シロアリ被害が見つかった家でも、売却できます。
駆除や補修を終えるまで売買できない、という全国一律の決まりはありません。ただし、把握している被害、過去の処理歴、まだ調べていない場所は不動産会社へ伝え、買主への説明方法と契約書への書き方を相談してください。
工事を先に決める必要もありません。現在の状態を調べ、複数の売却案について、価格・期間・費用・売却後の責任を比べて判断します。
この記事では、シロアリ被害の調べ方、駆除せずに売る方法、工事費を回収できるかの計算、告知書と契約書の注意点を順に説明します。
- 駆除前に売却できるか
- シロアリ被害の調べ方
- 4つの売却案の比べ方
- 工事費を回収できるかの計算
- 告知書と契約書への書き方
生息中なのか、過去の痕跡だけなのかを確認します。
食害の場所と、木材の補修や強度確認の要否を調べます。
修繕後の仲介、現況のままの仲介、古家付き土地、直接買取を比較します。
査定額だけでなく、費用・期間・売却後の責任まで確認します。
個人が所有する中古戸建ての売却を想定しています。分譲マンションで共用部分まで被害が疑われる場合は、管理会社・管理組合へ連絡してください。床や柱の強度に不安がある場合は、無理に立ち入らず、建築士などへ相談してください。
\ まずは、今の状態で査定を受けてみる /
シロアリ被害のある家は、駆除・修繕前でも売却できる
どの売り方を選べるかは、現在の状態、工事に使えるお金、売却の期限で変わります。
状態を見分ける手がかりは2つあります。蟻道(ぎどう)はシロアリが土などでつくるトンネル状の通り道、食害は木材が食べられた跡です。ただし、蟻道や食害を見つけただけでは、現在も活動しているか、被害がどこまで広がっているかまでは確定できません。次の表で、自宅に近い状態を探してください。
| 現在の状態 | 最初に比べる方法 | 先に確認すること |
|---|---|---|
| 羽アリや蟻道を見つけたが、被害かどうかわからない | まず調査し、そのうえで売り方を比べる | 現在の活動、調べた範囲、調べられなかった場所 |
| 活動中のシロアリを確認した | 駆除後の仲介と、現況のままの売却を比べる | 駆除する範囲、木材の傷み、追加調査の要否 |
| 駆除は済んだが、木材は直していない | 補修後の仲介と、現況のままの売却を比べる | 木材に残る強度、補修する範囲、工事費 |
| 駆除・補修とも済んでいる | 記録を整えて仲介を検討する | 工事明細、写真、保証内容、施工後の状況 |
| 築年数が古く、建物の価値がほとんど残っていない見込み | 古家付き土地と、直接買取も比べる | 建物を残す条件、解体費、土地の需要 |
| 期限があり、工事費を先に用意しにくい | 現況のままの仲介と、直接買取を比べる | 代金の受取日、減額される条件、売却後の責任 |
ここで、駆除と補修は分けて考えてください。シロアリを駆除しても、食べられて傷んだ土台や柱が元に戻るわけではありません。反対に、蟻道や食害が見つかったからといって、必ず大がかりな補修が必要になるとも限りません。
工事を決める前に、シロアリ被害を3つの観点から調べる
調査で確かめたいのは、シロアリがいるかどうかだけではありません。次の3点を分けて確認し、どこまで確かめられたのかを記録に残します。
- 現在の活動
シロアリが現在も生きているのか、それとも過去の痕跡か - 被害の範囲
どの場所に、どの程度の食害や木材の腐れがあるのか - 建物への影響
木材の補修や、残存強度の確認が必要か
シロアリ調査と建物状況調査(インスペクション)は役割が違う
シロアリの専門調査では、生息の有無、蟻道、食害、床下の湿気などを確認します。ただし、一般的な無料点検、施工会社の調査、専門制度に基づく検査では、調査項目や報告書の内容が異なります。何を調べる契約なのかを、依頼前に確認してください。
