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シロアリ被害のある家は売却できる|駆除せず売る方法と買取の判断手順

シロアリ被害が見つかった家でも、売却できます。駆除や補修を終えるまで売買できない、という決まりはありません。

ただし、「今の状態のまま売る」ことと「被害を隠して売る」ことは違います。わかっている被害、過去の処理歴、まだ調べていない場所は、仲介を頼む不動産会社や、買主になる買取会社へ伝えてください。そのうえで、買主への説明のしかたと、契約書への書き方を相談します。

「売れるかどうか」は、もう答えが出ています。まだ決めきれないのは、どこまで調べ、どこまで直してから引き渡すかです。

判断は次の順番で進めます。

1.いまもシロアリが活動しているかを確かめる
2.被害の場所と、建物への影響を調べる
3.同じ資料をもとに、4つの売り方を比べる
4.価格・期間・契約条件を見て、工事をするか決める

同じ「シロアリが出た家」でも、状態はさまざまです。いまも活動している家、過去の痕跡だけが残っている家、駆除は終わったものの、食べられた木材をまだ直していない家。この違いを整理せずに工事を決めると、必要以上に直してしまったり、逆に調査が足りないまま売り出してしまったりします。

この記事の対象

個人が所有する中古戸建ての売却を想定しています。分譲マンションで共用部分まで被害が疑われる場合は、まず管理会社・管理組合へ連絡してください。床や柱の強度に不安があり、安全に立ち入れるか判断できないときは、売り方を比べる前に建築士などへ相談してください。

目次

シロアリ被害のある家は、駆除・修繕前でも売却できる

どの売り方を選べるかは、いまの状態、工事に使えるお金、売却の期限で変わります。

状態を見分ける手がかりは2つあります。蟻道(ぎどう)はシロアリが土でつくるトンネル状の通り道、食害は木材が食べられた跡です。どちらも、いま活動している証拠とは限りません。次の表で、自宅に近い状態を探してください。

現在の状態最初に比べる方法先に確認すること
羽アリや蟻道を見つけたが、被害かどうかわからないまず調査し、そのうえで売り方を比べるいまの活動、調べた範囲、調べられなかった場所
活動中のシロアリを確認した駆除後の仲介と、現況のままの売却を比べる駆除する範囲、木材の傷み、追加調査の要否
駆除は済んだが、木材は直していない補修後の仲介と、現況のままの売却を比べる残っている強度、補修する範囲、工事費
駆除・補修とも済んでいる記録を整えて仲介を検討する工事明細、写真、保証内容、再発の有無
築年数が古く、建物の価値がほとんど残っていない見込み古家付き土地と、直接買取も比べる建物を残す条件、解体費、土地の需要
期限があり、工事費を先に用意しにくい現況のままの仲介と、直接買取を比べる代金の受取日、減額される条件、売却後の責任
シロアリ被害の状態別に見る、売却方法の早見表

ここで、駆除と補修は分けて考えてください。シロアリを駆除しても、食べられて傷んだ土台や柱が元に戻るわけではありません。反対に、蟻道や食害が見つかったからといって、大がかりな補修が必要とは限りません。

工事を決める前に、被害を3つの観点から調べる

調査で確かめたいのは、シロアリがいるかどうかだけではありません。次の3点を分けて確認し、どこまで確かめられたのかを記録に残します。

  1. いまの活動
    シロアリがいまも生きているのか、それとも過去の痕跡か
  2. 被害の範囲
    どの場所に、どのくらいの食害や木材の腐れがあるのか
  3. 建物への影響
    木材の補修や、建物の強度の確認が必要か

シロアリ調査と建物状況調査は役割が違う

シロアリの専門調査では、蟻道、食害、生息の有無、床下の湿気などを確認します。隠れた被害が疑われるときは、壁や床の一部を開けて調べたり、傷んだ木材にどれだけ強度が残っているかを確かめたりすることもあります。日本しろあり対策協会の「既存住宅のしろあり腐朽検査」も、最初の検査結果に応じて、必要な部分を開ける検査や木材の強度評価へ進む流れになっています。

