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住み替えのタイミングは築何年が目安?売り先行と買い先行の決め方と流れ

住み替えは築何年の時点で動き出すのがよいのでしょうか。

実際のデータを見てみると、首都圏で成約した中古マンションのうち、築31年超が42.3%を占めています。つまり築浅でなければ売れないわけではありません。

築年数よりも、所有期間が5年を超えるかどうか、がポイントになります。5年以下で売ると譲渡所得の税率は所得税30%と住民税9%、5年を超えていれば所得税15%と住民税5%。同じ家を売っても、納める税金が倍近く変わります。

本記事では、住み替えのタイミング、不動産の売却と購入のどちらを先にすると良いかについてまとめました。

この記事を読むとわかること
  • 住み替えまでの平均居住年数は?
  • 売却しやすい築年数は?
  • 売り先行・買い先行・同時進行、どれが良い?
  • 売却開始から入居までの工程・費用
  • よくある失敗と備え
  • 3,000万円特別控除・買換え特例を住宅ローン控除と併用できる?

※本記事の情報は2026年8月時点のものです。税制や市況は変わる場合があります。実際に使えるかどうかは、国税庁または税理士にご確認ください。

目次

住み替えのタイミングはライフステージと資産条件が重なる時期

住み替えの理由でいちばん多いのは、結婚や離婚など世帯の形が変わることでした。全体の15.4%を占めます。なお離婚にともなう住宅ローンと売却は判断すべきことが大きく違うため、別途まとめています。こうした事情は、税金や相場が有利になる年まで先送りできません。家族の予定と、税金や相場の条件。この2つがずれたとき、どちらに合わせて売却時期を決めるか。ここが最初の判断になります。

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※2025年9月19日-23日 「サイト評価に関する調査」より

家族構成や通勤・通学の変化が起点

住み替えの理由を、令和5年の住生活総合調査をもとにまとめました。

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順位理由割合
:-::-:
1世帯からの独立(結婚、離婚、単身赴任などを含む)15.4%
2就職や転職9.3%
3住宅の質を向上させるため9.0%
4自宅を所有するため8.8%
5転勤や退職(定年などを含む)8.6%
6子どもの誕生・成長・進学7.1%
9高齢期の住みやすさ3.4%

上位に来るのは、世帯の形が変わるとき、仕事の都合で移るとき、住まいへの不満が積み上がったときの3つです。

※この調査は賃貸からの引っ越しも含みます。回答のうち43.8%が「不明」のため、各項目の割合は住み替え全体の実数を示すものではありません。

資産の条件から見た動きやすい時期

もうひとつは、家をいくらで売れるかという条件です。売り時かどうかは、次の3つを見れば分かります。

  • 所有期間(税率が変わる分かれ目があります)
  • 築年数(買い手のつきやすさと価格の両方に関わります)
  • ローン残債と売却見込み額の差

このうち所有期間だけは、待つほど税金が安くなります。譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えると、譲渡所得の税率が半分近くまで下がるためです。

残る2つは、待っても得になりません。築年数は進む一方です。残債は返済で減りますが、それ以上に建物の値段が下がっていきます。つまり所有期間だけが「待てば得をする条件」で、築年数と残債は「待つほど損をする条件」です。

2つの条件がずれたときにどちらを優先するか

子どもの進学は今すぐなのに、税率が下がるのは来年から。こうしたずれはよく起こります。

日付が決まっている用事を先に置いてください。入学式や着任日は、税金のために動かせません。そのうえで損を減らす方法を探します。売却の契約時期を年明けにずらせば、所有期間の判定を1年先に送れる場合があります。

住み替えは必ずしも売却とセットではありません。所有していた住宅から住み替えた410世帯のうち、従前の住宅を売却したのは70.0%。残る3割は、前の家を貸したり親族に譲ったりしています。

住み替えの目安になる築年数と居住年数

住み替えの時期を判断するとき、見る数字は2つあります。前の家に何年住んだかと、その家が築何年かです。どちらにも決まった基準はありません。ただ、実際に住み替えた世帯と実際に売れた物件の数字には、はっきりした偏りが出ています。

購入から住み替えまでの居住年数の目安

持ち家から住み替えた世帯が前の家に住んでいた平均年数です。

住み替え先平均居住年数
分譲戸建住宅18.6年
既存(中古)戸建住宅25.6年
既存(中古)集合住宅26.5年
分譲集合住宅27.4年

いちばん短い分譲戸建てと、いちばん長い分譲集合住宅で9年近く開きます。戸建てを買って住み替える人ほど早く前の家を手放し、マンションを買う人は長く住んでから売っています。子育て期に手狭さを感じて戸建てへ移る場合と、子どもが独立してから駅に近いマンションへ移る場合の違いが表れているとみられます。

