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家の売却で手取りはいくら?手元に残る金額の計算方法と目安

今の家が3,000万円で売れるとして、次の家の頭金にはいくら回せるのでしょうか。

住宅ローンが1,500万円残っていれば、その全額が引き渡しの日に返済へ回ります。さらに仲介手数料や印紙税などの諸費用が106万8,000円ほど。手元に残る金額、つまり手取りは約1,393万円になります。

売却価格がそのまま口座に入るわけではありません。

ただし何がいくら引かれるかのルールさえ分かれば、査定を受ける前でも自分の家の手取りを計算できます。この記事では、計算に必要な数字と、売却価格別の目安をまとめました。

この記事を読むとわかること
  • 売却価格から何がいくら引かれるか
  • 仲介手数料や印紙税の金額
  • 売却代金のほかに受け取れるお金と、その入金時期
  • 2,000万円〜4,000万円の不動産を売却した時の手取り
  • 査定を受ける前に確認しておくこと

※本記事の税制・法令に関する情報は2026年8月時点のものです。

目次

家の売却で手取りが売却価格より少なくなる?

家の売却で手取りが売却価格より少なくなると聞いたことはありませんか?

例えば、住宅ローンを完済した家が3,000万円で売れても、受け取れるのは約2,893万円です。差額の約107万円は、仲介手数料や税金の支払いに充てられます。ローンが残っていれば、その残債も引いた額が手取りになります。

この仕組みについて詳しく解説していきます。

引かれるお金は3つのタイミングに分かれる

売買契約で決めた金額は、買主が支払う総額です。売主が受け取る金額とは違います。

差し引かれるお金は、一度に出ていくわけではありません。契約のとき、引き渡しのとき、売却した翌年の3回に分かれます。

タイミング引かれるお金
売買契約のとき印紙税
引き渡し・決済のとき仲介手数料、抵当権抹消の登録免許税、司法書士報酬、住宅ローン残債
売却した翌年所得税・住民税(譲渡益が出た場合)

決済日に振り込まれた金額を見て安心すると、翌年の納税で足りなくなることがあります。次の家にいくら出せるかは、売却価格ではなく、税金まで引いた後の手取りで考えます。

手取り・手残り・手元に残る金額は同じ意味

査定を依頼すると、会社によって使う言葉が変わります。手残り、手元に残る金額、手取り。どれも売却価格から必要な支出を引いた後、売主が自由に使えるお金のことです。違う言葉が出てきても、同じものだと考えて構いません。

いくら減るかは住宅ローンの残債で決まる

住宅ローンの残債は、交渉でも特例でも減らせません。借りた金額を返すだけだからです。一方で仲介手数料は交渉でき、税金は特例で抑えられます。

自分の手取りを知るために調べることは3つあります。

  • 住宅ローンの残債がいくらあるか
  • 売却で利益(譲渡益)が出るかどうか
  • 土地の測量や建物の解体が必要かどうか

残債は、借入先から届く返済予定表に載っています。測量や解体が要るかどうかは、隣地との境界と建物の状態を見れば判断できます。

残る1つ、譲渡益が出るかどうかは、いくらで売れるかが決まらないと判定できません。査定を受けて、自分の家に付く値を確かめるところからです。

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※2025年9月19日-23日 「サイト評価に関する調査」より

家を売却したときの手取りは計算できる!引かれる4つのお金

必要な数字さえ揃えば計算できます。式は次の形です。

手取り=売却価格-①売却諸費用-②売却時に納める税金-③譲渡益にかかる税金-④住宅ローン残債+精算金や返戻金

引かれるお金は4つ。ここに精算金や返戻金を足せば、自分の家の手取りが出ます。

①仲介手数料などの売却諸費用

売却諸費用の中心は、不動産会社に支払う仲介手数料です。

不動産会社が受け取れる仲介手数料には、法律上の上限があります。売買代金を区分に分け、それぞれに決められた率を掛けて合計する仕組みです。上限は税込で3段階。200万円以下の部分が5.5%、200万円を超え400万円以下の部分が4.4%、400万円を超える部分が3.3%です。

