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リースバックの審査とは?落ちる理由と通らないときの他の方法

リースバックにも審査はあります。ただし、銀行からお金を借りる住宅ローンの審査とは中身が違います。

リースバックは、自宅を売った後、家賃を払って同じ家に住み続ける取引です。そのため、見られるのは申込者の信用だけではありません。取引が成立するには、買主が物件を買い取れること、売却の手続きを最後まで終えられること、売却後の家賃を払い続けられることの3つが必要です。

年齢が高い、収入は年金だけ、過去にローン審査へ落ちた。こうした理由だけで、リースバックを利用できないと決まるわけではありません。

反対に、「融資ではないから審査はない」「信用情報は一切見ない」とも言い切れません。契約によっては、家賃を立て替える家賃保証会社の審査も受けるためです。

住宅ローンを滞納している、残額の一括返済を求める通知が届いた、裁判所から競売開始の通知が来た、税金の差押えがある。この場合は、査定先を増やす前に借入先や税務署・自治体へ連絡してください。

時間がたつほど、選べる方法は減っていきます。住宅金融支援機構も、返済が苦しい場合は返済中の金融機関へ相談するよう案内しています。売っても完済できないときは、借入先の承諾を得て売る「任意売却」が選択肢になることがあります。

すでに審査に落ちた場合は、別の会社へ申し込む前に、物件、売却手続き、賃貸のどこで止まったのかを確かめましょう。会社を替えれば結果が変わることもあれば、先に問題を片づけないと同じ理由で断られることもあります。

この記事で扱うのは、個人が日本国内の自宅を売り、借主として住み続ける住宅のリースバックです。会社の会計で使うセール・アンド・リースバックや、自動車のリースバックは扱いません。

目次

リースバックの審査は「物件・売却手続き・賃貸」の3段階

同じ「審査」という言葉でも、判断する相手と見られる中身は段階ごとに違います。ここを分けないと、会社を替えれば済む話なのか、権利やお金の問題を先に片づけるべきなのかが決まりません。

STEP
物件を買い取れるか

買主になる事業者が、対応地域、物件の種類、建物や土地の状態、将来売りやすいかどうかを確認します。

STEP
決済日までに売却手続きを終えられるか

代金を受け取り、家の名義を買主へ移す日を「決済日」といいます。この日までに、売却をさまたげる事情を片づけられるかを確認します。

見られるのは、登記(不動産の所有者や権利を公的に記録する制度)の名義、共有者の同意、住宅ローン残高、抵当権、差押えなどです。差押えとは、税金や返済の滞納などを理由に、不動産を自由に処分できないようにする法的な手続きです。

STEP
売却後も家賃を払えるか

売却後の貸主、管理会社、家賃保証会社などが、収入、年金、貯蓄、売却後に手元へ残る資金、同居者などを確認します。

国土交通省の事業者調査でも、買取を判断する項目として、立地や価格、築年数、建物の状態、接道、建て替えの可否、住宅ローン残高、マンションの管理費などが挙げられています。ただし、これは回答した事業者の実務をまとめたもので、国が決めた合格基準ではありません。

申し込む前と、審査に落ちた後の確認手順

まだ申し込んでいないなら、物件・住宅ローン・収入の資料をそろえ、同じ条件で複数社を比べます。すでに落ちたなら、申込先を増やす前に「誰が、どの段階で、何を理由に止めたのか」を確かめます。次の表は、物件 → 売却手続き → 賃貸の順に並べています。

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止まった段階事業者へ聞くこと確認先・次の行動
問い合わせ・簡易査定物件そのものの問題か、対応地域・物件種別・価格帯といった会社側の取扱条件か取扱条件が理由なら、同じ資料で条件の合う会社へ相談
現地・役所の調査道路、建て替え、建物の状態、借地、境界のどの調査結果で止まったか道路・建て替えは自治体、境界は土地家屋調査士、建物の状態は建築士などへ確認
登記・権利の確認名義、共有、相続、借地のどこが未整理か登記手続きは司法書士、契約や権利の争いは弁護士へ相談
ローン・差押えの確認決済日に抵当権を外すにはいくら足りないか、誰の承諾が必要か借入先、差押えをした税務署・自治体、任意売却を扱う専門家へ早めに相談
賃貸・家賃保証の審査判断したのは貸主か保証会社か。家賃・保証の方法・追加資料を変えれば再審査できるか売却額と家賃を見直す。難しければ通常売却と転居も比べる
条件提示の後本当に審査落ちなのか、希望する売却額・家賃・居住期間と合わなかっただけか手元に残る金額、毎月の住居費、住める期間を同じ表で比べる
理由を教えてもらえない判断した会社と段階、変えれば再検討できる条件だけでも聞けるか回答日時・担当者・提示条件を記録し、同じ資料で次の相談先へ
リースバックの審査が止まった段階から、確認先と次の行動を選ぶ表
審査に落ちた理由を聞く文例

