長屋や連棟式建物、テラスハウスは、壁が隣の住戸とつながっているからといって、売る前に切り離したり、解体したりする必要はありません。
自分が所有している土地・建物・持分を特定できれば、一戸だけでも売れることがあります。
隣の住戸と共有している壁そのものが、売却の可否を決めるわけではありません。買主が知りたいのは、「購入後、どこまで自由に使い、直し、建て替えられるのか」です。この答えを決めるのは、建物の呼び名ではなく、土地と建物の権利、建築上の条件、隣の住戸と共有している部分です。
結論からいうと、長屋の売却では、まず登記と契約書から「何を売れるのか」を確認し、次に道路・建築の条件と、隣戸との共有部分を調べます。
不明点を資料と専門家の確認で減らせば、現状のまま仲介する、直接買い取ってもらう、隣家へ売る、全住戸をまとめて売る、切り離し後に売るといった方法を、同じ条件で比べられます。
この記事では、長屋の権利の確かめ方、5つの売却方法、価格の調べ方、費用と税金、売却の流れを順に説明します。
- 長屋の権利4類型と土地の権利
- 切り離さずに売る5つの方法
- 接道・再建築の確認先
- 手取りで比べる売却方法の選び方
- 査定で聞くべき8つの質問
査定を受ける前に、切り離し・解体・大がかりな修繕を進めないでください。隣戸の所有者の口約束だけで、工事や更地渡しを約束するのも避けましょう。登記・道路・構造を確認し、必要な同意を書面に残し、工事費を引いた手取りまで比べてから決めます。
\ まずは、いまの状態で売れるか確かめる /
長屋は一戸だけで売却できる?可否を決める3つの条件
一戸だけ売れるかどうかは、建物の外観だけでは判断できません。次の3つを順番に確認します。
| 確認項目 | 確認する内容 | 主な資料・相談先 |
|---|---|---|
| 権利 | 土地、建物、共有持分、借地権のうち、どこまでを自分だけで売れるか | 登記事項証明書、契約書、司法書士・弁護士 |
| 建築条件 | 敷地の接道、再建築、大規模な修繕、切り離し後の建築制限 | 道路資料、建築確認資料、自治体・建築士 |
| 隣戸とのつながり | 壁、屋根、柱、基礎、配管、通路などをどこまで共有しているか | 設計図、現地調査、覚書、建築士・土地家屋調査士 |
登記事項証明書を確認すれば、所有者、土地・建物の単位、共有持分、抵当権などを把握できます。ただし、登記だけで、未登記の増築、現地の接合状態、共有設備、隣戸との取り決めまで分かるわけではありません。
長屋が売れにくいといわれるのは、壁がつながっていること自体が理由ではありません。買主が「購入後に何ができるのか」を判断するための資料が不足しやすいからです。逆にいえば、権利・建築条件・共有部分を説明できれば、買主が検討しやすい状態に近づきます。
長屋・連棟式建物・テラスハウスとは?名称だけでは売れる権利が決まらない
住宅・土地統計調査で使われる「長屋建」は、2戸以上の住宅を一棟に建て連ねた建て方です。各住宅は壁を共通にしながら、それぞれ別々に外部への出入口を持ち、テラスハウスもこの区分に含まれます。「連棟式建物」は、こうした建物を指す実務上の呼び方です。
ただし、テラスハウスやタウンハウスという名称は、広告上の商品名として使われることもあります。名称だけでは、土地が一戸ごとに分かれているか、建物が戸別に登記されているか、区分所有法が適用されるかは判断できません。
長屋売却の出発点は、建物の登記・所有形態と、土地を使う権利を分けて確認することです。
長屋の権利は「建物の4類型」と「土地の権利」を組み合わせて確認する
見た目が同じ長屋でも、売れる範囲は異なります。ただし、「借地上の長屋」を、単独所有や区分所有と並ぶ別の建物類型として数えることはできません。借地権は土地を使う権利であり、単独所有の建物や区分所有建物と組み合わさることがあるためです。
建物の登記・所有形態は主に4類型
| 建物の形 | 原則として売れる範囲 | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 一戸ごとに別の建物として登記され、自分が単独所有 | 登記された自分の建物を売れる | 隣戸との接合部分 越境、共有設備 抵当権 登記と現況の一致 |
| 区分所有建物 | 専有部分と、それに付随する共用部分の持分・敷地利用権を売る | 管理規約、共用部分の範囲 敷地権、未納金、集会決議 |
| 建物全体を複数人で共有 | 自分の共有持分を売れる ただし、特定の一戸を単独所有物として引き渡せるとは限らない | 持分割合、使用方法の合意 共有者全員で売る可能性 |
| 一棟一登記で、一人が建物全体を所有 | 一棟全体を売れる | 一戸だけ売るなら、区分建物として登記できるか 敷地をどう扱うか、各敷地の接道 |
区分所有と共有持分は似て見えますが、中身が異なります。区分所有では、自分だけが使う専有部分があり、共用部分の持分や敷地利用権は、原則として専有部分と一緒に移ります。
一方、建物全体の共有で所有しているのは、建物全体に対する割合です。現在使っている一戸が、そのまま自分だけの所有物として登記されているとは限りません。
土地は単独所有・共有・借地の3種類を確認する
| 土地の権利 | 売却時の基本 | 確認事項 |
|---|---|---|