※ 国土交通省の告示は、代理の上限を100分の11・8.8・6.6と定め、仲介の上限をその2分の1としています。

諸費用にはこのほか、司法書士への報酬や引っ越し費用も含まれます。物件の状態によっては、測量や解体の費用が加わることもあるでしょう。

②印紙税や登記費用など売却時に納める税金

売却の手続きそのものにかかる税金は2種類です。

1つは印紙税。売買契約書に収入印紙を貼る形で納めます。

もう1つは登録免許税です。売主が納めるのは、住宅ローンの抵当権を外す抹消登記の分だけになります。

所有権を売主から買主に移す登記にも登録免許税がかかります。ただしこちらは慣行として買主が負担します。売主の手取り計算には入れません。ここを混同すると、手取りを実際より少なく見積もることになります。

(参考)個人がマイホームを売る場合は消費税がかからない

売買代金に消費税は上乗せされません。

消費税が課税されるのは、事業者が事業として対価を得て行う取引です。個人が生活のために使っていた資産を売る行為は、事業として行う取引にあたりません。土地についてはさらに明確で、譲渡そのものが非課税取引と定められています。

一方で、不動産会社に支払う仲介手数料には消費税がかかります。上限が税込で決められているのはそのためです。「代金は非課税、手数料は課税」と覚えておくと混乱しません。

③譲渡益が出た場合の所得税と住民税

売却で利益が出たときだけ、所得税と住民税がかかります。損失なら課税されません。

課税されるのは売却価格ではなく譲渡所得

課税の対象は、売れた金額そのものではありません。次の式で求めた譲渡所得です。

課税譲渡所得=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額

取得費は、その家を買ったときの代金や購入手数料の合計。建物部分については、所有していた期間の減価償却費相当額を差し引いて計算します。譲渡費用には仲介手数料や売主が負担した印紙税が含まれます。一方で修繕費や固定資産税は、資産の維持管理のための費用にあたるため譲渡費用になりません。

購入時の契約書が見つからず取得費が分からない場合は、売った金額の5%を取得費として扱えます。3,000万円で売却したなら150万円です。実際の取得費がこれを下回るときも同じ扱いになります。

ただし取得費が小さくなるほど、譲渡所得は膨らみます。3,000万円で売った家の取得費が150万円なら、譲渡所得は約2,743万円になります。マイホームであれば3,000万円特別控除で課税を避けられる金額です。ただし控除の要件を満たさない物件では、この全額に税金がかかります。契約書以外の資料で取得費を示せる場合もあります。詳しくは取得費が分からないときの調べ方で扱っています。

所有期間5年を境に税率が変わる

所有期間が5年を超えていれば、長期譲渡所得として所得税15%・住民税5%が適用されます。

判定の基準日に注意が必要です。取得した日から売った日までを数えるのではありません。譲渡した年の1月1日時点で5年を超えているかどうかで判定します。2021年6月に買った家を2026年8月に売る場合、実際の保有は5年2か月。しかし2026年1月1日時点では4年7か月です。長期には該当しません。

このほか、平成25年から令和19年までは復興特別所得税がかかります。税額は基準所得税額の2.1%です。

3,000万円特別控除など税額を抑える特例

マイホームを売ったときは、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。所有期間の長短は問われません。住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが条件です。前年と前々年に同じ特例を受けていないことも求められます。

所有期間が10年を超えていれば、軽減税率の特例も使えます。課税長期譲渡所得のうち6,000万円以下の部分について、所得税が10%になる仕組みです。3,000万円特別控除と重ねて受けられます。

相続した家を売る場合には、相続空き家の3,000万円特別控除や、取得費加算の特例が用意されています。いずれも適用には細かい条件があります。要件を満たすかどうかは個別に確認が必要です。各特例の詳しい条件は不動産売却にかかる費用の内訳と抑え方で整理しています。

④住宅ローンの残債と完済にかかる費用

住宅ローンの残債は、費用ではありません。もともと返すべき借金です。

ただし手取りの計算では、費用と同じように差し引きます。抵当権が付いたままの家は買主に引き渡せないためです。引き渡しの日に売却代金でローンを一括返済し、同時に抵当権を外す。この流れが標準になります。

金融機関によっては、一括返済に手数料がかかります。返済手続きの進め方や、残債が売却価格を上回る場合の対処は住宅ローンが残っている家を売る方法で詳しく扱っています。