一方、「建物状況調査(インスペクション)」は、国の基準に沿って建築士が行う中古住宅の調査です。木造住宅では、建物を支える主な部分に著しいシロアリ被害がないかも確認します。ただし調べるのは、壊さずに目で見て確認できる範囲が原則です。

建物状況調査を受けても、シロアリ被害のすべてがわかるわけではありません。

点検口のない床下、壁や床の仕上げ材の裏、家具で隠れた場所などは、確認できないことがあります。耐震性を測る調査でも、不具合が一つもないことを保証する調査でもありません。

調査の範囲と限界は、国土交通省の「既存住宅状況調査方法基準の解説」と「建物状況調査に関するQ&A」に詳しく書かれています。

知りたいことによって、頼む相手も、受け取れる資料も変わります。

確認したいこと主な相談先受け取る資料
生息、種類、蟻道、食害、駆除の範囲シロアリ・木材の腐れを調べる専門事業者写真付き報告書、調査範囲図、調べられなかった場所の一覧
建物全体の劣化状況建物状況調査を行える建築士建物状況調査報告書
木材の強度、補修の方法と費用建築士、施工会社補修案、図面、見積書
雨漏り、漏水、湿気の原因原因に対応できる専門事業者原因調査報告書、修繕見積書
調査の目的に応じた相談先と、受け取っておきたい資料

ただし、調査は多いほどよいとは限りません。売り方や見積もりを左右しそうな、まだ確認できていない点から順に調べます。国土交通省も「安心R住宅」の制度ページで、一般的な建物調査とは別に、シロアリ対策は専門の調査会社へ相談するよう案内しています。

見積書は「駆除」と「補修」を分けてもらう

同じ「床下工事」という言葉でも、中身は別の作業です。調査、駆除、予防、薬剤を注入するための穴あけと復旧、木材の補修、湿気や漏水の対策。総額だけを見ても、売却前にどこまでやるべきかは判断できません。

見積もりを比べるときは、少なくとも次の項目をそろえてもらってください。

  • 調査した範囲と、入れなかった場所
  • シロアリの種類と、活動中・過去・不明のどれか
  • 施工面積の数え方
  • 駆除する範囲と、予防する範囲
  • 薬剤・工法と、穴あけ・復旧の費用
  • 食べられた木材を直す費用
  • 雨漏り、漏水、湿気の原因を直す工事費
  • 保証の対象・期間・保証されない条件・買主へ引き継げるかどうか
  • 税込みの総額と、追加費用が発生する条件

駆除費や補修費は、建物の広さ、工法、被害の場所、補修の内容で変わります。全国一律の目安額や値下がり率を自宅に当てはめず、調査結果にもとづく見積もりで比べてください。

無料点検の当日に工事まで決めない

調査は必要です。ただ、調査を受けたその日に工事まで決める必要はありません。床下は所有者が自分で確かめにくく、見せられた写真と説明だけでは、妥当な提案かどうか判断しにくいからです。

国民生活センターも、「無料で点検します」などと言って家に上がり、不安をあおって契約を迫る点検商法に注意を呼びかけています。手口の具体例は、同センターの「点検商法」で確認できます。

写真だけで工事を決めず、撮影場所がわかる平面図、調査した範囲、調べられなかった場所、そう判断した根拠を報告書にしてもらいましょう。工事を頼むときも、駆除と補修の見積もりを分けてもらえば、他社の提案と比べやすくなります。

調査結果が出たからといって、次にやることが必ず駆除・補修になるわけではありません。ここで初めて、工事をする案と、現状のまま引き渡す案を、同じ条件で比べられます。

シロアリを駆除せず、家を現状のまま売る方法

駆除せずに売る方法は、大きく2つあります。今の状態のまま買主を探す現況仲介と、不動産会社自身が買主になる直接買取です。修繕してから仲介する案と、古家付き土地として仲介する案も加えて、4つを並べて比べます。