日本しろあり対策協会の「蟻害・腐朽検査制度」では、協会認定の蟻害・腐朽検査士が、目視、打診、触診、圧入検査などの非破壊検査を基本に、シロアリ、腐朽、カビ、湿気・通風状態などを調べます。隠れた被害が疑われる場合は、任意で仕上げ材をはがす局部的な2次検査や、被害材の残存強度を推定する3次検査へ進む仕組みです。
一方、「建物状況調査(インスペクション)」は、国の登録を受けた既存住宅状況調査技術者講習を修了した建築士が、国の基準に沿って行う中古住宅の調査です。木造住宅では、構造耐力上主要な部分に著しい蟻害がないかも確認します。ただし、調べるのは原則として壊さずに目で見られる範囲です。
点検口のない床下、壁や床の仕上げ材の裏、家具で隠れた場所などは、確認できないことがあります。その場合は、報告書に「調査できなかった」と記載されます。建物状況調査は耐震診断ではなく、不具合が一つもないことを保証する調査でもありません。
知りたいことによって、頼む相手も、受け取る資料も変わります。シロアリの活動や駆除範囲を知りたいのか、建物全体の劣化状況を確認したいのか、傷んだ木材に残る強度や補修方法まで判断したいのかを分けましょう。
| 確認したいこと | 主な相談先 | 受け取る資料 |
|---|---|---|
| 生息、種類、蟻道、食害、駆除の範囲 | シロアリ・木材の腐れを調べる専門事業者 | 写真付き報告書、調査範囲図、調べられなかった場所の一覧 |
| 建物全体の劣化状況 | 建物状況調査を行える建築士 | 建物状況調査報告書 |
| 木材の残存強度、補修の方法と費用 | 建築士、施工会社 | 補修案、図面、見積書 |
| 雨漏り、漏水、湿気の原因 | 原因に対応できる専門事業者 | 原因調査報告書、修繕見積書 |
ただし、調査は多いほどよいとは限りません。売り方や見積もりを左右しそうな、まだ確認できていない点から順に調べます。一般的な建物状況調査とは別に、シロアリについて専門事業者の調査が必要になることもあります。
シロアリ駆除の見積書は「駆除」と「補修」を分けてもらう
同じ「床下工事」という言葉でも、中身は別の作業です。調査、駆除、予防、薬剤を注入するための穴あけと復旧、木材の補修、湿気や漏水の対策。総額だけを見ても、売却前にどこまでやるべきかは判断できません。
各社の提案が同じ工事を指しているかどうかは、次の項目がそろって初めて確かめられます。見積書には、少なくともこれらを入れてもらってください。
- 調査した範囲と、入れなかった場所
- シロアリの種類と、活動中・過去・不明のどれか
- 施工面積の数え方
- 駆除する範囲と、予防する範囲
- 薬剤・工法と、穴あけ・復旧の費用
- 食べられた木材を直す費用
- 雨漏り、漏水、湿気の原因を直す工事費
- 保証の対象・期間・保証されない条件・買主へ引き継げるかどうか
- 税込みの総額と、追加費用が発生する条件
駆除費や補修費は、建物の広さ、工法、被害の場所、補修内容で変わります。全国一律の目安額や値下がり率を自宅へ当てはめず、調査結果に基づく見積もりで比べてください。
無料のシロアリ点検は、その日のうちに工事契約まで決めない
調査は必要です。ただ、調査を受けたその日に工事まで決める必要はありません。床下は所有者が自分で確かめにくく、見せられた写真と説明だけでは、提案が妥当かどうかを判断しにくいからです。
「今なら無料で点検します」などと言って点検を承諾させ、その後に不安をあおって工事などを契約させる手口は、点検商法と呼ばれます。無料点検そのものではなく、調査内容を確認できないまま高額な契約を急がされることに注意してください。
写真だけで工事を決めず、撮影場所がわかる平面図、調査した範囲、調べられなかった場所、判断の根拠を報告書にしてもらいましょう。工事を頼むときも、駆除と補修の見積もりを分けてもらえば、他社の提案と比べやすくなります。