家の売却でかかる費用の内訳と金額の目安

仲介手数料は売買代金、印紙税は契約金額、抹消登記は不動産の個数。この3つが分かれば、費用の大半は計算できます。

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費用金額の決まり方かかる条件
仲介手数料売買代金を区分に分けた率必ずかかる
印紙税契約書に書かれた契約金額必ずかかる
抵当権抹消の登録免許税不動産1個につき1,000円住宅ローンが残っている場合
司法書士報酬依頼先ごとの料金登記を依頼する場合
測量費・解体費土地の広さや建物の状態境界が未確定、または建物を壊す場合
引っ越し費用荷物の量と移動距離住みながら売る場合

仲介手数料の上限と、800万円以下の物件に適用される特例

仲介手数料は、売買代金を区分に分けて計算します。3,000万円の家なら次の通りです。

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代金の区分上限率(税込)金額
200万円以下の部分5.5%11万円
200万円超400万円以下の部分4.4%8万8,000円
400万円を超える部分(2,600万円)3.3%85万8,000円
合計105万6,000円

不動産業界では「売買代金の3%+6万円に消費税」という速算式が使われます。3,000万円なら96万円の1.1倍で105万6,000円。区分計算と同じ結果になります。

売買代金が800万円以下の物件には、別の扱いがあります。不動産会社は、通常の計算方法で出した金額を超える報酬を受け取れます。告示ではこれを「低廉な空家等の売買」と呼びます。ただし空き家である必要はありません。宅地や建物の使用の状態は問われないと定められています。

適用する場合、不動産会社は媒介契約(仲介を依頼する契約)を結ぶ前に報酬額を説明し、依頼者の合意を得る必要があります。契約後に金額を知らされることはありません。

印紙税と抵当権抹消登記にかかる費用(司法書士報酬を含む)

印紙税の額は、契約金額で段階的に決まります。令和9年3月31日までに作成される契約書なら、軽減措置の対象です。

契約金額印紙税額(軽減後)
100万円超500万円以下1,000円
500万円超1,000万円以下5,000円
1,000万円超5,000万円以下1万円
5,000万円超1億円以下3万円
1億円超5億円以下6万円

抵当権抹消の登録免許税は、不動産1個につき1,000円。戸建てなら土地1個と建物1個で、合計2,000円になります。

ここで見落としやすいのが私道です。前面道路に持分を持っている場合、その筆の数だけ不動産の個数が増えます。土地2筆と建物1棟なら3,000円。登記簿で筆の数を確かめておくと確実です。

登記の手続きを司法書士に依頼する場合は、別途報酬が発生します。金額は依頼先によって異なります。見積もりの段階で確認しておくと安心です。

測量・解体・ハウスクリーニングなど状況で発生する費用

物件の状態によって、追加で発生する費用があります。

  • 隣地との境界が確定していない場合の測量費
  • 建物を取り壊して土地として売る場合の解体費
  • 室内を清掃してから引き渡す場合のハウスクリーニング費
  • 引っ越し費用

このうち建物の取壊し費用は、譲渡費用として認められています。譲渡所得の計算で差し引けます。一方で売却前に行った修繕は、維持管理のための費用として扱われます。譲渡費用にはなりません。

費用の合計はいくら見込んでおけばいい?

必ずかかるのは、仲介手数料と印紙税の2つ。住宅ローンが残っていれば抵当権抹消の登録免許税が加わります。

3,000万円の戸建てで残債がある場合、この3つだけで106万8,000円ほど。ここに司法書士報酬と引っ越し費用が上乗せされます。測量や解体が加われば、ここに数十万円が積み上がります。

費用ごとの詳しい内訳や、抑えるための工夫は不動産売却にかかる費用の内訳と抑え方にまとめています。

費用の額は売却価格で決まります。自分の家がいくらで売れるかが分かれば、この表に当てはめて計算できます。

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売却代金のほかに受け取れるお金と入金の時期

売主が受け取れるお金は、売却代金のほかにもあります。固定資産税の精算金と、火災保険や住宅ローン保証料の返戻金です。計算に入れておけば、手取りはその分だけ増えます。