「何年住んだら住み替えるべき」という基準はありません。ただ、20年前後で検討を始める人が多いことは覚えておいてください。

売却しやすいとされる築年数の目安

売り出した物件のうち、どれだけが売れたか。

この割合が首都圏でいちばん高かったのは、中古マンション・中古戸建てともに築11〜15年でした(2025年、対新規登録成約率)。

一方、実際に成約した物件を築年数別に分けた内訳です。

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築年数中古マンション中古戸建住宅
築0〜5年6.0%8.0%
築6〜10年10.1%13.9%
築11〜15年8.4%10.3%
築16〜20年10.1%10.5%
築21〜25年11.9%11.1%
築26〜30年11.2%11.0%
築31年〜42.3%35.2%

築11〜15年が最も売れやすい。けれど成約件数として最も多いのは築31年超。売り出された物件の母数自体が築古に偏っているためです。中古マンションの成約平均築年数も、2014年の19.63年から2025年には26.58年へ伸びました。

ただし価格は異なります。中古マンションの築年数別の平均成約価格は、築10年以内が8,000万円台、築11〜15年が7,000万円台、築30年超は2,000万円台でした。中古戸建てでは築5年以内が5,000万円台、築35年超が2,000万円台です。

つまり、高く売りたいなら築浅のうちに売却するのがベスト、もし売れるかどうかだけなら築古でも全く問題ありません。

なお同じ築年数でも、階数や向き、管理状態で査定額は変わります。売却時に何を見られるかはマンション査定で見られるポイントにまとめました。

※築年数別の平均価格は、それぞれ別の物件群を比べた数字です。同じ物件が5年後にいくらまで下がるかを示すものではありません。

所有期間が5年を超えると譲渡所得の税率が下がる

築年数より売却時期を左右するのが所有期間です。譲渡所得の税率が変わります。

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所有期間区分所得税住民税
5年以下短期譲渡所得30%9%
5年超長期譲渡所得15%5%

※このほか、平成25年から令和19年までは復興特別所得税として基準所得税額の2.1%がかかります。

所有期間は、取得日から売却日までの実際の年数では判定しません。譲渡した年の1月1日時点で数えます。

たとえば2021年6月に取得した家を2026年8月に売った場合。実際には5年2か月保有していますが、2026年1月1日時点では4年7か月です。判定は短期譲渡になります。長期譲渡の税率が使えるのは2027年1月1日以降の売却です。売却時期を決める前に、必ず取得日を確認してください。

住宅ローン控除の適用期間が終わったあと

住宅ローン控除を受けている間は、所得税と住民税が毎年戻ってきます。この期間中に売ると、残りの控除は使えません。控除期間が終わると、毎年戻っていた分がなくなります。ここで返済額と住まいへの満足度を見直す人は少なくありません。残りの期間は年末調整の書類で確認できます。

金利と不動産相場の動きをどう読むか(2026年8月時点の状況)

金利が低いうちに売って買うほうがよい、とよく言われます。ただ2026年に実際に借りた人の見立ては違います。

住宅金融支援機構が2026年1月に実施した調査(回答1,237件)では、今後1年間の住宅ローン金利が「現状よりも上昇する」と答えた人が73.7%。前回調査から8.0ポイント増えました。それでも選ばれている金利タイプは変動型が75.0%と多数派です。変動型を選ぶなら、金利が上がったときの返済額まで試算してから決めてください。

マンションと戸建てでは、値段の動き方が違います。2026年7月の首都圏では、中古マンションの成約価格が5,267万円で前年同月比0.7%の下落。中古戸建住宅は3,933万円で0.6%の上昇、7か月連続で上がっています。自分の物件がいくらで売れそうかは、マンション売却の相場と調べ方で確認できます。

もうひとつ、買い替え世帯の売却差額です。

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年度プラスの差額差額なしマイナスの差額
2021年度37.5%8.8%53.7%
2024年度59.7%7.5%32.8%
2025年度61.0%4.9%34.1%