調査結果が出たからといって、次にやることが必ず駆除・補修になるわけではありません。ここで初めて、工事をする案と、現状のまま引き渡す案を、同じ条件で比べられます。
\ 工事する案としない案を比べる /
シロアリを駆除せず、現況のまま家を売る2つの方法
駆除せずに売る方法は、大きく2つあります。現在の状態で一般の買主を探す現況のままの仲介と、不動産会社自身が買主になる直接買取です。修繕してから仲介する案と、古家付き土地として仲介する案も加えて、4つを並べて比べます。
| 売り方 | 向きやすい状況 | 先にかかる費用・時間 | 契約前の要点 |
|---|---|---|---|
| 駆除・必要な補修をしてから仲介 | 工事範囲がはっきりしていて、費用を上回る価格上昇を見込める | 調査費・工事費と、工事・販売にかかる期間 | 追加工事、成約予想価格、保証内容 |
| 現況のまま仲介 | 状態を理解し、自分で直せる買主を探せる | 必要な調査費と、販売中の維持費 | 被害、未確認箇所、修繕の負担、売主の責任 |
| 古家付き土地として仲介 | 土地の需要があり、建物の価値が小さい | 必要な調査費と、販売中の維持費 | 建物を含む売買であること、解体費と残置物の負担 |
| 不動産会社の直接買取 | 工事のお金や時間をかけにくい | 会社ごとに異なる | 価格が確定する時期、減額条件、売却後の責任 |
現況のまま売っても、駆除や補修の問題が消えるわけではありません。工事の負担と、まだ調べていない部分の不確かさを買主へ引き継ぎ、その分を価格と契約条件に反映する方法です。
「古家付き土地」として売り出しても、建物が売買の対象から自動的に外れるわけではありません。被害を伝えなくてよくなるかどうか、売却後の責任をどこまで負うかも、この表示だけでは決まりません。建物をどのような状態で引き渡し、解体費や残った家具・荷物の処分費を誰が負担するのかは、契約書で決めます。
解体して更地にする方法もありますが、先に壊す必要はありません。解体費を回収できるほど土地が売りやすくなるのか、建物を使いたい買主を逃さないか。建物付きの査定と、更地にした場合の査定を両方取ってから決めてください。
\ 解体を決める前に、現況の査定額を知る /
シロアリ駆除・補修をするかは「概算手取り」で決める
修繕後の査定額が高く出ても、工事費と時間をかけた結果、手元に残るお金がほとんど増えないことがあります。比べるのは査定額だけではなく、費用を差し引いたあとの概算手取りです。
計算するときは、決済日に売却代金から差し引かれる金額と、売却までに先に支払う金額を分けます。
成約予想価格または買取価格
- 決済時に支払う工事費等の残金
- 売却にかかる費用
- 決済予定日の住宅ローン一括返済額
すでに支払った調査・駆除・補修・解体費と、売れるまでの固定資産税、保険料、光熱費、庭や建物の管理費などは、「売却までの持ち出し」として別に合計します。決済時の概算手取りからこの持ち出しを引けば、各案を比べるための概算額がわかります。
住宅ローンは、現在の残高ではなく、同じ決済予定日の一括返済額を金融機関へ確認してください。決済までに支払う毎月の返済も含めて総合的な負担を比べる場合は、元金返済によって一括返済額が減る関係を確認し、同じ金額を二重に差し引かないようにします。
仲介の査定額は、その値段で売れることを保証するものではありません。「売出価格」だけでなく、成約予想価格・想定する販売期間・価格の根拠を出してもらいます。買取なら、査定後の調査で価格が変わる条件まで、書面で確認してください。
シロアリ駆除・補修費を売却価格で回収できるか計算する
修繕で手取りが増えるかどうかは、査定額の差から工事費と追加費用を引くと見えてきます。
修繕後の成約予想価格