固定資産税と都市計画税の日割り精算

固定資産税と都市計画税は、その年の分をまとめて所有者が納めます。年の途中で家を売れば、引き渡した後の期間まで売主が負担している状態になります。

そこで実務では、引渡日を境に日割りで精算する取り扱いが一般的です。買主が負担すべき分を、引き渡しの日に売主へ支払う形になります。

ただしこれは法律で決まったものではありません。売買契約の条件として当事者間で取り決めます。起算日を1月1日とするか4月1日とするかは地域によって慣行が異なります。契約前に不動産会社へ確認しておきたい点です。

火災保険や住宅ローン保証料の返戻金

売却にあわせて解約する保険や、繰上返済する住宅ローンからも、お金が戻ることがあります。

火災保険を長期契約で一括払いしている場合、解約すると未経過期間に応じた返戻金を受け取れることがあります。住宅ローンの保証料を一括前払いしている場合も同じです。繰上返済によって、残りの期間分が戻る仕組みになっている商品があります。

戻る額は、加入している商品と残りの期間で決まります。保険会社や金融機関に問い合わせれば、解約時の返戻額を教えてもらえます。売却を決めた段階で聞いておけば、次の家の予算に入れておけるでしょう。

受け取れるお金はいつ手元に入る?

精算金と返戻金は、受け取るタイミングが違います。

受け取れるお金入金の時期
固定資産税・都市計画税の精算金決済日に売却代金と一緒に
火災保険の返戻金解約手続きの後
住宅ローン保証料の返戻金繰上返済の手続き後

固定資産税の精算金は、引き渡しの日に売却代金と一緒に受け取ります。手取りにそのまま加算される形です。一方で火災保険の返戻金は、解約手続きの後で振り込まれます。決済日には手元にありません。

決済当日にいくら必要かを数えるときは、精算金までで足りるかどうかを見ます。返戻金は決済当日のお金には数えず、後から入るお金として別に置いておきます。

売却価格別に見る家の手取りの目安

ここからは、戸建てを不動産会社の仲介で売った場合を試算していきます。仲介手数料と印紙税は、法律で決められた上限額で計算しました。土地が広ければ測量費が、建物が古ければ解体費が加わります。おおよその金額をつかむための目安として見てください。

※ 抵当権抹消の登録免許税は、土地1筆と建物1棟の2件分として2,000円で計算しています(住宅ローン残債があるケースのみ)。司法書士報酬と引っ越し費用は含みません。

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どんな状況か売却価格ローン残債手取り
ローンを完済している2,000万円なし1,926万4,000円
返済中に住み替える3,000万円1,500万円1,393万2,000円
譲渡益が出て税金がかかる4,000万円なし約3,726万2,000円
残債が売却価格を上回る1,800万円2,200万円467万2,000円の不足

自分の状況に近いものから読んでください。

2,000万円で売却し、ローン残債がない場合

住宅ローンを完済した後の家を売るケースです。差し引かれるのは諸費用だけになります。

項目金額
売却価格2,000万円
仲介手数料-72万6,000円
印紙税-1万円
手取り1,926万4,000円

購入時の価格が2,000万円を上回っていれば、譲渡所得は発生しません。所得税と住民税はゼロです。売却価格の約96%が手元に残る計算になります。

3,000万円で売却し、残債1,500万円がある場合

返済中に住み替えるケースです。返済しきっていない1,500万円は、売却代金からそのまま返済に充てられます。

項目金額
売却価格3,000万円
仲介手数料-105万6,000円
印紙税-1万円
抵当権抹消の登録免許税-2,000円
住宅ローン残債-1,500万円
手取り1,393万2,000円

売却価格3,000万円に対し、手元に残るのは1,393万円ほど。半分を下回ります。仮に仲介手数料を全額値引きしてもらえたとしても、手取りは1,498万8,000円。それでも半分の1,500万円には届きません。

住み替え先の頭金を約1,393万円から出す場合、購入のタイミングも合わせて考える必要があります。売却と購入の順序については住み替えに適したタイミングで整理しています。