今回リースバックを取り扱えない主な理由は、次のどれに当たりますか。

  1. 御社の対応地域・物件種別などの取扱条件
  2. 建物・土地の状態や、将来の売りやすさ
  3. 登記・共有・住宅ローン残高・抵当権
  4. 賃貸借または家賃保証の審査
  5. 希望する売却価格・家賃・契約期間との不一致

あわせて、判断したのが御社・買主・貸主・家賃保証会社のどこか、売却額・家賃・保証の方法・居住期間・追加資料のいずれかを変えれば再検討できるかも、差し支えない範囲で教えてください。

採点の細かい理由は公開されないこともあります。それでも、判断した相手と止まった段階がわかれば、次の相談先を絞れます。電話で聞いたときも、日時、担当者、回答、そのときの提示条件を書き残しておきましょう。

リースバック審査で確認される主な項目

審査で見られるのは、申込者の年齢や収入だけではありません。中心になるのは、物件を売れる状態か、住宅ローンの担保を外せるか、売却後も家賃を払えるかです。しかも、この3つは互いに影響します。たとえば家賃を下げるために売却価格を下げると、今度は住宅ローンを完済できなくなることがあります。

対応地域と物件の売りやすさ

問い合わせの直後や、訪問せず資料だけで行う簡易査定の段階で断られた場合、物件に重大な問題があるとは限りません。申込先の対応地域、物件の種類、取扱価格帯、社内の方針に合わなかっただけのこともあります。

一方、現地の確認や役所の調査を終えた後で断られたなら、次のような点が判断に影響したと考えられます。

  • 建物の劣化、雨漏り、傾き、修繕の履歴
  • 敷地が道路にどう接しているか、建て替えができるか
  • 建ぺい率・容積率(その土地に建てられる建物の大きさの上限)
  • 増築した部分が登記に反映されていない
  • 借地(他人から借りた土地)に建っている
  • 開発を制限される地域にある、崖や高低差を支える壁がある
  • 境界がはっきりしない、建物や塀が隣地へはみ出している
  • 事件、災害、周辺環境など、売るときに伝える必要がある事情
  • マンションの管理状況、管理費、修繕積立金

古い家、建て替えができない家、借地に建つ家でも、それだけで必ず不合格になるわけではありません。ただし、会社によっては最初から対象外です。「物件に問題がある」とだけ言われたら、法律や権利の問題なのか、その会社の取扱条件なのかを分けて聞いてください。

登記名義、共有者、相続、借地

家全体を売るには、登記上の所有者が売主として手続きできる状態が必要です。共有名義なら、共有者全員が家全体の売却に同意し、契約と登記に参加できるかを確認します。民法251条も、共有物に変更を加えるには、原則として他の共有者の同意が必要と定めています。

相続した家が亡くなった人の名義のままなら、通常は名義を買主へ移す前に相続登記が必要です。他人から借りた土地に建つ家では、土地の賃貸借契約によって地主の承諾が必要になることがあります。借地契約書を用意し、事業者や、必要に応じて司法書士・弁護士へ確認してください。

登記名義人ではない配偶者や同居家族の同意は、法律上、いつでも売却の条件になるわけではありません。ただし、売却後の家賃と住める期間は家族全員に関わります。同居者の収入が変わった場合や、所有者が先に亡くなった後の住まいまで、契約前に話し合っておきましょう。

住宅ローン残高、抵当権、差押え

住宅ローンが残っていても、それだけで審査に落ちるわけではありません。問題は、決済日までに「抵当権」を外せるかどうかです。

抵当権とは、住宅ローンの返済が滞ったとき、金融機関がその不動産から優先して回収できる権利です。抵当権が残ったままでは買主が安心して所有権を取得できないため、通常は売却時にローンを完済し、抵当権を消す手続きをします。

抵当権などを外せるかの概算

リースバックの売却代金
+ 売却時に使える自己資金
− ローンの完済に必要な金額
− 差押え・滞納などの解消に必要な金額
− 売主が負担する売却費用

計算結果がマイナスなら、提示された条件のままでは売却の手続きを終えられません。

足りない場合は、通常売却ならもっと高く売れないかを確かめる、自己資金を足す、借入先へ任意売却を相談するといった方法を検討します。売却代金よりローン残高が多くても、自己資金で不足を補える場合や、借入先が任意売却の条件に同意する場合は売れることがあります。