売り方向きやすい状況先にかかる費用・時間契約前の要点
駆除・必要な補修をしてから仲介工事の範囲がはっきりしていて、費用を上回る価格上昇を見込める調査費・工事費と、工事と販売にかかる期間追加工事、成約予想価格、保証内容
現況のまま仲介状態を理解し、自分で直せる買主を探せる必要な調査費と、販売中の維持費被害、調べていない場所、修繕の負担、売主の責任
古家付き土地として仲介土地の需要があり、建物の価値が小さい必要な調査費と、販売中の維持費建物を含む売買であること、解体費と残置物の負担
不動産会社の直接買取工事のお金や時間をかけにくい会社ごとに異なる価格が確定する時期、減額される条件、売却後の責任
シロアリ被害のある家で検討できる4つの売却方法

現況のまま売っても、駆除や補修の問題が消えるわけではありません。工事の負担と、まだ調べていない部分の不確かさを買主へ引き継ぎ、その分を価格と契約条件に反映する方法です。

「古家付き土地」として売り出しても、建物が契約の対象から自動的に外れるわけではありません。被害を伝えなくてよくなるかどうか、売却後の責任をどこまで負うかも、この表示だけでは決まりません。建物をどんな状態で引き渡し、解体費や残った家具・荷物の処分費を誰が負担するのかは、契約書で決めます。

解体して更地にする方法もありますが、先に壊す必要はありません。解体費を回収できるほど土地が売りやすくなるのか、建物を使いたい買主を逃がさないか。現況のままの査定と、更地にした場合の査定を両方取ってから決めてください。

修繕するかは「概算手取り」で決める

修繕後の査定額が高く出ても、工事費と時間をかけた結果、手元に残るお金がほとんど増えないことがあります。比べるのは査定額ではなく、費用を差し引いたあとに残る金額、つまり概算手取りです。

税金を含めない概算手取り

成約予想価格または買取価格
- 調査・駆除・補修・解体費
- 売却にかかる費用
- 売れるまでの維持費
- 代金を受け取るときに一括返済する住宅ローン

「成約予想価格」とは、実際に売れそうな価格のことです。この式には、売却益にかかる税金(譲渡所得税など)を含めていません。また、売れるまで毎月払う住宅ローンの元本は、維持費に入れないでください。代金を受け取って所有権を移す「決済」のときに一括返済する金額と、二重に引くことになるからです。

仲介の査定額は、その値段で売れることを保証するものではありません。「売出価格」だけでなく、成約予想価格・想定する販売期間・価格の根拠を出してもらいます。買取なら、査定後の調査で価格が変わる条件まで、書面で確認してください。

修繕に使ったお金を回収できるか計算する

修繕によって概算手取りがいくら増えるかは、次の式でわかります。

修繕で増える概算手取り

修繕後の成約予想価格
- 現況のままの成約予想価格
- 調査・駆除・補修費
- 修繕によって増える売却費用・維持費

次は計算のしかたを示す架空の例です。シロアリ被害のある家の相場ではありません。どちらの案も住宅ローン残高は同じとし、税金は含めていません。

  • 現況のままの成約予想価格:1,700万円
  • 修繕後の成約予想価格:2,000万円
  • 調査・駆除・補修費:180万円
  • 修繕によって増える売却費用・維持費:18万円

計算結果は102万円です。

2,000万円-1,700万円-180万円-18万円=102万円

この102万円が、修繕によって生まれる余裕の目安です。追加工事、予想より安く売れた分、販売期間が延びて増えた維持費。これらの合計が102万円を超えると、修繕しても現況のまま売るより手取りは減ります。反対に、工事の範囲がはっきりしていて、価格が上がる見込みにも十分な根拠があるなら、修繕後の仲介を選びやすくなります。

4つの売却案を同じ項目で比べる

「修繕後に仲介」「現況のまま仲介」「古家付き土地で仲介」「不動産会社が直接買取」の4案について、次の項目を書き出します。まだ確認できていない費用を0円にせず、「不明」または金額の幅で残してください。

  • 成約予想価格または買取価格と、その根拠
  • 調査・駆除・補修・解体費
  • 売却にかかる費用と、月々の維持費×想定月数
  • 決済のときに一括返済する住宅ローン
  • 税金を含めない概算手取り
  • 決済までの想定期間と、価格が確定する時期
  • 契約後に価格が変わる条件
  • 売却後に売主が負う責任の内容と期間
  • 売主が先に用意するお金
  • まだ調べていないこと、決まっていないこと