ここに入れる売却価格しだいで、手取りは数百万円動きます。複数社の査定を比べれば、自分の家に付く値の幅が見えてきます。

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4,000万円で売却し、譲渡益が出る場合

購入時の契約書が見つからず、概算取得費を使うケースです。取得費が小さくなるぶん譲渡所得が大きく出て、ここで初めて税金が登場します。

まず譲渡所得を計算します。

  1. 取得費(売却価格の5%)
    200万円
  2. 譲渡費用(仲介手数料138万6,000円+印紙税1万円)
    139万6,000円
  3. 譲渡所得
    4,000万円-339万6,000円=3,660万4,000円
  4. 3,000万円特別控除を適用
    課税譲渡所得660万4,000円

所有期間が5年を超えているとして、税額は次の通りです。

税の種類計算と税額
所得税660万4,000円×15%=99万600円
復興特別所得税99万600円×2.1%=2万800円
住民税660万4,000円×5%=33万200円
税額合計約134万2,000円
項目金額
売却価格4,000万円
仲介手数料-138万6,000円
印紙税-1万円
譲渡所得にかかる税金-約134万2,000円
手取り約3,726万2,000円

注意したいのは支払う時期です。所得税と住民税は、引き渡しの日には引かれません。売却した翌年の確定申告で納めます。決済日の入金額は3,860万4,000円。そこから翌年に約134万円を納めます。この差を忘れると、翌年の納税で資金が足りなくなることがあります。

なお3,000万円特別控除を使わなければ、税額は約743万6,000円になっていました。この特例を使った人は3,726万2,000円、使えなかった人は3,116万8,000円を受け取ります。609万円の開きです。

残債が売却価格を上回るオーバーローンの場合

1,800万円で売れた家に、2,200万円の残債が残っているケースです。

諸費用を差し引いた手取りは1,732万8,000円。残債2,200万円との差額467万2,000円を、自己資金などで補う必要があります。この状態では売却代金だけでは抵当権を外せません。対処の方法は住宅ローンが残っている家を売る方法で扱っています。

マンションや土地、投資用物件で手取りが変わる

マンションなら管理費の精算、土地なら測量費と解体費、投資用なら減価償却。物件の種類によって、計算に加わるものが違います。

物件の種類戸建てにはない項目
マンション管理費と修繕積立金の精算
土地測量費と解体費
投資用不動産減価償却による取得費の減少

マンションは管理費と修繕積立金の精算がある

マンションでは、毎月の管理費と修繕積立金を管理組合に納めています。年の途中で売却すれば、引渡日を境に精算する取り扱いになります。

戸建てにはない項目です。固定資産税の精算に加えて、管理費と修繕積立金のやり取りも引き渡しの日に発生します。精算するのは1か月に満たない日数分です。数千円から数万円で収まります。ただし計算に入れ忘れると、決済書類を見て戸惑うことになります。

土地は測量費と解体費が数十万円単位で加わる

境界が確定していなければ測量が必要です。建物が建っていれば解体費もかかるでしょう。どちらも数十万円から百万円を超えます。印紙税1万円の100倍に達することもあるでしょう。

建物の取壊し費用は譲渡費用として認められています。譲渡所得の計算で差し引けば、その分だけ税金が減ります。

投資用不動産は減価償却で取得費が変わる

賃貸に出していた物件を売る場合、取得費の計算方法が違います。

建物の取得費からは、所有期間中の減価償却費相当額を差し引きます。賃貸経営で経費として計上してきた分だけ、取得費が小さくなる仕組みです。取得費が小さくなれば、その分だけ譲渡所得が増えます。購入価格と同じ金額で売った場合でも、税金がかかることがあります。詳しい計算は投資用マンションを売却するときの注意点で扱っています。

家の手取りを減らさないために売却前に確認すること

手取りを計算するには、まず売却価格の数字が要ります。まだ売り出していない段階では、その数字を査定額から取ることになります。

査定価格と成約価格の差を見込んで予算を決める

査定価格は、不動産会社が「このくらいで売れそう」と見立てた金額です。その価格で売れることを保証したものではありません。査定額と成約価格がかけ離れていれば、計算した手取りも外れます。

査定額をそのまま手取り計算に入れると、実際に売れた価格との差だけ手取りも減ります。住み替え先の頭金を査定額から見積もっていた場合、数百万円足りなくなることもあり得ます。