| 単独所有 | 自分が所有する土地を建物とともに売る | 境界、越境、接道、抵当権、建物との対応関係 |
| 共有 | 自分の土地持分を売る。特定の敷地部分を単独で売れるとは限らない | 持分割合、使用方法、共有者の意向、分筆の可否 |
| 借地 | 建物と借地権をあわせて譲渡する | 借地契約、借地権の種類、地主の承諾、承諾料、残存期間 |
たとえば、建物は一戸ごとの単独所有でも、土地は共有または借地ということがあります。建物の登記だけを見て「土地も自由に売れる」と判断しないようにしてください。
借地権が土地の賃借権である場合は、原則として地主の承諾が必要です。地主が承諾しない場合に、裁判所へ承諾に代わる許可を求められることもありますが、借地契約、建物、譲受人などの事情によって結論が変わります。売買契約を結ぶ前に、弁護士や司法書士へ確認しましょう。
\ 権利の形が不明でも、査定は依頼できます /
長屋の売却前に確認する権利・接道・隣戸との共有部分
すべてを売主だけで確定させる必要はありません。手元の資料を集め、確認結果を「確認済み」「条件付き」「不明」に分けます。
| 確認分野 | 主な確認事項 | 資料・窓口 |
|---|---|---|
| 権利 | 売却する土地・建物・持分、単独所有・区分所有・共有・借地、相続登記、抵当権 | 登記事項証明書、公図、契約書、司法書士・弁護士 |
| 道路・建築 | 前面通路の種類、接道長さ、再建築、建替えや大規模修繕の制限 | 建築確認資料、道路資料、自治体・建築士 |
| 隣戸との共有部分 | 壁、屋根、柱、梁、基礎、配管、通路、過去の工事、修繕や立入りの合意 | 設計図、修繕記録、覚書、現地調査 |
この整理だけでも、不動産会社が示す査定の根拠を比べやすくなります。不明な項目は推測で埋めず、「誰が、何を、いつまでに確認するか」を決めてください。
登記と契約書で長屋の権利関係を確認する
土地・建物の登記事項証明書から、売るのは一棟か一戸か、建物は単独登記・区分登記・共有のどれか、土地は単独所有・共有・借地のどれかを確認します。相続登記、住所・氏名の変更登記、抵当権の整理も必要です。
主な資料は、土地・建物の登記事項証明書、登記識別情報通知または権利証、公図、購入時の契約書、借地契約書です。登記上の権利に関する手続は司法書士、契約解釈や共有者との争いは弁護士、建物の表示登記や境界は土地家屋調査士が主な相談先になります。
接道と再建築の可否など建築条件を確認する
前面通路が建築基準法上の道路か、現在の敷地が道路へ何m接しているか、切り離しや敷地分割のあとも各敷地が条件を満たすかを確認します。建替えや主要構造部に及ぶ改修を予定する場合は、建築確認が必要かどうかも確かめます。
建築確認済証、検査済証、設計図、自治体の道路資料などを使います。道路と建築規制は物件所在地の建築指導窓口、建物の状態と工事内容は建築士へ確認してください。
隣戸と共有する壁・屋根・配管などを確認する
長屋では、壁だけでなく、屋根、柱、梁、基礎、給排水管、電気設備、通路を共同で使っていることがあります。過去の増改築や切り離し、修繕、隣戸への立入りについて、合意書や記録が残っているかも確認します。
境界確認書、修繕記録、覚書、設計図を現地の状態と照らし合わせます。確認結果によって、必要な同意、工事方法、売主が負担する費用、引渡し条件が変わります。
| 確認の結果 | 最初に比べる売却方法 |
|---|---|
| 権利・道路・建物の状態を説明できる | まずは現状のまま仲介する方法を検討 |
| 権利はわかったが、法規や構造に未確認がある | 長屋に詳しい会社の仲介と、直接買取を並べて比較 |
| 売却期限までに調査が終わらない | 未確認事項を明示したうえで、直接買取も検討 |
| 隣家が買いたい、または複数の所有者が同時に売れる | 隣家への売却や、全住戸の一括売却も査定 |
| 同意・法規・構造・採算を確認できた | ここで初めて、切り離し後の売却を比較対象に加える |
土地が分かれていても、建物まで独立しているとは限らない
長屋の土地は、一つの土地を共有している場合、各戸の敷地が別々に分かれている場合、借地の場合があります。注意したいのは、土地を各戸で別々に所有していても、屋根・柱・壁・基礎などが建物の共用部分と判断されることがある点です。
区分所有法が適用される長屋では、外壁、耐力壁、屋根、基礎などが共用部分になることがあります。土地の境界だけを見て「自分側の壁なら自由に壊せる」と判断してはいけません。
接道は「前面道路が4mあるか」だけで判断しない
建築基準法では、建物の敷地は原則として、法律上の道路に2m以上接している必要があります。この状態を「接道」といいます。
ただし、幅が4m未満でも法律上の道路として扱われる42条2項道路があり、接道の原則にも43条2項の認定・許可があります。長屋などの特殊な建物について、自治体の条例で接道条件が加わることもあります。
そのため、「前の道が4m未満だから再建築できない」とも、「切り離したあとも全体で接道していればよい」とも判断できません。前面通路の種類、道路へ接する長さ、切り離し後の敷地の扱いを図面に落とし、物件所在地の自治体へ確認します。
\ 資料がそろったら、同じ内容で複数社へ /