- 現況のままの成約予想価格
- 調査・駆除・補修費
- 修繕によって増える売却費用・維持費
次は計算方法を示す架空の例です。シロアリ被害のある家の相場ではありません。どちらの案も住宅ローン残高は同じとし、税金は含めていません。
- 現況のままの成約予想価格:1,700万円
- 修繕後の成約予想価格:2,000万円
- 調査・駆除・補修費:180万円
- 修繕によって増える売却費用・維持費:18万円
2,000万円-1,700万円-180万円-18万円=102万円
この102万円が、修繕によって生まれる余裕の目安です。追加工事、予想より安く売れた分、販売期間が延びて増えた維持費の合計が102万円を超えると、修繕しても現況のまま売るより手取りは減ります。
工事を決める前に、成約予想価格を幅で出してもらい、工事費も追加費用を含む上限額を確認してください。価格の下限と工事費の上限を使っても手取りが増えるなら、修繕後の仲介を選びやすくなります。
\ 回収できるかは、2つの査定額で決まる /
シロアリ被害の家で選べる4つの売却案を同じ項目で比べる
「修繕後に仲介」「現況のまま仲介」「古家付き土地で仲介」「不動産会社が直接買取」の4案について、次の項目を書き出します。まだ確認できていない費用を0円にせず、「不明」または金額の幅で残してください。
- 成約予想価格または買取価格と、その根拠
- 調査・駆除・補修・解体費
- 売却にかかる費用と、月々の維持費×想定月数
- 決済予定日の住宅ローン一括返済額
- 決済時の概算手取りと、売却までの持ち出し
- 決済までの想定期間と、価格が確定する時期
- 契約後に価格が変わる条件
- 売却後に売主が負う責任の内容と期間
- 売主が先に用意するお金
- まだ調べていないこと、決まっていないこと
概算手取り、決済までの期間、先に必要なお金を横に並べます。手取りが同じでも、価格が変わる条件や売却後の責任が違えば、売主の負担は変わります。
これで売り方の候補は絞れます。ただし、現況のままの仲介や直接買取を選んだだけでは、どの被害を買主が引き受けるのかまでは決まりません。
シロアリ被害は告知書と契約書に反映し、責任範囲を決める
シロアリ被害では「告知義務」という言葉がよく使われます。ただし、個人の売主向けに、すべての売買で共通して使う全国一律の法定告知書があるわけではありません。
一方で、わかっている被害を伝えず、契約で約束した状態と異なる家を引き渡せば、契約不適合責任などが問題になる可能性があります。買主と約束した家の状態、売主が知っていた事実、実際に伝えた内容、契約書の定めの4つを分けて考えます。
「契約不適合責任」とは、引き渡した家が、契約で約束した種類や品質と違っていた場合に売主が負う責任です。契約内容と法定要件を満たす場合、買主は修理などの対応、代金の減額、損害賠償、契約の解除を求めることがあります。
シロアリ被害が見つかれば必ずこれらがすべて認められるわけではありません。問題になるのは、契約で約束した状態と、実際に引き渡した状態のずれです。民法562条から564条などをもとに、個別の契約内容と状況から判断されます。
買主が責任を問える期間にも決まりがあります。種類や品質が契約の内容と違っていた場合、買主がそれを知った時から1年以内に売主へ通知しなければ、修理や代金の減額などを求められなくなります(民法566条)。
ただし、売主が引渡しの時に不適合を知っていた場合や、重大な過失で知らなかった場合は、この期間の制限を受けません。売主が責任を負う期間は、売買契約書で別に取り決めることもできます。
「現況有姿」でも、シロアリ被害の責任がなくなるとは限らない
「現況有姿」は、一般に、手を加えず現在の状態で引き渡す条件を示すために使われる表現です。この一言を入れただけで、契約不適合責任や説明すべき事項まで自動的になくなるわけではありません。