2025年度に初めて6割を超えました。4年前は、安く売った世帯のほうが多数派だったところです。平均購入額は4,298万円、平均売却額は4,880.3万円でした。

ただし差額がそのまま手元に残るわけではありません。仲介手数料、譲渡所得税、住宅ローンの残債を引いた残りが、次の住まいに使えるお金になります。

自分の家が今いくらで売れるかは、築年数や所有期間と違って自分では計算できません。売り時かどうかを判断するには、実際の査定額を知るところから始めます。

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では、売却と購入をどちらから始めるか。

住み替えの売り先行と買い先行の違いと選び分け

売り先行か買い先行か。この選択は好みの問題ではなく、自己資金でどこまでつなげるかという資金の問題です。

売り先行のメリットとデメリット

売り先行では、いま住んでいる家を売ってから次の家を買います。

いちばんの利点は、使えるお金が確定することです。売却代金が決まってから購入予算を組めます。ローン残債も売却代金で返済でき、二重の返済を抱える心配もありません。

困る点は2つあります。引き渡し日までに次の住まいを決めなければならないことと、間に合わなかった場合に仮住まいが必要になることです。

買い先行のメリットとデメリット

買い先行では、次の家を先に買ってから今の家を売ります。

いちばんの利点は、新居をじっくり選べることです。仮住まいも要りません。引っ越しは1回で済みます。

一方で、旧居が売れるまでのリスクをすべて自分で負います。売却代金が入る前に購入代金を用意しなければなりません。旧居が売れ残れば、新旧2つの返済が重なります。

2026年の首都圏では、買い先行を選びにくい状況が続いています。中古マンションの在庫件数は7月時点で47,151件、前年同月比5.5%増で5か月連続の増加でした。売り出し中の物件が増えているときは、思ったとおりの値段で、思ったとおりの時期に売れるとは限りません。

同月の新規登録価格の平均は6,834万円、成約価格の平均は5,267万円。売主の希望価格と実際に売れた価格には開きがあります。母集団が異なるため同じ物件の値下げ幅ではありませんが、希望した価格のままでは買主がつきにくいことが読み取れます。

同時進行が成立する条件

売却と購入の決済日を同じ日に揃える方法もあります。うまくいけば、仮住まいも二重ローンも避けられます。

成立の条件は厳しくなります。関係する4者の都合が合わなければなりません。どこか1つがずれれば計画全体が崩れます。購入先の売主が引き渡し時期に融通を利かせてくれる場合に、成立しやすくなります。

最初から同時進行を狙うより、売り先行で進めておいて、条件が整えば同時決済に切り替えるほうが現実的です。

自己資金とローン残債による判断のしかた

どちらを選ぶかは、次の2点への答えで決まります。

  1. 旧居のローン残債を、売却見込み額で返しきれるか
  2. 新居の購入代金を、売却代金なしで一時的に用意できるか

両方とも「はい」なら買い先行を選べます。

1つでも「いいえ」があるなら売り先行が基本です。売却代金なしで購入代金を用意できない場合、買い先行はつなぎ融資が前提になります。

住宅ローンが残っている家を売る場合、残債を売却額で返しきれるかどうかで、取れる方法が違ってきます。判断のしかたはローン中の家を売る方法と注意点にまとめています。

\ 売却額がわかれば、進め方が決まります /

スクロールできます
比較軸売り先行買い先行同時進行
売却代金の確定購入前に確定購入後に確定ほぼ同時
新居選びの時間短くなりやすい十分に取れる短い
仮住まい必要になりやすい原則不要原則不要
二重ローンの可能性低いあり低い
向いている人自己資金に余裕がない自己資金に余裕がある決済日を調整できる

※この比較は一般的な傾向です。契約条件によって変わる部分もあります。

売り先行と買い先行それぞれの流れとスケジュール

どちらを選んでも、最初にやることは同じ。旧居の査定を受けることと、住宅ローンの残債を確認することです。この2つがそろって初めて、どちらの方式を選ぶか決められます。査定は1社だけだと金額が適正か判断できないため、不動産一括査定で複数社の金額を比べる方法が使われます。

売り先行で進める場合の手順

STEP
査定を複数社に依頼

旧居の査定を複数社に依頼します

STEP
残債を確認

返済予定表などで住宅ローンの残債を確認します

STEP
媒介契約を結ぶ

不動産会社と媒介契約を結びます

STEP
売り出す

売り出し価格を決めて募集を開始します

STEP
内見と売買契約

内見に対応し、買主が決まったら売買契約を結びます

STEP
新居を探す

並行して新居を探します

STEP
引き渡しと完済

旧居を引き渡し、ローンを完済します

STEP
入居または仮住まいへ

新居に入居、または仮住まいへ移ります

新居探しをいつ始めるかが分かれ目です。売買契約後なら入ってくる金額が確定しており、予算を固めやすくなります。引き渡しまでの期間が限られる点には注意してください。売り出しと同時に物件情報だけ集めておけば、契約後すぐに候補を絞り込めます。

