配
アンダーローンの場合は、比較的シンプルに進められます。
- 家を売却する
- 売却代金で住宅ローンを完済する
- 仲介手数料・印紙税などの諸費用を差し引く
- 残った金額を夫婦で分配する
【計算例】
| 売却価格 | 4,000万円 |
|---|---|
| ローン残債 | ▲2,500万円 |
| 諸費用 | ▲150万円 |
| 分配可能額 | 1,350万円 |
| 各自の取得額 (2分の1の場合) | 675万円 |
オーバーローンなら:4つの選択肢から検討
オーバーローンの場合、売却してもローンが残るため、不足分をどう処理するかを決める必要があります。
| 選択肢 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 不足分を現金で補填 | 預貯金などで不足分を払い、ローンを完済して売却 | 夫婦間の負担割合を決める |
| 売らずに住み続ける | どちらかが住み続け、返済を継続 | 名義・債務者・実際の返済者のズレに注意 |
| 任意売却を検討 | 金融機関の同意を得て、残債を下回る価格で売却 | 売却後も残債の返済が続く |
| 共有のまま様子を見る | 返済を続け、残債減少や価格上昇を待つ | 将来の意思決定が止まりやすい |
オーバーローンでは、判断を誤るとローン滞納、信用情報への影響、差押えなどに発展する可能性があります。
不足分を補填できない場合や返済継続が難しい場合は、早めに金融機関・弁護士・任意売却に詳しい不動産会社へ相談しましょう。
譲渡する、または住み続ける場合
どちらかが家を取得して住み続ける場合、住宅ローンの債務者変更や借り換えが必要になることがあります。
ただし、住宅ローンの名義変更は、金融機関の審査が必要です。必ず認められるわけではありません。
- 住み続ける側の収入・信用力・返済能力が審査される
- 物件の担保価値やこれまでの返済状況も確認される
- 金融機関には債務者変更に応じる義務がない
- 審査結果によっては、一部繰上返済や新たな債務者追加を求められることがある
名義変更が難しいときの代替案
| 代替案 | 概要 | 注意点 |
|---|---|---|
| ① 借り換え | 住み続ける側が新しいローンを組み、既存ローンを完済 | 新規審査が必要 |
| ② 名義そのままで実質負担を調整 | ローン名義は変えず、住む側が返済を負担 | 名義人に返済義務が残るためリスクが高い |
| ③ 売却に切り替える | 住み続けることを諦め、売却して清算 | ローン完済可否を確認する |
- 名義人に返済義務が残る
- 住む側が返済を怠ると、名義人の信用情報に影響する可能性がある
- 名義人が新たな住宅ローンを組みにくくなる
- 離婚後も相手との関係が続く
いずれの方法でも、返済負担・名義変更・滞納時の対応を必ず書面に残しましょう。
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離婚で家を売却するときの税金と節税特例
家を売却して利益が出ると、譲渡所得税がかかる可能性があります。
ただし、自宅を売却する場合は、条件を満たせば「3,000万円特別控除」を使えることがあります。離婚時は、売却相手や財産分与のタイミングにも注意が必要です。
売却益が出たら「譲渡所得税」がかかる
不動産を売却して利益が出た場合、譲渡所得税の対象になります。
譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)
- 取得費:購入時の価格、購入時の諸費用など
- 譲渡費用:仲介手数料、印紙税、測量費、建物取壊し費用など
【税率】所有期間で異なる
| 所有期間 | 所得税等 | 住民税 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 5年以下 (短期譲渡) | 30.63% | 9% | 39.63% |
| 5年超 (長期譲渡) | 15.315% | 5% | 20.315% |
- 所得税等には復興特別所得税を含む
- 所有期間は、売却した年の1月1日時点で判定
「3,000万円特別控除」で税金がゼロになることも
自宅を売却した場合、条件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。
売却益が3,000万円以下なら、譲渡所得税がかからない可能性があります。ただし、特例を使うには確定申告が必要です。
【主な適用条件】