特に注意したいのが、他社より突出して高い査定額が出たときです。査定額が高すぎる場合の見方については査定価格が高すぎる場合に注意したいことで解説しています。

不動産情報ライブラリやレインズで相場を確認する

査定を受ける前に、自分で相場を調べておく方法があります。

国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、実際に取引された価格を地域や条件で絞り込んで調べられます。「レインズ マーケットインフォメーション」でも、成約価格の情報が公開されています。

自分の家に近い条件の取引が、いくらで成立しているか。その金額を知ったうえで査定を受ければ、提示された金額が高いのか安いのか判断できます。

媒介契約の前に仲介手数料と広告費の扱いを確認する

仲介手数料の上限は法律で決まっています。ただし上限がそのまま請求されるとは限りません。

売買代金が800万円以下の物件では、通常と異なる報酬の取り決めができます。この場合、不動産会社は媒介契約を結ぶ前に金額を説明し、依頼者の合意を得ることになっています。

広告費を別途請求されるケースもあります。何が報酬に含まれ、何が別料金なのか。契約書に署名する前に確かめておく方が安全です。媒介契約の種類による違いは一般媒介と専任媒介の違いで比較しています。

複数の不動産会社の査定を比べて売却価格の幅を把握する

1社だけの査定では、その金額が高いのか安いのか判断できません。

複数の不動産会社に依頼すれば、査定額に高いものと低いものが出ます。その差そのものが判断の材料になります。各社が挙げる根拠を聞き比べれば、自分の家がいくらくらいで売れそうかが見えてきます。

売却前に確認しておきたいのは次の4点です。

  • 金融機関に住宅ローンの残債を照会したか
  • 公的なサイトで周辺の成約価格を確認したか
  • 媒介契約を結ぶ前に報酬額の説明を受けたか
  • 使えそうな特例の条件を調べたか

手取りの計算は、査定額が分からなければ始まりません。まずは無料の一括査定で、複数社の見立てを集めるところから始めてみてください。

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家の売却の手取りに関するよくある質問

家の売却の手取りについて、読者から寄せられることの多い質問をまとめました。

家を売却したら手取りはいくらになりますか

売却価格から諸費用と税金、住宅ローン残債を差し引いた金額です。3,000万円で売却し残債が1,500万円あるケースでは、およそ1,393万円が目安になります。残債がなければ2,893万円ほどです。売却価格が同じでも、返済しきった人と1,500万円残っている人では、受け取る額が1,500万円違います。

不動産売却の5年ルールとは何ですか

所有期間が5年を超えるかどうかで、譲渡所得の税率が変わります。5年を超えていれば長期譲渡所得として所得税15%・住民税5%が適用されます。

判定は譲渡した年の1月1日時点で行います。取得日から売却日までの実際の期間ではありません。年末に売るか年明けに売るかで、税率が変わることがあります。

仲介手数料は売却価格の何%かかりますか

売買代金を区分に分けて計算します。200万円以下の部分が税込5.5%、200万円超400万円以下の部分が4.4%、400万円を超える部分が3.3%です。

3,000万円の物件なら合計105万6,000円が上限になります。これは法律上の上限額であり、必ずこの金額になると決まっているわけではありません。

手取りの金額はいつ確定して、いつ入金されますか

売買契約を結んだ時点で、売却価格と仲介手数料は確定します。諸費用を差し引いた金額は、決済日に受け取ります。

ただし譲渡所得にかかる所得税と住民税は、その日には引かれません。売却した翌年に納めます。決済日の入金額と、最終的な手取りが一致しない点には注意が必要です。

住宅ローンが残っている家でも売却できますか

売却できます。引き渡しの日に売却代金でローンを一括返済し、同時に抵当権を抹消する流れが一般的です。

売却代金で残債を返しきれない場合は、不足分を自己資金で補うなどの対応が必要になります。まずは金融機関に残債額を照会するところから始めます。

家を売却した翌年に確定申告は必要ですか

譲渡所得が出た場合は必要です。3,000万円特別控除などの特例を使う場合も、適用を受けるために確定申告が求められます。

譲渡損失が出た場合は、申告義務がないケースもあります。ただし損失を他の所得と相殺できる特例が用意されています。申告した方が有利になることもあるでしょう。判断に迷う場合は税理士や税務署に相談してください。

出典

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