買い先行で進める場合の手順

STEP
査定で売却見込み額を把握

旧居の査定を受け、売却見込み額を把握します

STEP
残債を確認

住宅ローンの残債を確認します

STEP
新居ローンの事前審査

新居のローンについて金融機関に事前審査を申し込みます

STEP
新居を決める

新居を探して購入を決めます

STEP
新居の契約と決済

新居の売買契約を結び、決済して引き渡しを受けます

STEP
入居して旧居を売り出す

新居へ入居し、旧居を売り出します

STEP
旧居の契約と引き渡し

買主が決まり次第、売買契約と引き渡しを行います

査定と残債の確認を飛ばして、物件探しから始める方がいます。旧居がいくらで売れるか分からないまま新居を決めると、購入代金をどう用意するか決まらないまま契約してしまいます。

売却開始から入居までにかかる期間の目安

売却にかかる期間は、価格の設定や物件の条件しだいで数か月も伸び縮みします。何日かかるかを気にするより、どの順番で何をするかを押さえておくほうが計画を立てやすくなります。

査定を受けて媒介契約を結び、売り出して内見に対応し、買主が決まったら契約、そして引き渡し。このうち期間が読みにくいのは、売り出してから買主が決まるまでのところだけです。前後の手続きは日程を組めます。築年数が進んだ物件は、ここに時間を長めに見ておいてください。

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仮住まいが必要なケースと不要にする方法

仮住まいが必要になるのは、旧居の引き渡し日が新居の入居日より前に来る場合。売り先行で起きやすい状況です。

避ける方法もあります。ひとつは、旧居の売買契約時に引き渡し猶予を交渉すること。買主の同意が前提ですが、決済後も一定期間住み続けられる取り決めです。もうひとつは、新居の引き渡し時期を旧居に合わせること。

どうしても仮住まいが必要な場合、費用は地域・間取り・荷物の量で大きく違います。金額を先に決めるより、何にお金がかかるかを書き出しておいてください。見落としやすいのは次の4つです。

  • 仮住まい先の家賃(数か月分)
  • 敷金・礼金・仲介手数料などの初期費用
  • 引っ越し費用(旧居から仮住まい、仮住まいから新居の2回分)
  • 入りきらない荷物のトランクルーム代

引っ越しが2回発生する点が、住み替え特有の負担です。仮住まい先を探す段階でこの4項目それぞれの見積りを取れば、住み替え全体でいくら要るかが見えてきます。

住み替えにかかる費用と資金計画の立て方

住み替えでは、売却と購入の両方でお金が出ていきます。売却代金がまるごと新居に使えるわけではありません。ここを見誤ると、購入契約のあとで資金が足りなくなります。

旧居の売却でかかる費用

旧居を売るときにかかる主な費目です。税金の計算方法は家の売却でかかる税金で詳しく扱っています。

費目内容
仲介手数料不動産会社への成功報酬
印紙税売買契約書に貼付
抵当権抹消の登記費用ローン完済にともなう手続き
一括返済手数料金融機関ごとに設定
譲渡所得税・住民税売却益が出た場合

金額が大きいのは仲介手数料です。上限は国土交通省の告示で決まっています。売買価格を次の3つに分けて、それぞれに割合を掛けた合計が上限です(消費税込み)。

売買価格の区分報酬の上限
200万円以下の部分5.5%
200万円超400万円以下の部分4.4%
400万円を超える部分3.3%

よく使われる「売買価格×3%+6万円+消費税」という式は、400万円を超える物件についてこの3区分の計算を簡略化したものです。告示にこの文言があるわけではありません。

※800万円以下の土地・建物の仲介には特例があります。安い物件でも手間は変わらないため、報酬の上限を30万円の1.1倍、つまり33万円まで認めるという内容です。

新居の購入でかかる費用

新居を買うときは、物件価格とは別に諸費用がかかります。

  • 仲介手数料(中古物件を仲介で購入する場合)
  • 印紙税、登録免許税と司法書士報酬
  • 住宅ローンの事務手数料・保証料
  • 火災保険料・地震保険料
  • 不動産取得税、固定資産税・都市計画税の精算金