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 居住用であること | 自分が住んでいる家屋、または住まなくなった日から3年後の年末までに売る家屋であること |
| 過去利用の制限 | 売った年の前年・前々年に、この特例等を受けていないこと |
| 特別な関係者への売却でない | 配偶者、親子、生計を一にする親族などへの売却では適用できない |
| 確定申告をする | 特例を使うには、売却翌年に確定申告が必要 |
離婚時に気をつけたいポイント
離婚時に特に注意したいのは、売却相手が配偶者か、元配偶者かです。
3,000万円特別控除は、売却相手が配偶者など特別な関係者の場合には適用できません。そのため、離婚前に配偶者へ家を譲渡すると、特例を使えない可能性があります。
| タイミング | 相手との関係 | 3,000万円控除 |
|---|---|---|
| 離婚前に譲渡 | 配偶者 | 原則として適用不可 |
| 離婚後に譲渡 | 元配偶者 | 他の条件を満たせば適用できる可能性あり |
- 離婚後でも、生計を一にする親族などに該当する場合は適用できないことがある
- 第三者へ売却する場合は、通常のマイホーム売却の条件を満たすかを確認する
- 財産分与として不動産を渡す場合、渡す側に譲渡所得税がかかる可能性がある
適用条件は複雑です。売却益が出そうな場合や配偶者・元配偶者へ譲渡する場合は、税理士や税務署へ確認しましょう。
財産分与と贈与税の関係
離婚により財産をもらった場合、通常は贈与税はかかりません。財産分与は、婚姻中に築いた財産の清算と考えられるためです。
ただし、次のような場合は贈与税がかかる可能性があります。
| ケース | 理由 |
|---|---|
| 分与額が過大 | 婚姻中の財産形成への貢献度などに比べて不相当に多い場合 |
| 税金逃れと認められる | 贈与税や相続税を免れるための離婚と判断される場合 |
| 離婚前に財産を移す | 財産分与ではなく贈与と判断される可能性がある |
- 財産分与は離婚成立後に行う
- 分与額の根拠を明確にする
- 離婚協議書や公正証書で「財産分与である」ことを明記する
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離婚時の家に関するトラブルを防ぐために決めておくこと
離婚時の財産分与は、感情的になりやすく、後からトラブルになることもあります。
「言った・言わない」を防ぐため、家に関する取り決めは必ず書面化しましょう。
離婚協議書に記載すべき項目
【売却する場合】
| 項目 | 記載内容の例 |
|---|---|
| 売却の合意 | 双方合意の上で売却すること |
| 最低売却価格 | いくら以上なら売却するか |
| 不動産会社の選定 | 選定方法、依頼先、媒介契約の種類 |
| 売却代金の分配割合 | 2分の1ずつなど具体的な割合 |
| 諸費用の負担割合 | 仲介手数料、印紙税、測量費用などの負担者 |
| 売却完了までの費用負担 | 固定資産税、管理費、光熱費、居住者の負担 |
| 売却できなかった場合 | 価格見直し、期限、次の対応策 |
【どちらかが取得する場合】
| 項目 | 記載内容の例 |
|---|---|
| 取得者と代償金 | 夫が取得し、妻に○○万円を支払うなど |
| 代償金の支払方法・期限 | 一括/分割、支払期日、遅延時の対応 |
| 住宅ローンの返済負担者 | 誰が返済を継続するか |
| 名義変更の時期と費用 | いつまでに変更するか、費用を誰が負担するか |
| 固定資産税等の負担 | 名義変更前後の負担の切り分け |
| 将来の売却に関する取り決め | 売却時の通知義務、売却益の分配有無など |
公正証書にするメリット
代償金やローン負担など、金銭に関する取り決めがある場合は、公正証書にすることを検討しましょう。
- 強制執行が可能になる場合がある
強制執行認諾文言を入れた金銭支払いの公正証書なら、支払いが滞ったときに裁判を経ず強制執行できる場合がある - 公的な証拠になる
公証人が作成するため、合意内容の証拠として使いやすい - 紛失しても再発行できる
公証役場に原本が保管される
ただし、不動産の名義移転など金銭以外の義務は、公正証書だけで同じように強制執行できるとは限りません。登記手続きについては司法書士や弁護士にも確認しましょう。
話し合いがまとまらないときの進め方
夫婦間で合意できない場合は、家庭裁判所の調停を利用する方法があります。
家庭裁判所の調停