概算手取り、決済までの期間、先に必要なお金を横に並べます。手取りが同じでも、価格が変わる条件や売却後の責任が違えば、売主の負担は変わります。

これで売り方の候補は絞れます。ただし、現況仲介や直接買取を選んだだけでは、どの被害を買主が引き受けるのかまでは決まりません。

わかったことと、わからないことを分けて書き残す

シロアリ被害では「告知義務」という言葉がよく使われます。ただ、個人の売主が負う責任は、一つの言葉や条文だけでは決まりません。買主と約束した家の状態、売主が知っていた事実、実際に伝えた内容、契約書の定めの4つを分けて考えます。

「契約不適合責任」とは、引き渡した家が、契約で約束した種類や品質と違っていた場合に、売主が負う責任です。条件がそろえば、買主は修理などの対応、代金の減額、損害賠償、契約の解除を求められます。ただし、シロアリ被害が見つかれば必ずこれらが認められるわけではありません。問題になるのは、契約で約束した状態と、実際に引き渡した状態のずれです。根拠は民法562条から564条です。

「現況有姿」と、責任を負わない特約は同じではない

「現況有姿」は、法律で意味が一つに決まっている言葉ではありません。ふつうは、手を加えず今の状態で引き渡す条件を指します。この一言を入れただけで、契約不適合責任までなくなるわけではありません。

契約書に売主の責任を限定する条項(特約)があっても、知っていながら買主へ伝えなかった事実については、その特約で責任を免れません。

民法572条に定められています。

反対に、過去に痕跡があっただけで、いつまでも同じ責任を負い続けるとも限りません。痕跡の位置や程度、いまの状態、修繕の履歴、契約で約束した品質によって判断は変わります。「もう直ったから伝えなくていい」と売主だけで決めず、わかっている事実を不動産会社へ渡し、告知書と契約書にどう書くかを相談してください。

国土交通省は、トラブルを防ぐため、売主が責任を持って作成した告知書(物件状況報告書)を不動産会社が受け取り、買主へ渡すことが望ましいとしています。「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」53頁に記載があります。

ただし告知書は、すべての個人間売買で使う全国共通の法定書式ではありません。渡しただけで、売却後の責任の範囲が決まるものでもありません。重要な家の状態と責任の範囲は、売買契約書や特約にも具体的に書きます。

シロアリ被害の引き継ぎシートを作る

売主が「軽い被害」「深刻な被害」と評価するより、見つかった事実と、調べていない範囲を分けて書いたほうが、買主は判断しやすくなります。相手によって説明が変わらないよう、1枚のシートにまとめましょう。

項目記入例
見つけた日ときっかけ2026年5月12日。1階洗面室で羽アリを確認
いまの活動6月3日の専門調査で、床下の一部に活動中の個体を確認
確認できた場所洗面室下の土台と大引(床を下から支える横材)。位置図と写真番号1~6を添付
調べられなかった場所浴室下は点検口から入れず未調査。壁の内部も未調査
被害の程度食害あり。木材に残る強度と、補修が必要かは未確認
過去の処理2019年8月にシロアリ予防処理。施工範囲図と領収書あり
今回の駆除・補修どちらも未実施。駆除の見積書と、木材調査の提案書あり
雨漏り・漏水・湿気洗面台の漏水歴なし。床下の湿気の原因は未調査
保証2019年の保証書あり。期間は終了。買主への引き継ぎなし
売却までの変化羽アリ、生息、床の状態に変化があれば日付と写真を追記
シロアリ被害引き継ぎシートの記入例。内容は架空です

「確認できなかった」を「被害なし」と書き換えないことが大切です。

調査報告書、被害の位置図、写真、過去のシロアリ処理・補修の記録、見積書、請求書、保証書をまとめます。工事をした場合は、施工前・施工中・施工後の写真と、使った薬剤・工法・施工範囲も残してください。