長屋が「売れない」といわれる5つの理由
長屋だから一律に売れない、ということはありません。「購入後に何ができるか」を判断するための確認項目が多く、未確認のまま残りやすいことが、売却を難しくする主な理由です。
売買の対象が見た目と登記で一致しないことがある
一戸に見えても、実際には建物全体に対する共有持分だったり、区分所有権だったりします。土地が単独所有とは限らず、建物の登記と増改築後の現況が一致していないこともあります。
売主が「この家と敷地を売る」と考えていても、登記上の対象が違えば、そのまま売買契約には進めません。売買の対象を先に確定させるか、何をいつまでに調べ、確認できなかった場合にどう扱うかを契約条件にします。
なお、2026年4月1日から、所有者の住所や氏名が変わった場合は、原則として変更の日から2年以内に変更登記を申請することが義務化されました。施行前の変更をまだ登記していない場合も対象となり、原則として2028年3月31日までの申請が必要です。
再建築や大規模修繕の可否を見通しにくい
買主が見ているのは、現在住めるかどうかだけではありません。将来の建替えや修繕まで考えます。接道条件を満たしていない、建築時と現在で法令が変わった、確認済証や検査済証が見つからないといった事情があると、希望する工事ができるかを判断しにくくなります。
2025年4月以降は、木造2階建てなどの新2号建築物で行う「大規模の修繕・模様替え」について、建築確認が必要となる範囲が広がりました。ここでいう大規模とは、壁・柱・床・梁・屋根・階段のうち一種類以上について、その過半を修繕・模様替えする工事です。
ただし、「切り離し工事」という名称だけで、必ず建築確認が必要または不要と判断することはできません。どの主要構造部をどこまで変えるのかを図面にし、建築士と自治体へ確認します。
建築時は適法だったものの、その後の法改正などで現在の基準に合わなくなった建物を「既存不適格」といい、違反建築とは別のものです。検査済証が見つからないだけで、違反建築と決まるわけでもありません。増改築や切り離しの前に、残る建物を含めて建築士に現況を調べてもらいます。
隣戸と構造・設備がつながり、切り離しの影響が読みにくい
つながっているのは、住戸間の壁だけではありません。屋根、柱、梁、基礎、給排水管、電気設備、通路が連続している長屋もあります。一戸を切り離すと、残る建物の耐震性、防火性、防水性に影響する可能性があります。端の住戸か、両側に建物がある中央の住戸かによっても条件は変わります。
「壁をふさげば終わる」と考えず、構造調査、補強方法、外壁の仕上げ、雨水を防ぐ処理、工事中と工事後の責任までまとめて検討します。
買主の住宅ローン審査に時間がかかることがある
金融機関は、権利関係、接道、建物の状態、担保としての評価、買主の返済能力などを個別に審査します。「長屋だから住宅ローンを使えない」と一律に決まるわけではありません。
ただし、売買の対象、再建築、現況との相違など、未確認事項が多い物件では、融資を利用できる買主が限られる可能性があります。売り出す前に、不動産会社へ「どの資料をそろえ、金融機関へどう事前相談するか」まで確認しましょう。
長屋専用の公的な相場データがない
国土交通省の不動産情報ライブラリでは、実際の取引価格を、地域、面積、構造、建築年、前面道路などから調べられます。しかし、取引物件を「長屋」「連棟」「テラスハウス」だけに絞り込む専用の分類項目はありません。
そのため、「長屋は戸建てより何割安い」「買取なら仲介価格の何割」といった全国一律の割合は当てはめられません。周辺の土地建物の取引を基準にし、権利、接道、建物の状態、共有部分、買主が負担する調査・工事、契約条件を物件ごとに調整します。
\ 相場は物件ごと。実際の査定額で確かめる /
長屋を売却する5つの方法
選択肢は「切り離すか、安く売るか」の二択ではありません。現状のままの仲介と買取を並べ、隣家や一棟売却の可能性も確かめると、価格と実現しやすさを同じ条件で比べられます。
| 売却方法 | 向いている状況 | メリット | 主な確認事項 |
|---|---|---|---|
| 現状のまま仲介 | 権利・接道・建物の状態を説明でき、販売期間を確保できる | 広く買主を探せ、工事費を先払いせずに済む | 担当者の長屋売却経験 想定する買主 融資の見込み |
| 不動産会社の直接買取 | 期限がある、残置物や劣化がある、一般の買主へ説明しにくい | 条件が合えば、一般向けの販売活動を省ける | 後日の減額条件 費用負担 契約後の責任 |
| 隣家への売却 | 隣家が増床や敷地の一体利用を望んでいる | 一般市場とは異なる利用価値を検討できる | 第三者による査定 境界、共有部分 引渡条件 |
| 全住戸の一括売却 | 複数の所有者が、同じ時期・条件で売れる | 土地と建物をまとめることで利用の幅が広がる場合がある | 売却代金の配分 抵当権 賃貸借、税金 |
| 切り離し・解体後に売却 | 法律・建築・構造を確認でき、工事後に手取りが増える見込みがある | 独立性や土地利用の選択肢が増える場合がある | 決議・同意 行政手続 構造安全性 工事費 |
長屋を現状のまま仲介で売る
最初に検討したいのは、建物をつないだまま売る方法です。「何も調べなくてよい」という意味ではありません。買主が判断できる資料をそろえ、現在の状態と制限を開示して販売します。