離婚調停では、離婚そのものだけでなく、財産分与、年金分割、親権、養育費なども話し合えます。
- 申立費用:収入印紙1,200円+連絡用の郵便切手
- 弁護士:なしでも申し立て可能
- 特徴:調停委員が間に入り、合意できれば調停調書が作成される
以下のような場合は、早めに弁護士へ相談しましょう。
- 相手が話し合いに応じない
- 財産の内容や評価で大きな争いがある
- DVやモラハラがあり、直接交渉が難しい
- 相手に弁護士がついた
- ローン・税金・共有名義が複雑で判断できない
【弁護士費用の目安】
| 内容 | 費用目安 |
|---|---|
| 相談のみ | 30分5,000円〜1万円程度 |
| 依頼する場合 | 着手金20〜50万円+報酬金など |
- 収入や資産状況によっては、法テラスの民事法律扶助を利用できる場合があります。
\ 協議の前に、まず相場を把握 /
離婚で家を売るなら、一括査定で相場を把握しよう
離婚に伴い家を売却する場合、最初にやるべきことは家の価値を把握することです。
査定額がわからなければ、アンダーローンかオーバーローンかの判断も、代償金の金額も、売却方針も決められません。
そこで活用しやすいのが、不動産一括査定サイトです。
なぜ「複数社への査定」が必要なのか
不動産会社によって、査定額や販売戦略は異なります。1社だけの査定では、その金額が適正か判断しにくいものです。
- 相場がわかる:査定額の高すぎ・低すぎを判断しやすい
- 会社の特徴がわかる:売却実績や販売戦略を比較できる
- 担当者を比較できる:対応の丁寧さや説明力を見極められる
- 財産分与の根拠になる:代償金や最低売却価格を決めやすい
不動産会社の査定に加え、国土交通省の不動産情報ライブラリなどで周辺の取引価格を確認しておくと、より納得感のある話し合いがしやすくなります。
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一括査定サイトのメリット・注意点
不動産一括査定サイトは、物件情報を一度入力するだけで、複数の不動産会社に査定依頼できるサービスです。
- 手間が省ける:複数社への個別依頼が不要
- 無料で使える:査定依頼の費用がかからない
- 比較しやすい:同じ条件で査定額や対応を比べられる
注意点
一括査定を利用すると、複数の不動産会社から電話やメールが届きます。負担を減らしたい場合は、次のように対応しましょう。
- 連絡方法を指定する
備考欄に「メール連絡希望」などと記載する - 依頼社数を絞る
最初は3社程度に絞って比較する - 依頼しない会社には明確に断る
曖昧にすると連絡が続くことがある
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(株)東京商工リサーチ調べ
まとめ:離婚で家を売却する前に確認すべき3つのポイント
離婚時に家をどうするかは、名義・住宅ローンの契約形態・残債と査定額の関係で最適解が変わります。
まずは登記事項証明書で名義を確認し、ローン契約の内容を把握したうえで、不動産会社に査定を依頼しましょう。
査定額とローン残債を比較すれば、売却して清算できるのか、住み続けるべきなのか、オーバーローンで専門家に相談すべきなのかが見えてきます。
「とりあえず後で」と先延ばしにすると、共有名義・住宅ローン・相続・税金の問題が複雑化することがあります。離婚という大変な状況だからこそ、早めに情報を整理し、書面で合意を残すことが大切です。
一括査定サイトを使えば、無料で複数社の査定を受けられます。まずは今の家がいくらで売れるのか、相場を確認するところから始めましょう。
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離婚時の家の売却に関するよくある質問
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【補足】財産分与の基本(詳しく知りたい方向け)
ここでは、財産分与についてより詳しく知りたい方向けに、基本的な仕組みを整理します。
財産分与とは
財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に協力して築いた財産を、離婚に伴って分ける制度です。
婚姻中は、収入を得る人、家事や育児を担う人など役割が異なっていても、夫婦として協力して生活を営んでいます。離婚後は別々の生活になるため、それまで築いた財産を公平に分ける必要があります。
財産分与は必ず必要?