契約書に売主の責任を限定する条項があっても、売主が知っていながら買主へ伝えなかった事実については、その特約によって責任を免れることができません。民法572条に定められています。
反対に、過去に痕跡があっただけで、いつまでも同じ責任を負い続けると一律に決まるものでもありません。痕跡の位置や程度、現在の状態、駆除・補修の履歴、買主へ渡した資料、契約で約束した品質によって判断は変わります。
「もう直ったから伝えなくてよい」と売主だけで決めず、わかっている事実と資料を不動産会社へ渡し、告知書と契約書にどう反映するかを相談してください。
告知書(物件状況報告書)は、売主が知っている建物の状態や修繕歴などを整理し、買主へ伝えるために使われます。ただし、告知書を渡しただけで売却後の責任範囲まで自動的に決まるわけではありません。重要な建物の状態、未確認箇所、売主と買主の負担、責任を負う範囲と期間は、売買契約書や特約にも具体的に記載します。
シロアリ被害の引き継ぎ資料に、事実と未確認を分けて書く
売主が「軽い被害」「深刻な被害」と評価するより、見つかった事実と、調べていない範囲を分けて書いたほうが、買主は判断しやすくなります。相手によって説明が変わらないよう、1枚の資料にまとめましょう。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 見つけた日ときっかけ | 2026年5月12日 1階洗面室で羽アリを確認 |
| 現在の活動 | 6月3日の専門調査で、床下の一部に活動中の個体を確認 |
| 確認できた場所 | 洗面室下の土台と大引(床を下から支える横材) 位置図と写真番号1〜6を添付 |
| 調べられなかった場所 | 浴室下は点検口から入れず未調査 壁の内部も未調査 |
| 被害の程度 | 食害あり 木材に残る強度と、補修が必要かは未確認 |
| 過去の処理 | 2019年8月にシロアリ予防処理 施工範囲図と領収書あり |
| 今回の駆除・補修 | どちらも未実施 駆除の見積書と、木材調査の提案書あり |
| 雨漏り・漏水・湿気 | 洗面台の漏水歴なし 床下の湿気の原因は未調査 |
| 保証 | 2019年の保証書あり 期間は終了 買主への引き継ぎなし |
| 売却までの変化 | 羽アリ、生息、床の状態に変化があれば日付と写真を追記 |
調査報告書、被害の位置図、写真、過去のシロアリ処理・補修の記録、見積書、請求書、保証書をまとめます。工事をした場合は、施工前・施工中・施工後の写真と、使った薬剤・工法・施工範囲も残してください。
保証の有無や範囲は、施工会社によって違います。部分的な施工では保証書が発行されない場合もあり、再発時にどこまで無償対応するかも、会社や契約内容によって変わります。
「5年保証が必ず付く」「売却すれば買主へ自動で移る」と思い込まず、実際の保証書で対象、期間、保証されない条件、所有者が変わった場合の扱いを確かめてください。
この資料は、買主への説明だけでなく、査定を比べるときにも役立ちます。同じ情報を各社へ渡せば、各社が想定している被害や工事範囲の違いが見え、価格と条件を比べやすくなります。
\ 引き継ぎ資料の内容を各社に伝える /
シロアリ被害のある家を直接買取に出すときの確認項目
直接買取は、不動産会社自身が買主になる売り方です。改修して売り直したり、建て替えたりすることを前提に、駆除・補修前の家を検討する会社もあります。ただし、どの会社でも買い取るわけではなく、価格も条件も会社ごとに違います。
買取価格を「仲介価格の何割」と一律に見積もることはできません。土地と建物の価値、被害範囲、買ったあとの使い方、工事費、売り直すまでの期間で変わります。引き継ぎ資料を渡し、複数社から条件を書面で出してもらってください。