保証の有無や範囲は、施工会社によって違います。日本しろあり対策協会も「部分施工と保証書に関するQ&A」「再発時の保証範囲に関するQ&A」で、内容は業者ごとに異なると説明しています。「5年保証が必ず付く」「売却すれば買主へ自動で移る」と思い込まず、実際の保証書で対象、期間、保証されない条件、引き継ぎの条件を確かめてください。

このシートは、買主への説明だけでなく、査定を比べるときにも役立ちます。同じ情報を各社へ渡せば、各社が想定している被害や工事範囲の違いが見え、価格と条件を比べやすくなります。

シロアリ被害のある家を直接買取に出すときの確認項目

直接買取は、不動産会社自身が買主になる売り方です。改修して売り直したり、建て替えたりすることを前提に、駆除・補修前の家を検討する会社もあります。ただし、どの会社でも買い取るわけではなく、価格も条件も会社ごとに違います。

買取価格を「仲介価格の何割」と一律に見積もることはできません。土地と建物の価値、被害の範囲、買ったあとの使い方、工事費、売り直すまでの期間で変わります。引き継ぎシートを渡し、複数社から条件を書面で出してもらってください。

直接買取なら売却後の責任もなくなる、とは限りません。提示額を見る段階で、価格が確定する時期、費用の負担、売主の責任範囲まで確認しましょう。

買取契約の前に確認すること

  • 契約上の買主はどの会社か。別に仲介会社が入るか
  • 提示価格はいつ確定するか。契約の前後の調査で減額される条件は何か
  • シロアリ調査、駆除、木材の補修、解体、残った家具・荷物の処分を誰が負担するか
  • 売主は、売却後に何について、いつまで責任を負うか
  • 調べられなかった場所や、新たな被害が見つかった場合をどう扱うか
  • 手付金を使って契約をやめられる条件、契約違反による解除、融資が通らない場合の解除条件
  • 測量、登記、印紙、仲介手数料などを誰が負担するか
  • 代金の受取日と引渡し日、それまでに状態が変わった場合の連絡方法

宅地建物取引業法40条が特約を制限するのは、不動産会社が売主となり、一般の買主へ売る場合です。個人から不動産会社への買取に、そのまま当てはまる規定ではありません。個人の売主が負う責任の範囲は、契約書で確認します。

直接買取でも、仲介会社が間に入れば仲介手数料がかかることがあります。買主と仲介会社を区別し、費用の明細を確認してください。仲介手数料の仕組みは、国土交通省の「不動産取引に関するお知らせ」で確認できます。

シロアリ被害のある家を売却する6つの手順

やることは多く見えますが、順番は「工事してから査定」ではありません。記録→調査→同じ資料で査定→契約の順です。

1.手を加える前に、今の状態を記録する

羽アリ、蟻道、食害、床の沈みなどを見つけた日と場所を記録し、その場所の全体と、近くから撮った写真を残します。掃除や応急の対応が必要なときも、先に記録してください。安全に不安がある場所へは入らないでください。

2.過去の資料を集める

新築時の図面、過去のシロアリ処理、増改築、漏水・雨漏り、木材の補修に関する資料を探します。保証書だけでなく、施工範囲図、工事明細、写真があると、今回の調査結果と照らし合わせられます。

3.目的に合う調査と見積もりを依頼する

いまも活動しているか、被害はどこまで及んでいるか、調べられなかった場所はどこか。この3点を整理します。建物への影響が疑われるときは、木材の補修が必要かも確認します。調査の報告と工事の提案は分けてもらい、売り方を比べる前に高額な工事を決めないようにします。

4.同じ資料で各社に査定を依頼する

引き継ぎシートと調査報告書を各社へ渡し、修繕後の仲介、現況のままの仲介、古家付き土地、直接買取の条件を出してもらいます。前提が違う査定額は、そのままでは比べられません。

5.概算手取り・期間・契約条件で決める

成約予想価格だけでなく、先に必要なお金、追加負担の上限、決済までの期間、価格が変わる条件、売却後の責任を確認します。

6.事実を契約書に反映し、引渡しまで更新する

告知書を作り、重要な家の状態と責任の範囲を売買契約書や特約に反映します。契約後に羽アリが出た、床の状態が変わった、追加調査で被害が見つかった。こうした変化も、代金を受け取る前に不動産会社と買主へ伝えます。