これらは物件価格に含まれません。頭金とは別に現金で用意する項目もあります。

仮住まいと二重の引っ越しでかかる費用

仮住まいを挟むと、引っ越しは旧居から仮住まいへ、仮住まいから新居へと2回になります。1回の金額が小さく見えても、2倍になれば無視できません。

売却額が確定する前に資金計画を組むときの考え方

住み替えの資金計画が難しいのは、入ってくるお金の額が最後まで確定しないからです。査定額は売れる価格の保証ではありません。

中古住宅では、購入資金に占める自己資金の比率が中古戸建住宅で38.1%、中古集合住宅で40.0%でした(令和7年度の調査)。購入資金の平均は中古戸建住宅で2,966万円、中古集合住宅で3,321万円です。3,000万円の中古住宅なら、1,200万円前後を自己資金でまかなっている計算になります。この自己資金には旧居の売却代金も入るため、売却額が下振れした分だけ購入予算を削ることになります。

計画を組むときは、査定額をそのまま使わないでください。査定額より低い金額で計算して、それでも新居の代金とローンの返済が足りるかを確かめます。

取得費の備えも必要です。売買契約書などで取得費を証明できない場合、譲渡価額の5%を概算取得費として使うことになります。売却益が大きく計算され、税負担が増えてしまいます。購入時の契約書は今のうちに探しておいてください。

計画を組む前にそろえる数字は4つです。

そろえる数字どこで分かるか
住宅ローンの残債借入先から届く返済予定表、または残高証明書
旧居の売却見込み額不動産会社の査定書(複数社に依頼)
取得日と取得費購入時の売買契約書
住宅ローン控除の残り期間年末調整の書類、または確定申告の控え

住宅ローンが残っている方は、残債の確認から先に着手してください。残債額が分からないと、査定額が出ても手元に残る金額を計算できません。逆に言えば、残債さえ分かっていれば、査定を受けた時点で住み替えの予算が確定します。

\ 住み替えの予算を確定させる第一歩 /

住み替えのタイミングを誤ったときに起きやすい失敗

買い替えをした世帯の3分の1は、買ったときより安い価格で売っています。その損失額は前年より広がりました。マイナスの売却差額が出た世帯の平均は1,307.8万円のマイナスです。

購入が先に決まり、旧居が売れ残る

買い先行でもっとも多い失敗です。新居の引き渡しが済んだのに、旧居に買主がつかない状態になります。

原因は価格設定にあることがほとんどです。売主には「この金額では手放したくない」という基準があります。新居の代金を売却代金で払うつもりなら、なおさら価格を下げにくくなります。売り出し中の物件が増えているときは、価格が高い物件ほど買主の比較検討から外れます。

ダブルローンやつなぎ融資で返済が重くなる

旧居が残ったまま新居のローンが始まると、毎月2つの返済を同時に払うことになります。これがダブルローンです。

金融機関は、旧居のローンも含めた返済負担率で審査します。年収に対する年間返済額の割合が基準を超えると、新居のローン自体を組めません。購入を決める前に、借入先へ確認してください。

つなぎ融資は、旧居の売却代金が入るまでの間だけ借りる短期のローンです。住宅ローンより高い金利が設定されるのが一般的で、事務手数料も別にかかります。借入期間が数か月でも、金額が大きければ利息は無視できません。

買い先行を検討するなら、新居のローンを申し込む金融機関に次の3点を確認してください。

  1. つなぎ融資を扱っているか
  2. 金利と事務手数料はいくらか
  3. 旧居が想定より長く売れなかった場合、借入期間を延長できるか

延長できるかを先に聞いておけば、売却が長引いても慌てて値下げせずに済みます。

引き渡し期限に追われて値下げしてしまう

新居の決済日が決まっている状態で旧居が売れないと、期限が近づくほど打つ手がなくなります。最終的には、大きく値下げして売るしかなくなってしまいます。

金額的な影響が最も大きいのが、この値下げでした。マイナスの売却差額が出た世帯は、平均4,164.2万円で購入した住宅を平均2,859.7万円で売っています。差額は1,307.8万円のマイナス。前年度の1,164.3万円より広がっています。

取得した時期によって損失額は違います。2009年から2013年以前に取得した住宅で、マイナスの差額が大きく上昇しました。前年度の調査では1997年以前に取得した住宅の平均が2,582.5万円のマイナスです。バブル期前後に買った家ほど売却で損が出やすい点を、計画に入れておいてください。

\ 1社だけの査定では相場がわかりません /

買い替え特約で「売れなかったとき」に備える

買い替え特約は、旧居が期限までに売れなかった場合に新居の売買契約を解除できる取り決めです。手付金も返還されます。

買い先行のリスクを大きく下げる方法ですが、必ず付けられるものではありません。新居の売主にしてみれば、契約が白紙に戻るかもしれない話です。人気物件では断られることもあります。