直接買取なら売却後の責任もなくなる、とは限りません。提示額を見る段階で、価格が確定する時期、費用の負担、売主の責任範囲まで確認しましょう。
シロアリ被害を伝えたうえで、買取契約の前に確認する8項目
買取会社ごとに価格と契約条件が違うため、次の8点は口頭ではなく書面で押さえます。
- 契約上の買主はどの会社か。別に仲介会社が入るか
- 提示価格はいつ確定するか。契約の前後の調査で減額される条件は何か
- シロアリ調査、駆除、木材の補修、解体、残った家具・荷物の処分を誰が負担するか
- 売主は、売却後に何について、いつまで責任を負うか
- 調べられなかった場所や、新たな被害が見つかった場合をどう扱うか
- 手付金による解除、契約違反による解除、融資利用特約がある場合の解除条件
- 測量、登記、印紙、仲介手数料などを誰が負担するか
- 代金の受取日と引渡し日、それまでに状態が変わった場合の連絡方法
宅地建物取引業法40条が売主の責任を制限する特約について規制するのは、宅建業者が自ら売主となり、買主が宅建業者ではない場合です。個人から不動産会社への買取に、そのまま適用される規定ではありません。個人の売主が負う責任の範囲は、契約書で確認します。
不動産会社が買主となる直接取引で、別の会社が仲介に入らなければ、通常は仲介手数料は発生しません。ただし、別の仲介会社が間に入り、媒介契約に基づいて取引する場合は、仲介手数料がかかることがあります。買主と仲介会社を区別し、仲介手数料の仕組みと費用明細を確認してください。
シロアリ被害が見つかってから売却するまでの6ステップ
やることは多く見えますが、順番は「工事してから査定」ではありません。記録→調査→同じ資料で査定→契約の順です。
手を加える前に、シロアリ被害の現状を写真で記録する
羽アリ、蟻道、食害、床の沈みなどを見つけた日と場所を記録し、その場所の全体と、近くから撮った写真を残します。掃除や応急対応が必要なときも、先に記録してください。
安全に不安がある場所へは入らないでください。
過去のシロアリ処理と補修の資料を集める
新築時の図面、過去のシロアリ処理、増改築、漏水・雨漏り、木材の補修に関する資料を探します。
保証書だけでなく、施工範囲図、工事明細、写真があると、今回の調査結果と照らし合わせられます。
目的に合うシロアリ調査と見積もりを依頼する
現在も活動しているか、被害はどこまで及んでいるか、調べられなかった場所はどこか。この3点を整理します。建物への影響が疑われるときは、木材の残存強度や補修の要否も確認します。
調査結果と工事提案は分けてもらい、売り方を比べる前に高額な工事を決めないでください。
同じ資料で複数の不動産会社に査定を依頼する
引き継ぎ資料と調査報告書を各社へ渡し、修繕後の仲介、現況のままの仲介、古家付き土地、直接買取の条件を出してもらいます。前提が違う査定額は、そのままでは比べられません。
概算手取り・期間・契約条件で売却方法を決める
成約予想価格だけでなく、先に必要なお金、追加負担の上限、決済までの期間、価格が変わる条件、売却後の責任を確認します。
シロアリ被害を告知書と契約書に反映し、引渡しまで更新する
告知書を作り、重要な建物の状態、未確認箇所、売主と買主の負担、責任範囲を売買契約書や特約に反映します。
契約後に羽アリが出た、床の状態が変わった、追加調査で被害が見つかった。こうした変化も、決済・引渡しの前に不動産会社と買主へ伝えます。
\ STEP4の査定依頼はここから /
シロアリ被害のある家の売却でよくある質問
査定を依頼する時期、価格への影響、過去の駆除歴の扱い、再処理の要否についての質問に答えます。
シロアリ被害の資料をそろえ、同じ条件で査定を比べる
シロアリ被害のある家では、各社が同じ資料と条件を前提にしていなければ、査定額を並べても比べられません。引き継ぎ資料、調査報告書、写真、見積書をそろえ、現況のままの仲介、修繕後の仲介、直接買取を同じ基準で比べてください。