シロアリ被害がある家の売却でよくある質問

駆除する前に査定を依頼してもよいですか

依頼できます。わかっている状況、過去の処理歴、まだ調べていない場所を伝えてください。工事前の現況査定と、駆除・補修後を想定した査定を分けて出してもらうと、工事にかけたお金を回収できそうか比べられます。

シロアリを駆除せず売ると、どのくらい安くなりますか

一律にはいえません。被害の範囲、建物の強度への影響、土地と建物の価値、買主が予定している工事、販売期間で変わります。現況仲介の成約予想価格と、複数社の買取価格を、それぞれ比べてください。

過去に駆除したことも伝える必要がありますか

過去の被害や駆除歴の扱いは、いまの状態、痕跡の程度、契約内容によって変わるため、一律にはいえません。売主だけで省略を決めず、発生した時期、場所、施工範囲、補修内容、その後の状況を不動産会社へ渡しましょう。告知書と契約書にどう書くかも相談してください。

5年を過ぎたら、必ず再処理が必要ですか

日本しろあり対策協会は、薬剤の有効期間を5年として再処理を勧めていますが、5年を過ぎた直後に被害が出るという意味ではないと説明しています。売却前に一律で再処理と決めず、今回の調査結果、施工会社の仕様、保証書、買主の意向を確認してください。

同じ条件で査定を取り、売却案を比べる

シロアリ被害のある家では、何社に査定を頼んだかよりも、各社が同じ資料と条件を前提にしているかが効いてきます。引き継ぎシート、調査報告書、写真、見積書をそろえ、現況のままの仲介、修繕後の仲介、直接買取を同じ基準で比べてください。

この記事を掲載するリビンマッチと、ここで紹介する一括査定サービスは、どちらもリビン・テクノロジーズ株式会社が運営しています。利用者は無料で使え、運営会社は加盟企業から成果に応じた利用料を受け取ります。査定、買取、成約を保証するサービスではありません。

リビンマッチの不動産売却では、物件情報などを入力すると、条件に合う不動産会社へ最大6社まで査定を依頼できます。依頼できる会社数は、地域、物件の条件、参加会社の状況によって変わります。

不動産会社から連絡が来たら、シロアリ被害とまだ調べていない場所を先に伝え、次の3点を分けて確認します。

  1. 現況のまま仲介する場合の成約予想価格と、想定される販売期間
  2. 駆除・補修後に仲介する場合の成約予想価格と、想定される販売期間
  3. 直接買取に対応できるか。対応できる場合の価格と条件

直接買取を比べたい場合は、リビンマッチの不動産買取から複数の買取会社へ査定を依頼できます。物件や地域によっては、対応できる会社がないこともあります。提示額だけでなく、価格が確定する時期、減額される条件、工事費・解体費の負担、売主の責任範囲を、書面で比べてください。

利用は無料ですが、実際の売買にかかる税金、登記費用、仲介手数料、調査・工事費は別に必要です。リビンマッチは、問い合わせの内容を加盟企業へ転送する仕組みです。

入力した個人情報は、選んだサービスに必要な提携企業へ開示され、その提携先から別の企業へ提供される場合があります。提供先と利用目的は、申込みの前にプライバシーポリシーと利用規約で確認してください。

まとめ

シロアリ被害のある家は売却できます。ただし、先に駆除・補修するのが得だとは限りません。現況のまま仲介する方法も、不動産会社の直接買取も選べます。

  1. いまの活動、被害の範囲、建物への影響、調べていない場所を分ける
  2. 同じ資料で、修繕後の仲介・現況のままの売却・直接買取を比べる
  3. 査定額だけでなく、概算手取り・期間・価格が変わる条件・売却後の責任で決める

「駆除せずに売るか」を先に決める必要はありません。わかったこと、調べていないこと、調べてもわからなかったことを分け、同じ資料で売却案を比べたあとで、工事が必要かを決められます。

参考資料

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