交渉は、購入の申し込みをする段階で切り出してください。契約直前に持ち出すと調整が難しくなります。特約を付ける場合は、旧居の売却期限と最低売却価格を具体的に定めておきます。この2つが曖昧だと、売れなかったときに解除できるかどうかで揉めます。

売却で利益が出たときと損が出たときでは、使える特例が違います。

住み替えで使える税の特例と選び方

住み替えで使える税の制度は複数あります。ただし多くは同時に使えません。3,000万円特別控除を使うと、新居の住宅ローン控除が使えなくなります。売却の申告を済ませたあとでは、選び直せません。

3,000万円特別控除の適用条件(2026年8月時点)

マイホームを売ったとき、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる制度です。持っていた期間が何年でも使えます。適用期限の定めもない恒久的な制度です。主な要件は次のとおりです。

  • 自分が住んでいる家屋、または家屋とその敷地を売ること
  • 以前住んでいた家の場合、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 売った年の前年および前々年に、この特例や譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例を受けていないこと
  • 売った年、その前年および前々年に、マイホームの買換えや交換の特例を受けていないこと
  • 親子や夫婦など特別の関係がある人への売却でないこと

所有期間が10年を超えている場合は、軽減税率の特例も重ねて使えます。課税長期譲渡所得のうち6,000万円以下の部分について所得税が10%になる制度です。6,000万円を超える部分は「(課税長期譲渡所得金額-6,000万円)×15%+600万円」で計算します。

特定居住用財産の買換え特例の適用条件(2026年8月時点)

売却益への課税を将来に先送りする制度です。ここで誤解が起きやすいのですが、非課税になるわけではありません。次に売るときまで繰り延べられるだけです。

国税庁が示している例です。1,000万円で購入したマイホームを5,000万円で売り、7,000万円のマイホームに買い換えた場合。通常なら4,000万円の売却益に課税されますが、この特例を使えば売却した年には課税されません。将来そのマイホームを8,000万円で売ったとき、実際の売却益1,000万円に繰り延べた4,000万円を加えた5,000万円が課税対象になります。

主な要件は次のとおりです。

要件内容
居住期間10年以上
所有期間売った年の1月1日時点で家屋・敷地とも10年超
売却代金1億円以下
買換えの時期売った年の前年から翌年までの3年間
買換え建物の床面積50㎡以上
買換え土地の面積500㎡以下
中古住宅の場合取得の日以前25年以内に建築、または一定の耐震基準を満たすこと
適用期限令和9年12月31日までの譲渡

適用期限は租税特別措置法第36条の2に、こう定められています。

租税特別措置法 第36条の2第1項(e-Gov法令検索)

個人が、平成五年四月一日から令和九年十二月三十一日までの間に、その有する家屋で政令で定めるものの譲渡(中略)をした場合において

租税特別措置法第36条の2第1項(e-Gov法令検索)

なお国税庁のタックスアンサーには「令和7年12月31日まで」と記載されています。同ページは令和7年4月1日時点の法令にもとづく内容のため、現行の条文と期限が異なります。

売却で損が出たときの損益通算の特例(2026年8月時点)

売却で損失が出た場合、給与所得など他の所得と相殺できる制度が2つあります。どちらも令和9年12月31日までの譲渡が対象です。

買い換えをした場合(措法第41条の5)

旧居を売って新居に買い換え、損失が出たときの制度です。旧居は売った年の1月1日時点で所有期間5年超、新居は床面積50㎡以上で償還期間10年以上の住宅ローンがあることが条件になります。相殺しきれなかった損失は翌年以後3年内に繰り越せます。ただし合計所得金額が3,000万円を超える年は繰越控除を使えません。旧居の敷地が500㎡を超える部分も対象外です。

ローン残債を下回る価格で売った場合(措法第41条の5の2)

住宅ローンが残っている家を、残高を下回る価格で売ったときの制度です。新居を買わない場合でも使えます。相殺できる上限は、売買契約日の前日の住宅ローン残高から売却価額を差し引いた金額です。繰越控除には合計所得金額3,000万円以下という条件がありますが、その年の損益通算に所得金額の制限はありません。