権利と建築条件が整理され、居住・賃貸・改修などの使い道を示せる物件なら、一般の買主も候補になります。査定のときは「売れます」という答えだけで終わらせず、想定する買主、融資の事前相談、販売に使う資料まで聞きましょう。
長屋に詳しい不動産会社へ直接買い取ってもらう
直接買取では、不動産会社などが買主になります。一般の買主を探す販売活動を省ける一方、提示額には、再販売までの調査、工事、保有、販売にかかる負担が織り込まれます。
ただし、買取なら必ず早く売れるとは限りません。契約内容と現況が違った場合に売主が負う契約不適合責任も、必ず免除されるわけではありません。
売買価格、査定後の減額条件、残置物や測量の負担、解除条件、決済日、契約不適合責任の範囲を、書面で確認します。別の会社が仲介に入る場合は、直接買取でも仲介手数料がかかることがあります。
隣家(隣接する住戸の所有者)へ売る
隣家にとっては、隣の住戸を取得することで、敷地や建物を一体で利用できる可能性があります。購入意思があるかを尋ねる価値はありますが、当事者だけで価格交渉を進めると、境界、共有部分、引渡し条件が曖昧になりやすくなります。
第三者の査定を取り、一般市場で売った場合の価格と比較しましょう。価格査定と仲介は宅地建物取引業者、複雑な契約や共有関係の調整は弁護士、所有権移転登記は司法書士に相談します。
長屋一棟を全住戸まとめて売る
複数の所有者が合意できるなら、全住戸や敷地をまとめて売る方法もあります。単独で売るより土地利用の幅が広がる場合がある一方、所有者ごとの抵当権、賃貸借、売却代金の配分、税金を調整しなければなりません。
まず全員が同じ時期・条件で売れるかを確かめ、そのうえで、一棟全体で売った場合の価格と、各戸を別々に売った場合の価格を分けて査定します。
区分所有法が適用され、敷地の権利を区分所有者が共有している長屋では、2026年4月1日施行の改正区分所有法で設けられた「建物敷地売却決議」も選択肢になります。区分所有者、議決権、敷地の持分の価格の各5分の4以上の賛成で、建物と敷地をまとめて売る決議ができる制度です。
決議では、売却の相手方や代金の見込額などを定める必要があります。各戸の敷地が別々に分かれている長屋では使えないため、利用を検討する場合は弁護士へ確認してください。
長屋を切り離し・解体してから売る
切り離し・解体後の売却は、現状のままでは買主が見つかりにくく、工事後に土地や建物の利用価値が上がる見込みがある場合に検討します。
ただし、売る住戸だけでなく、残る建物にも影響します。必要な決議・同意、接道、建築確認、残る建物の構造・防水、工事費を確認する前に進めないでください。
売却以外の選択肢として、保有・賃貸とも比べる
急いで売る必要がなければ、賃貸や当面の保有も比較の対象です。賃料だけでなく、修繕費、空室、管理、固定資産税、将来の大規模修繕、隣戸との調整を差し引いて考えます。
賃貸中のまま売る場合は、買主が賃貸借契約や敷金返還義務などを引き継ぐことがあります。空室の住宅として売る場合とは、買主層も評価方法も異なるため、二つの条件で査定を受け取ってください。
\ 売るか貸すかは、査定額を見てから決める /
長屋・テラスハウスを切り離して売却する前の5条件
5つの売却方法のうち、切り離しだけは性質が異なります。売る住戸だけでなく、残る建物にも手を入れるからです。
共有している壁や屋根などを変えたり取り除いたりする場合は、単なる売却準備ではなく、権利・建築・構造にまたがる工事として慎重に検討します。
切り離しに必要な決議・同意は、数字だけでは決まらない
区分所有法が適用される長屋で、共用部分の形状や効用を大きく変える場合は、区分所有法17条の集会決議が問題になります。ただし、一戸の切り離しが同条の「共用部分の変更」で処理できるとは限りません。
工事によって共用部分そのものをなくす、建物全体の一体性を失わせる、通常の共有物を変更・処分するといった場合は、区分所有法17条とは別の論点が生じます。全員の同意が必要になる可能性もあるため、最初に「4分の3でよい」「隣戸だけの承諾でよい」と決めないでください。
2026年4月1日に施行された改正区分所有法では、共用部分の変更の決議が、原則として区分所有者と議決権の各過半数が出席した集会で、出席者の各4分の3以上の賛成により決める仕組みになりました。ただし、この要件は共用部分の変更に関するものです。一戸の切り離しにどこまでの同意が必要かは、建物の権利の形と工事内容によって判断します。
必要な決議・同意は、建物の登記、共有部分の範囲、工事内容、残る建物への影響で変わります。法律上の判断は弁護士、権利の登記は司法書士、建物の表示登記や境界は土地家屋調査士、構造と工事は建築士へ確認してください。
切り離しは、次の5条件を上から順に確認し、すべて満たしてから比較対象に加えます。
- 権利関係が確定している
建物の登記単位、区分所有法が適用されるか、土地は所有か借地か、共用部分はどこまでかを確認します。 - 必要な決議・同意を書面で確認できる
集会議事録、承諾書、共有者との合意書など、権利の形に合う記録を用意します。工事範囲、費用、補強、外壁、防水、立入り、損害が出た場合の扱いも書き込みます。 - 切り離し後も建築条件を満たせる