ただし、借入先の同意なく抵当権を外すことはできません。法務局は、住宅ローンを完済しても抵当権の登記は自動で消えないと案内しています。住宅金融支援機構の任意売却の手続きでも、売出価格の確認と抵当権を外す承諾を得てから、売買契約へ進む流れが示されています。

税金や管理費を滞納していても、滞納しているという事実だけでは結論が出ません。差押えが登記されているか、決済日までに解除を調整できるかを確認します。国税の差押えについては、国税庁の事務運営指針に、滞納税額の納付などによって差押えを解除する場合の取扱いがあります。

差押えがあるなら、契約を先に結ばず、税務署・自治体の納税相談窓口、借入先、売却の実務を扱う専門家へ相談してください。

売却後の家賃を払えるか

リースバックでは、家の所有者から借主へ立場が変わります。そこで、給与、事業収入、年金、貯蓄、売却後に残る資金などから、家賃を払い続けられるかを確認されます。

求められる情報は会社や家賃保証会社によって違いますが、たとえば次のようなものです。

  • 本人確認情報、現住所、連絡先
  • 勤務先、雇用形態、勤続年数、収入
  • 年金受給額、その他の継続収入
  • 預貯金、売却後に手元へ残る資金
  • 同居者、緊急連絡先、連帯保証人を使う場合はその情報
  • 過去の家賃滞納や、ローン・クレジットの申込み・返済状況などを記録した「信用情報」。これを照会する契約では、その登録内容

公表されている条件も事業者ごとに違います。ハウスドゥは年齢・年収の制限なしと案内しつつ、取扱いには審査があると明記しています。一方、あなぶき興産は年齢制限なしとしながら、家賃保証会社への加入と審査の承認を契約の条件としています。年金生活や無職というだけで結論を出さず、家賃を払える根拠と申込先の条件を確かめましょう。

家賃保証会社とは、借主が家賃を滞納したとき、貸主へ家賃を立て替え、後から借主へ請求する会社です。リースバック自体は借入れではありませんが、保証会社などが信用情報機関に加盟し、本人の同意を得て照会する契約なら、延滞などが判断材料になる可能性があります。

CICは、信用情報を利用できるのは加盟会員などに限られ、原則として本人の同意を得て照会すると案内しています。また、全保連の個人用審査申込書には、信用情報機関への提供・登録・利用に関する同意欄があります。これは一例です。実際の申込書で、照会先、利用目的、登録される情報を確認してください。

古い解説にある「LICC加盟会社の間で家賃滞納情報を共有する」という説明は、現在の仕組みと合いません。全国賃貸保証業協会は、保証会社が立て替えた家賃などの情報を扱う「代位弁済情報データベース」を2026年3月31日に終了し、保有情報を破棄したと公表しています。

普通借家か定期借家かは、家賃保証会社の審査とは別

定期借家を選んでも、家賃保証会社の審査を避けられるわけではありません。借りる期間の決め方と、家賃保証を付けるかどうかは、別々の契約条件です。

普通借家契約

契約期間が終わっても更新できます。貸主が更新を断るには、法律上の「正当事由(更新を断るだけの十分な理由)」が必要です。

定期借家契約

決めた期間が終わると契約も終了します。住み続けるには、貸主と借主の双方が再契約に合意する必要があります。

国土交通省の定期建物賃貸借Q&Aでも、定期借家は期間満了で更新なく終了し、双方が合意すれば改めて契約できると説明されています。審査を通すことだけを考えて定期借家を選ぶと、期間が終わった後に住み続けられるかどうかが不確かになります。

リースバック審査の必要書類と期間

書類を先にそろえると、どの条件で止まっているのかを見分けやすくなります。ただし、必要な書類と提出の時期は申込先によって違います。

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確認項目手元で整理する資料注意点
物件・名義登記事項証明書、固定資産税の通知書、購入時の売買契約書・重要事項説明書、図面、修繕の履歴初回相談では、かつての権利証に相当する登記識別情報の符号や原本を安易に送らない
ローン・権利ローン残高証明書・返済予定表、借入先、差押えや滞納の資料、共有者の意向、借地契約書完済に必要な額は残高だけでは決まらない。決済日までの利息なども借入先へ確認
家賃の支払い源泉徴収票、確定申告書、年金額がわかる書類、通帳など申込先が指定する資料、同居者・緊急連絡先審査に不要な個人情報は、提出の目的と管理方法を確認
マンション管理規約、総会議事録、長期修繕計画、管理費・修繕積立金、滞納や一時金の資料売却後に管理費などを誰が負担するか、家賃とは別に確認
一戸建て・土地建築確認済証・検査済証、公図、測量図、境界確認書、私道や隣地からのはみ出しに関する資料測量や工事は、必要性と、条件がどれだけ改善するかを聞いてから発注
リースバック審査前に整理したい主な資料