3つの特例と新居の住宅ローン控除は併用できるのか

売却益が出たときと損が出たときで、扱いが逆になります。

スクロールできます
制度所有期間の要件内容新居の住宅ローン控除適用期限
3,000万円特別控除問わない譲渡所得から最高3,000万円を控除併用できません定めなし
軽減税率の特例10年超6,000万円以下の部分が所得税10%併用できません定めなし
買換え特例10年超+居住10年以上売却益への課税を将来に繰り延べ併用できません令和9年12月31日まで
買い換え時の譲渡損失の損益通算・繰越控除5年超損失を他の所得と相殺、3年繰越併用できます令和9年12月31日まで
ローン残債超の譲渡損失の損益通算・繰越控除5年超残高と売却価額の差を限度に相殺併用できます令和9年12月31日まで

売却益が出たときに使う3つの制度は、住宅ローン控除と併用できません。

売却損が出たときに使う2つは併用できます。

3,000万円特別控除については、使えなくなる範囲がとくに広く定められています。新居に入居した年、その前年または前々年にこの特例を受けた場合、住宅ローン控除は使えません。入居した年の翌年から3年目までのいずれかの年に他の資産を売ってこの特例を受ける場合も、同じく使えなくなってしまいます。

どちらが有利かは、売却益の額と新居のローン残高しだいです。売却益が3,000万円に届かない場合、控除の枠は使い切らずに余ります。一方で住宅ローン控除なら、借入残高に応じて複数年にわたり所得税と住民税が戻ってきます。どちらで手元に多く残るかを試算してから選んでください。個別の条件に左右されるため、税理士または所轄の税務署への相談をおすすめします。

マンションなら修繕積立金、戸建てなら土地の相場。物件の種類で見るべき数字は変わります。

マンションと戸建て、50代以降で変わる住み替えのタイミング

同じ首都圏でも、2026年7月の中古マンションは価格が下がって在庫が増え、中古戸建住宅は価格が上がって在庫が減りました。戸建てを持っている方は売り時が続いている一方、マンションは売り出し中のライバルが増えている状況です。売り時を測る数字も、種類ごとに違います。

マンションは修繕積立金の増額改定前が目安になりやすい

マンションを持ち続けるコストは、築年数とともに膨らみます。首都圏で成約した中古マンションの月額を、築年別に並べてみました。

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築年数月額管理費月額修繕積立金合計
築10年以内16,889円10,474円27,363円
築11〜20年15,275円15,716円30,991円
築21〜30年13,997円16,588円30,585円
築30年超11,467円12,835円

修繕積立金は築10年以内の10,474円から、築11〜20年では15,716円へ上がります。

約1.5倍。管理費は逆に下がるものの、合計の負担は築11〜20年の30,991円がもっとも重くなりました。月々5,000円の差は、10年住めば60万円です。増額の改定が決まっている場合、それを買主に説明したうえで売ることになります。

修繕積立金はこの先も上がる見込みです。首都圏の月額平均は、2020年度の11,737円から2025年度には13,910円になりました。2025年度の前年度比は5.6%。同じ年の管理費は0.3%しか上がっていません。

上がり続けるのは、積立方式に理由があります。令和5年度のマンション総合調査(全国)では、段階的に金額を上げていく段階増額積立方式が47.1%、均等積立方式が40.5%でした。さらに、計画上の積立額に対して現在の積立額が不足しているマンションが36.6%あります。

つまり「これから上がる」マンションが約半数、「上げざるを得ない」マンションが3分の1以上。自分のマンションがどちらに当たるかは、管理組合の長期修繕計画で確認できます。売却の手順そのものはマンション売却の流れを参照してください。

※管理費と修繕積立金の金額は2025年度・首都圏の成約物件、積立方式と積立状況は令和5年度・全国の調査です。集計期間と対象範囲が異なります。

戸建ては建物評価の下落と土地相場で判断する

戸建ての価格は、建物と土地の合計で決まるものです。このうち建物の評価は、年数とともに落ちていきます。首都圏の中古戸建住宅の平均成約価格は、築5年以内が5,000万円台、築6〜25年が4,000万円台です。築26〜35年は3,000万円台、築35年超は2,000万円台でした。

一方、築古の戸建てでも取引は続いています。2026年4〜6月期の成約件数のうち、築31年超が35.2%を占めました。

建物の評価が下がりきったあとは、値段のほとんどが土地の分になります。築35年を過ぎたころには、築年数が1年増えても値段はあまり下がりません。急いで売る理由も薄れます。焦って売り急ぐより、土地の相場と生活の都合を見て売却時期を決めてください。戸建てを高く売るコツは一戸建ての売却で押さえることにまとめています。