道路の種類、各敷地の接道、用途地域、建ぺい率・容積率、防火規制、再建築、建築確認の要否を自治体と建築士へ確認します。 - 残る建物の安全と防水を確保できる
壁だけでなく、柱、梁、屋根、基礎、配管、防火、外壁の仕上げを調査し、補強と復旧の方法を設計します。 - 工事後の手取りが、現状のまま売る場合を上回る見込みがある
工事、設計・申請、測量・登記、仮住まい、隣戸への補償、追加工事の予備費まで含めて比べます。
解体・更地渡しを先に約束しない
権利の形に合う決議・同意、自治体と建築士の確認、構造調査、追加工事を含む見積りがそろう前に、更地渡しを約束するのは避けましょう。未解決の条件が残ると、契約どおりに工事を終えられないおそれがあります。
条件付きで売買契約を結ぶ場合は、何をいつまでに確認するか、確認できなければ契約の効力を生じさせないのか、解除できるのかを契約書へ定めます。停止条件・解除条件や違約時の扱いは、不動産取引に詳しい弁護士へ確認してください。
\ 切り離す前に、現状の査定額を知る /
長屋の売却価格と相場はどう調べる?
権利や接道の複雑さは価格に影響します。それでも、「戸建てより一律に何割安い」とは置き換えられません。周辺相場を出発点に、買主が負担する費用と、解消できない不確実性を分けて考えます。
周辺の土地・戸建ての取引価格を土台にする
国土交通省の不動産情報ライブラリや、不動産会社が使うレインズの成約事例から、取引時期、地域、土地・建物の面積、築年、構造、前面道路が近い物件を探します。
長屋だけを正確に抜き出せる公的な分類はないため、最初に周辺の土地建物としての基準価格をつかみ、そこから連棟特有の条件を調整します。
連棟特有の条件を分けて価格を調整する
査定書では、すべてを「長屋だから」の一言でまとめず、調整の理由を次の項目に分けてもらいます。
| 調整項目 | 査定で確認する内容 |
|---|---|
| 土地 | 接道、形状、境界、越境、単独所有・共有・借地 |
| 建物 | 築年、構造、劣化、耐震性、修繕履歴、現況と登記の一致 |
| 権利・法規 | 再建築、既存不適格、増改築履歴、規約・契約上の制限 |
| 連棟特有の条件 | 壁、屋根、基礎、配管、通路、隣戸との合意 |
| 取引条件 | 残置物、測量、修繕、引渡時期、契約後に残る売主責任 |
周辺市場を基にした土地・建物の価値
+ 利用・収益の可能性
- 買主が負担する調査・調整・工事
- 解消できない不確実性
これは価格を自動計算する式ではありません。査定額が高いか低いかだけでなく、どの項目を、どの資料を使って調整したのかを確認するための枠組みです。
査定価格・売出価格・想定成約価格・買取提示額を混同しない
同じ「価格」と呼ばれていても、示している意味は異なります。
| 価格の種類 | 意味 | 確認すること |
|---|---|---|
| 査定価格 | 不動産会社が資料や事例から示す価格 | 売却を保証する価格ではない。査定根拠を確認する |
| 売出価格 | 売主が市場へ提示する価格 | 査定価格より高く設定する場合の販売期限と値下げ条件 |
| 想定成約価格 | 販売期間や条件を踏まえ、契約に至ると会社が見込む価格 | どの買主を想定し、どの取引事例を根拠にしたか |
| 買取提示額 | 不動産会社などが買主として示す価格 | 調査後の減額条件、費用負担、解除条件 |
査定価格だけを並べると、最も高い数字を出した会社が有利に見えます。しかし比べるべきなのは、想定成約価格の根拠と、費用を引いた税引前の概算手取りです。
売却方法ごとに手取りと実現しやすさを比べる
各社の査定書と見積書を受け取ったら、同じ項目へ転記します。金額が確定していない費用は、無理に0円とせず「条件付き」または「不明」と記載してください。
| 売却方法 | 比較する価格 | 主に差し引く費用 |
|---|---|---|
| 現状のまま仲介 | 想定成約価格 | 確認済み:仲介手数料、登記費用など 条件付き:測量、修繕、残置物撤去など |
| 直接買取 | 書面で示された買取提示額 | 確認済み:登記費用など。仲介会社が入れば仲介手数料 条件付き:査定後の減額、測量、残置物撤去など |
| 切り離し後に仲介 | 工事後の想定成約価格 | 確認済み:仲介手数料、設計・工事・登記費用 条件付き:追加補強、隣戸対応、申請、追加工事など |
| 売却方法 | 実行するための主な条件 | 契約後に残る主な責任 |
|---|---|---|
| 現状のまま仲介 | 買主の融資、販売期限、未確認事項の調査 | 契約不適合責任、境界、設備、告知内容など |
| 直接買取 | 減額・解除条件、買主の決済資金 | 売買契約書で定めた範囲 |
| 切り離し後に仲介 | 決議・同意、行政手続、構造安全性、工事完成 | 工事の完成、残る建物への影響、隣戸との合意など |
税引前の概算手取りは「売却価格-売却に必要な費用-決済時のローン残高」で計算し、売却益にかかる税金は別に見積もります。価格、費用、実行条件の根拠は、「確認済み」「条件付き」「不明」のいずれかで記録してください。
まず、希望時期までに売れるか、同意・法規・構造などの条件を満たせるかを確認します。そのうえで、条件付き費用を含む手取りと、契約後に残る責任を比べます。