財産分与は権利であり、夫婦間で合意があれば行わずに離婚することも可能です。
財産分与が発生しない主なケース
| 条件 | 理由 |
|---|---|
| 共有財産がない | 婚姻期間中に築いた財産が存在しなければ、分ける対象がない |
| 夫婦間で合意がある | 離婚協議書などで「請求しない」と明記する場合がある |
| 請求期限を過ぎた | 財産分与請求権の期間を過ぎると、請求が難しくなる |
ただし、不当な圧力によって財産分与を放棄させることは問題になり得ます。納得できない場合は、家庭裁判所の調停や弁護士への相談を検討しましょう。
財産分与の3つの種類
財産分与には、目的や性質の異なる3つの種類があります。
清算的財産分与
最も一般的な財産分与です。婚姻期間中に夫婦が協力して築いた財産を、貢献度に応じて分けます。通常、離婚時の財産分与といえば、この清算的財産分与を指します。
- 目的
婚姻中に築いた財産を公平に分けること - 対象となる財産
預貯金、不動産、自動車、保険、有価証券、退職金など - 分配の基準
原則として2分の1
扶養的財産分与
離婚後に一方が経済的に困窮する可能性がある場合に、生活支援として行われる財産分与です。
- 目的
経済的に弱い立場の配偶者の生活を支えること - 対象となるケース
長年専業主婦(夫)だった、病気や障害で就労が難しい、高齢で再就職が難しいなど - 注意点
認められるかどうかは個別事情による
慰謝料的財産分与
不貞行為や暴力など、離婚原因となった行為による精神的苦痛への補償を、財産分与の中で調整する考え方です。
- 目的
精神的苦痛を受けた配偶者への補償 - 金額の決定要素
行為の内容、婚姻期間、収入、子どもの有無など
2分の1ルールの例外
財産分与は原則2分の1ですが、次のような場合には割合が修正されることがあります。
- 一方の特殊な能力や資格によって大きな財産が形成された場合
医師、弁護士、経営者、プロスポーツ選手など、個別事情により修正されることがある - 長期別居により経済的協力関係がなくなっている場合
別居後に形成された財産は対象外となることがある - 一方が著しい浪費で共有財産を減らした場合
浪費分を考慮して割合が調整されることがある
対象となる財産・対象外の財産
- 不動産(家、マンション、土地など)
- 現金、預貯金
- 自動車
- 退職金のうち婚姻期間に対応する部分
- 年金分割の対象となる厚生年金記録
- 有価証券、投資信託
- 生命保険や学資保険の解約返戻金
- 貴金属、家具、家電など
- 結婚前から所有していた預貯金、不動産、自動車など
- 結婚後に相続や贈与で得た財産
- 個人的な所有物といえるもの
特有財産であると主張する場合は、通帳の履歴、契約書、相続や贈与を受けた際の書類など、客観的な証拠を準備しておきましょう。
出典
こども家庭庁「民法等改正について」
国税庁「No.4414 離婚して財産をもらったとき」
国税庁「No.3114 離婚して土地建物などを渡したとき」
国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
国税庁「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」
国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」
国税庁「No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」
国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」
法務省「登記手数料について」
登記情報提供サービス「登記情報提供サービスの利用料金の改定について」(公開日:2026年2月24日)
住宅金融支援機構 フラット35「離婚するので債務者を夫から妻へ変えることはできますか。また、融資物件の持分を移してよいですか。」
国土交通省「不動産取引に関するお知らせ」
裁判所「夫婦関係調整調停(離婚)」
日本公証人連合会「離婚」
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