この記事を掲載するサイトと、ここで紹介するリビンマッチは、いずれもリビン・テクノロジーズ株式会社が運営しています。利用者は無料で使え、運営会社は加盟企業から成果に応じた利用料を受け取る仕組みです。不動産会社への査定・相談依頼を取り次ぐサービスであり、買取や成約そのものを約束するものではありません。
リビンマッチの不動産売却では、物件情報などを入力すると、条件に合う不動産会社へ最大6社まで査定を依頼できます。依頼できる会社数は、地域、物件の条件、参加会社の状況によって変わります。
不動産会社から連絡が来たら、シロアリ被害とまだ調べていない場所を先に伝え、次の3点を分けて確認します。
- 現況のまま仲介する場合の成約予想価格と、想定される販売期間
- 駆除・補修後に仲介する場合の成約予想価格と、想定される販売期間
- 直接買取に対応できるか。対応できる場合の価格と条件
\ この3点を聞くために、まず査定を依頼する /
直接買取を比べたい場合は、リビンマッチの不動産買取から複数の買取会社へ査定を依頼できます。物件や地域によっては、対応できる会社がないこともあります。提示額だけでなく、価格が確定する時期、減額される条件、工事費・解体費の負担、売主の責任範囲を、書面で比べてください。
利用は無料ですが、実際の売買にかかる税金、登記費用、仲介手数料、調査・工事費は別に必要です。リビンマッチは、入力した問い合わせ内容を条件に合う加盟企業へ提供する仕組みです。
入力した個人情報は、選んだ不動産関連サービスの提供に必要な提携企業へ開示され、その提携企業から販売会社、フランチャイズ加盟店、サービス提供企業などへ再提供される場合があります。提供先と利用目的は、申込みの前にプライバシーポリシーと利用規約で確認してください。
シロアリ被害のある家は、調べてから売り方を決める
シロアリ被害のある家は売却できます。ただし、先に駆除・補修するのが得だとは限りません。現況のまま仲介する方法も、不動産会社の直接買取も選べます。
- 現在の活動、被害の範囲、建物への影響、調べていない場所を分ける
- 同じ資料で、修繕後の仲介・現況のままの売却・直接買取を比べる
- 査定額だけでなく、概算手取り・期間・価格が変わる条件・売却後の責任で決める
「駆除せずに売るか」を先に決める必要はありません。
わかったこと、調べていないこと、調べてもわからなかったことを分け、同じ資料で売却案を比べたあとで、工事が必要かを決められます。
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出典
e-Gov法令検索「民法」
e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」
国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(令和8年4月1日施行版)」
国土交通省「既存住宅状況調査方法基準の解説」
国土交通省「宅地建物取引業法における建物状況調査に関するQ&A」
国土交通省「不動産取引に関するお知らせ」
公益社団法人日本しろあり対策協会「蟻害・腐朽検査制度」
公益社団法人日本しろあり対策協会「部分施工と保証書に関するQ&A」
公益社団法人日本しろあり対策協会「再発時の保証範囲に関するQ&A」
公益社団法人日本しろあり対策協会「5年間の保証がついていますが、5年経ったら必ず再施工しなければならないのでしょうか。」
国民生活センター「【用語解説】点検商法とは何か。」(更新日:2026年3月24日)
リビン・テクノロジーズ株式会社「サービス概要」
リビンマッチ「不動産売却」(更新日:2025年10月8日)
リビンマッチ「不動産買取」
リビンマッチ「個人情報の取り扱いについて」
リビンマッチ「利用規約」