\ 手取りの比較には、複数社の査定額を /
長屋の査定で不動産会社に確認したい8つの質問
高い査定額は、不明点を解消しなくても提示できます。会社の違いが表れるのは、その金額の前提を説明できるかどうかです。誰が何を調べ、どの買主へどう売るのかを、次の8つで確かめましょう。
- 登記上、売却する土地・建物・持分をどのように特定しましたか
- 前面通路の種類と接道を、どの資料・窓口で確認しますか
- 切り離さずに売る場合、どんな買主を想定し、融資をどう事前相談しますか
- 査定に使った成約事例は、いつ、どの地域の、どの種類の物件ですか。査定価格・売出価格・想定成約価格を分けていますか
- 調査、測量、登記、修繕を含む売主の負担と、税引前の概算手取りはいくらですか
- 直接買取では誰が買主になり、調査後に減額・解除できる条件は何ですか
- 契約不適合責任、残置物、境界、共有設備を、契約でどう扱いますか
- どの専門家の確認が必要ですか。現時点で実行できない条件を一覧にできますか
回答は、次の3段階に分けてもらいます。「おそらく大丈夫」という回答を、そのまま売買条件にしないための整理です。
| 回答区分 | 意味 |
|---|---|
| 確認済み | 公的資料、契約書、現地調査などで確定している |
| 条件付き | 決議・同意、行政への照会、融資承認などの条件を満たせば実行できる |
| 不明 | 追加調査が必要で、価格や契約条件への影響も未確定 |
長屋を売却する流れと必要書類
長屋では、一般的な売却手続へ入る前に、権利と建築条件を確認します。この順番で進めると、不要な工事や査定のやり直しを避けやすくなります。
土地・建物の登記事項証明書、公図、測量図、建物図面を取得し、自宅にある契約書や工事記録とあわせます。
道路と建築規制は自治体の建築指導窓口、構造は建築士、境界は土地家屋調査士、権利は司法書士や弁護士へ振り分けます。
各社へ同じ資料と売却希望時期を伝え、実行できる売却方法、想定成約価格、必要費用を提示してもらいます。
期限内に実行できるか、条件付き費用を含む手取りはいくらか、契約後にどの責任が残るかを順に確認します。
把握している事実を物件状況報告書へ記載し、調査できた範囲と未確認事項を分けて示します。
融資特約や引渡条件を明確にし、決済日に完済・抵当権抹消・所有権移転・精算・引渡しを進めます。
\ STEP3の「複数社へ訪問査定」はここから /
登記事項証明書と手元の必要書類を集める
最初に、土地・建物の登記事項証明書、公図、地積測量図、建物図面・各階平面図などを取得します。法務局では、登記事項証明書のほか、地図・公図、地積測量図、建物図面を請求できます。
あわせて、自宅で次の資料を探してください。
- 登記識別情報通知または権利証
- 売買契約書、借地契約書、管理規約
- 境界確認書、越境や通路に関する覚書
- 建築確認済証、検査済証、設計図
- 増改築、切り離し、耐震、修繕の記録
- 壁、屋根、配管、工事に関する隣戸との合意書
- 固定資産税納税通知書
- 住宅ローン残高と抵当権の資料
- 賃貸中なら、賃貸借契約書、敷金、滞納・修繕の記録
資料が見つからなくても、推測で埋める必要はありません。「ない」「不明」と明示し、代わりに何を調べるかを決めます。
売買契約や決済が近づくと、必要書類は不動産会社と司法書士が個別に指定します。主なものは、本人確認書類、実印・印鑑証明書、住所移転をつなぐ住民票や戸籍の附票、物件状況報告書、付帯設備表、抵当権を外すための書類です。共有者がいる場合は、全員の売却意思と、決済日に出席できるかも早めに確認します。
自治体の建築指導窓口と専門家へ事前に確認する
相談先は、確認する内容によって変わります。
| 相談先 | 主に確認できること |
|---|---|
| 自治体の建築指導窓口 | 道路、接道、建築規制、建築確認の要否 |
| 建築士 | 建物の構造、劣化、切り離しや補強の方法 |
| 土地家屋調査士 | 境界、土地・建物の表示に関する登記 |
| 司法書士 | 相続、抵当権、所有権移転など権利に関する登記 |
| 弁護士 | 共有部分、必要な決議・同意、契約、紛争 |
| 税理士 | 譲渡所得、特例、売却方法ごとの税額 |
不動産会社が窓口になる場合も、回答の出どころを確認しましょう。「役所で聞いた」で終わらせず、照会した部署、日付、見せた図面、質問と回答を記録してもらいます。
複数社へ同じ資料で長屋の訪問査定を依頼する
長屋は、現地を見なければ隣戸との接合や劣化の状態を把握しにくい物件です。机上査定だけで会社を決めず、各社に同じ資料と同じ売却希望時期を伝え、訪問査定を比べます。
現状のままの仲介、直接買取、隣家・一棟売却、切り離し後の売却のうち、実行できる方法だけを提示してもらいます。売主が負担する工事、測量、登記、残置物撤去まで、同じ比較表へそろえてください。
売却方法と媒介契約の種類を決める
価格だけでなく、期限内に実行できるか、必要な決議・同意・手続がそろうか、条件付き費用を含む手取りはいくらか、契約後にどの責任が残るかを順に確認して選びます。
仲介を選ぶ場合は、不動産会社へ売却活動を依頼する媒介契約を結びます。一般媒介、専任媒介、専属専任媒介では、依頼できる会社数や、自分で見つけた買主と直接契約できるかなどが異なります。不動産会社が売却価格について意見を述べるときは、その根拠を示さなければなりません。