老後・定年後の住み替えでよくある失敗

老後の住み替えで多いのが、退職金を頭金に回しすぎて手元の資金が細るケースです。年齢を理由に諦める必要はありませんが、現役世代と同じようには資金を配分できません。

2回目以降の住宅取得となる二次取得者の平均年齢です。

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取得した住宅二次取得者の平均年齢一次取得者の平均年齢
分譲戸建住宅48.1歳36.1歳
既存(中古)戸建住宅55.1歳44.6歳
既存(中古)集合住宅58.5歳42.2歳
注文住宅(建て替えを除く)60.4歳39.4歳
分譲集合住宅61.7歳39.7歳

分譲集合住宅を買った二次取得者の平均は61.7歳。60歳以上の割合は60.3%に達しています。年齢を理由に諦める必要はありません。

ただし住宅ローンの組み方は違ってきます。完済時年齢には上限があり、借入期間を短くせざるを得ない場合があります。月々の返済額は上がることになります。

そこで退職金を頭金に回す判断になりがちですが、回しすぎると老後の生活資金が足りなくなってしまいます。頭金を増やせば月々の返済は軽くなる代わりに、手元の現金は減ります。医療費や介護費用に回せる分がどれだけ残るかを先に決めてから、頭金の額を決めてください。

住み替え先の選択肢は広がっています。現在持ち家の世帯が中古住宅を挙げた割合は、平成20年の3.2%から令和5年には23.7%になりました。持ち家から借家への住み替えを考える人も19.4%まで増えています。新築を買い直すことだけが住み替えではありません。売却額で無理なく買える中古住宅に移る、あるいは売って賃貸に移る。この2つを選択肢に入れれば、退職金に手を付けずに住み替えられる可能性が出てきます。

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住み替えのタイミングに関するよくある質問

住み替えの時期や進め方について、相談の多い質問をまとめました。

住み替えは購入から何年後が目安ですか

決まった基準はありません。持ち家から住み替えた世帯が前の家に住んでいた平均年数は、18.6年から27.4年でした。分譲戸建住宅へ移る場合は短く、分譲集合住宅へ移る場合は長くなります。住んだ年数を数えるより、所有期間が5年と10年を超えているかを確かめるほうが役に立ちます。

住み替えにはどのくらいの期間がかかりますか

物件の条件と価格設定しだいで大きく伸び縮みします。工程は、査定から媒介契約、売り出し、内見対応、売買契約、引き渡しという流れです。売り出す前の準備と、買主が決まってからの手続きは、いずれも見通しが立ちます。読めないのは買主が現れるまでの部分だけなので、そこを長めに見積もっておくと計画が崩れません。

住み替えと買い替え・引っ越しは何が違いますか

引っ越しは住む場所を移すこと全般を指し、賃貸から賃貸への移動も含みます。住み替えと買い替えはほぼ同じ意味ですが、買い替えのほうが「売って買う」取引を強く指します。住み替えには持ち家を売らずに貸して移るケースも含まれ、実際に従前の住宅を売却したのは70.0%でした。

住宅ローンが残っていても住み替えはできますか

できます。売却代金でローンを一括返済する形が一般的です。売却額が残債を上回るか下回るかで、やることが違ってきます。下回る場合は、不足分を自己資金で補うか、住み替えローンを使う方法を探します。損失が出た場合、損益通算の特例を使える可能性もあります。

自己資金がなくても住み替えはできますか

売却代金でローンを完済でき、諸費用も払えるなら可能です。進め方は売り先行に限られます。買い先行では、売却代金が入る前に購入代金を用意しなければなりません。中古住宅を購入した世帯の自己資金比率は中古戸建住宅で38.1%、中古集合住宅で40.0%ですが、この自己資金には旧居の売却代金が含まれます。手元の預貯金がゼロでも、売却代金でこの比率を満たせれば住み替えは成立します。

旧居が売れなかった場合はどうなりますか

売り先行なら、次に進まないだけです。旧居に住み続けながら価格や販売方法を見直せます。問題は買い先行で、新旧2つの返済が重なる状態が続きます。避ける方法が買い替え特約です。旧居が期限までに売れなかったときに新居の売買契約を解除でき、手付金も返還されます。購入の申し込み段階で交渉してください。

老後の住み替えは何歳ごろを目安に考えればよいですか

年齢の基準はありません。2回目以降の住宅取得者の平均年齢は、分譲戸建住宅で48.1歳、中古集合住宅で58.5歳、分譲集合住宅で61.7歳でした。60代での住み替えは珍しくありません。判断すべきは年齢ではなく、住宅ローンの完済時年齢の上限と、退職金を使った場合に老後資金がどれだけ残るかです。

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※2025年9月19日-23日 「サイト評価に関する調査」より

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