告知事項を整理し、買主向けの資料をそろえて売り出す
雨漏り、シロアリ、傾き、未登記の増改築、過去の切り離し、共有配管、越境、隣戸との取り決めなど、把握している事実は物件状況報告書へ記載します。分からないことを推測で「なし」とせず、どこまで調べ、何が未確認かを残します。
建物状況調査(インスペクション)は、構造上主要な部分や雨水の侵入を防ぐ部分などの状態を調べるものです。すべての不具合がないことを保証する調査ではなく、調査できない箇所もあります。長屋でどこまで調査できるか、隣戸側への立入りが必要かを、実施する建築士へ事前に確認します。
売買契約から代金決済・引渡しまで進める
買主が提示した価格だけでなく、融資の見込み、境界、残置物、修繕、切り離し、引渡時期、契約不適合責任を確認して契約します。
買主の融資が通らなかった場合に契約を解除できる融資特約では、申込先の金融機関、借入予定額、承認期限、解除期限を曖昧にしないことが大切です。
住宅ローンが残っている場合は、決済時に完済して抵当権を外せるよう、金融機関と司法書士へ早めに連絡します。決済日には、残代金の受領、ローン完済、抵当権抹消と所有権移転の申請、固定資産税等の精算、鍵・書類の引渡しを進めるのが一般的です。
固定資産税等の日割精算は、売主と買主の契約によるものです。買主から受け取る精算金は、譲渡所得の計算上、原則として譲渡価額に含まれます。売却費用として単純に差し引く項目ではないため、税額計算では分けて扱ってください。
売却した翌年は、売却による利益(譲渡所得)の申告が必要かを確認します。自宅として使っていた長屋は、条件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を差し引く特例の対象になり得ます。この特例を使う場合は、税額がゼロでも確定申告が必要です。
長屋売却にかかる費用と税金
売却価格が最も高い方法でも、手元に最も多く残るとは限りません。とくに切り離しでは、設計、工事、調査、登記の費用が増えます。物件と売り方ごとに、次の式で比べましょう。
売買代金-売却に必要な費用-決済時の住宅ローン残高
住宅ローンの返済額は、手元に残る現金には影響します。しかし、売却益にかかる税金の計算で、取得費や譲渡費用として差し引けるものではありません。最終手取りと譲渡所得は、別々に計算します。
| 費用 | 内容 | 確認時の注意 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 仲介で売買契約が成立した場合に不動産会社へ支払う | 法律上の上限内で媒介契約時に合意する。上限額が自動的な請求額になるわけではない |
| 印紙税 | 紙の売買契約書にかかる | 契約金額と作成時期で税額が変わる。適切な電子契約では印紙税がかからない |
| 登記関連費用 | 抵当権抹消、住所・氏名変更、所有権移転の準備、未登記部分の調査・登記 | 登録免許税のほか、司法書士・土地家屋調査士の報酬がかかる |
| 測量・境界費用 | 境界確認、測量、分筆など | 境界標や既存図面、隣接地、土地の筆数で変わる |
| 建物調査費用 | インスペクション、耐震・構造調査、設備調査 | 調査目的、範囲、立入り可能な箇所で変わる |
| 工事費 | 残置物撤去、修繕、切り離し、補強、外壁、防水、解体 | 現地調査後の見積りを使い、追加工事の予備費も確保する |
| 譲渡所得にかかる税金 | 売却益に対する所得税・住民税など | 取得費、譲渡費用、所有期間、居住用特例で変わる |
仲介手数料と「低廉な空家等」の媒介特例
仲介手数料の上限は、売買価額を区分して計算します。200万円以下の部分は5.5%、200万円を超え400万円以下の部分は4.4%、400万円を超える部分は3.3%です。いずれも消費税込みの率です。
売買価額800万円以下の宅地・建物は、「低廉な空家等」と呼ばれる媒介手数料の特例の対象になり得ます。名称に「空家」とありますが、使用中か空き家かは問いません。
通常の上限を超える場合でも、依頼者一人から受け取れる上限は税込33万円です。この特例には媒介契約時の事前合意が必要で、800万円以下なら自動的に33万円を請求できる制度ではありません。
印紙税と抵当権抹消などの登記費用
紙の不動産売買契約書は、記載金額が10万円を超え、2027年3月31日までに作成されるものに印紙税の軽減措置があります。税額は契約金額で変わるため、国税庁の税額表で確認します。
電子データだけで適切に締結・保存する電子契約では、印紙税の課税文書を作成しないため、原則として印紙税はかかりません。ただし、別に紙の契約書や課税文書を作成すれば、その文書について判断が必要です。
抵当権抹消登記の登録免許税は、原則として不動産1個につき1,000円です。土地1筆と建物1個なら2,000円となり、司法書士へ依頼する場合は報酬が別にかかります。
譲渡所得と3,000万円特別控除
譲渡所得は、原則として「収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除」で求めます。購入時の契約書や建築費の領収書が見つからなくても、すぐに取得費をゼロと決めず、通帳、借入資料、登記関係書類、当時の販売資料などを探してください。
取得費が分からない場合や、実際の取得費が売却額の5%を下回る場合は、売却額の5%を概算取得費にできることがあります。ただし、実際の取得費を使うより課税対象の利益が大きくなることがあるため、資料を探したうえで税理士や税務署へ確認しましょう。
建物の取得費は、購入代金や建築代金から、所有期間中の減価償却費に相当する額を差し引いて計算します。相続した物件では、原則として被相続人の取得費と取得時期を引き継ぎます。
長期・短期の区分は、売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるかどうかで判定します。一般的な税率は、長期が所得税15%・住民税5%、短期が所得税30%・住民税9%です。所得税には復興特別所得税などが加わるため、売却した年の制度で確認してください。
自宅を売ったときの3,000万円特別控除は、現在住んでいる家のほか、住まなくなってから一定期間内に売る旧自宅なども対象になり得ます。親子や夫婦など特別な関係の相手への売却は対象外です。
建物を取り壊した敷地には、取壊しから1年以内に売買契約を結ぶこと、契約まで敷地を貸駐車場などほかの用途に使わないこと、住まなくなってから一定期限内に売ることなどの追加条件があります。切り離し・解体を決める前に確認してください。
\ 費用と税金の試算は、売却額から /
長屋の売却でよくある質問
一戸単位の売却、隣人の同意、中央の住戸、接道、住宅ローン、未登記の増築、現況有姿での引渡しについて答えます。
長屋は切り離しより先に「何を売れるか」を確定する
長屋は、売る権利を特定できれば、一戸単位で売却できる場合があります。つながった壁そのものが、直ちに売却を妨げるわけではありません。
最初から切り離しを前提にせず、「自分はどの土地・建物・持分を売れるのか」を確定することが先です。
はじめに、次の4種類を集めましょう。
- 土地・建物の登記事項証明書と契約書
- 公図、測量図、境界確認書
- 建築確認に関する書類と、増改築・修繕の記録
- 隣戸との共有部分や工事に関する合意書
そのうえで、自治体と建築士に接道・再建築・工事の扱いを確認し、同じ資料を使って複数の不動産会社へ訪問査定を依頼します。比べるのは査定額の高さだけではありません。実行条件を満たせるか、必要な費用を引いた税引前の概算手取りはいくらかまで確かめます。
リビンマッチでは、物件の所在地や条件を入力し、条件に合う複数の不動産会社へ無料で売却査定を依頼できます。買取を検討している場合は、「リビンマッチ不動産買取」から複数の会社へ買取査定をまとめて依頼することもできます。依頼後は、紹介された会社から連絡を受け、査定内容を比較してから、必要な会社と媒介契約や売買契約を結ぶ流れです。
リビンマッチには、全国で2,100社以上の不動産会社が参加しています(2026年10月時点。サービスごとに社数は異なります)。ただし、リビンマッチ自体が物件を買い取るわけではなく、査定額での売却を保証するものでもありません。長屋の取扱経験、査定の前提、現状のままの仲介と買取の違いを同じ質問で確かめ、自分の物件に合う売却方法を選びましょう。紹介できる会社数は、地域や物件条件によって異なります。
\ WEBから無料で一括査定を依頼 /
※個別物件の権利関係、再建築・工事の可否、必要な決議・同意、税額は、所在地、契約、登記、建物の状態によって結論が変わります。自治体および有資格者へ確認してください。
出典
総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 用語の解説」
e-Gov法令検索「建築基準法」
e-Gov法令検索「建物の区分所有等に関する法律」
法務省「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律について」(施行日:2026年4月1日)
e-Gov法令検索「民法」
e-Gov法令検索「借地借家法」
e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」
八尾市「長屋にまつわる諸問題の解説報告書」(公開日:2021年1月)
国土交通省「建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し」
国土交通省「既存建築物の活用の促進について」
国土交通省「不動産情報ライブラリ」
法務局「登記事項証明書(土地・建物)、地図・図面証明書を取得したい方」
法務省「住所等変更登記の義務化」
国土交通省「既存住宅流通について(建物状況調査(インスペクション)活用に向けて)」
国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ」
国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」
e-Gov法令検索「登録免許税法」
国税庁「土地や建物を売ったとき」
国税庁「取得費が分からないとき」
国税庁「建物の取得費の計算」
国税庁「マイホームを売ったときの特例」
国税庁「マイホームを取り壊した後に敷地を売ったとき」
リビンマッチ「不動産一括査定・売却はリビンマッチ」