審査にかかる期間にも、一律の基準はありません。物件の査定、現地の確認、役所・登記の調査、家賃保証、抵当権を外す調整は、終わる時期がそれぞれ違います。

「何日で結果が出るか」より先に確認する4項目
  • 最終的な売却価格
  • 月額家賃と、契約時・更新時にかかる費用
  • 普通借家・定期借家のどちらか、住める期間
  • 家賃保証会社の承認、抵当権を外せることなど、契約成立の条件

自宅を売った後に賃貸の審査へ通らない、という事態は避けなければなりません。売買契約に署名する前に、賃貸借契約書の案と、家賃保証会社を使う場合はその審査結果を確認してください。

リースバックの審査前にできる準備

準備の中身は2つです。判断に必要な資料をそろえること。そして、売却価格、ローンの返済、売却後の家賃という3つの数字をつなげることです。都合の悪い情報を隠す必要はありません。むしろ、隠すと後で問題になります。

把握している問題は先に伝える

雨漏り、増改築、隣地へのはみ出し、事件、管理費の滞納などを隠して契約すると、後から「説明された状態と実物が違う」として、修理費の負担や契約解除をめぐる問題になり得ます。国土交通省のガイドラインも、売主が把握している重要な情報を伝え、契約書での扱いを確認するよう促しています。

わからない点は「問題なし」と書かず、「未確認」と伝えて、誰がいつ確認するかを決めてください。

売却価格と家賃を一組で比べる

売却価格と家賃の決め方は会社ごとに違います。売却価格を下げると家賃も下がる会社もあれば、周辺の家賃相場などから家賃を決める会社もあります。「家賃は売却価格の年○%」「買取価格は市場価格の○割」といった一律の公的な基準はありません。

そこで申込先には、可能であれば次の3案を出してもらいます。

  • 売却後に手元へ残る資金を多くする案
  • 毎月の家賃を抑える案
  • 退去を予定する時期に合わせる案

ただし、家賃を下げるために売却価格も下がると、住宅ローンを完済できなくなることがあります。3案とも、ローンと売却費用を払った後にいくら残るのかまで計算してください。

同じ資料・同じ希望条件で会社を比べる

別の会社へ相談するときは、物件の資料、ローン残高、住みたい期間、同居者、わかっている不具合を、同じ条件で伝えます。伝える情報が違えば、売却価格と家賃を公平に比べられません。

会社ごとに1枚へまとめる比較項目
  • 最終売却価格と、後から減額される条件
  • ローン返済、売却費用、賃貸の初期費用を引いた手元資金
  • 月額家賃、保証料、更新・再契約料、火災保険など
  • 普通借家・定期借家のどちらか、契約期間、更新・再契約の条件
  • 修繕、設備、退去時の原状回復を誰が負担するか
  • 中途解約、違約金、買戻しの価格と期限

探すのは「審査が甘い会社」ではなく、その物件を扱えて、売却後も無理なく契約を続けられる会社です。

審査に通っても、家賃を払い続けられるか計算する

リースバックで本当に困るのは、審査に落ちたときよりも、審査に通って自宅を売った後、家賃や契約期間が原因で住み続けられなくなったときです。

国土交通省のガイドブックも、売却で受け取る金額と、数年かけて支払う家賃を計算して比べるよう勧めています。住みたい期間について、少なくとも次の2段階で計算します。

毎月の家計と、売却後の予備資金を分けて計算する

毎月の住居費の余裕・不足
= 毎月の手取り収入
− 住居費を除く生活費・返済
− リースバック後の住居費

住みたい期間の終わりに残る住居費の予備資金
= 売却後に住居費へ回す資金
+ 毎月の余裕・不足 × 住む月数
− その期間に見込む一時的な費用

毎月の収支が不足する場合は、その金額をマイナスとして計算します。リースバック後の住居費には、家賃だけでなく、保証料、更新・再契約料、火災保険、契約で借主負担になる費用も、1か月分に直して含めます。病気や失業への備え、転居費、医療費などのために残すお金は、住居費の予備資金には含めません。

3年と5年を比べる計算例

同じ家賃でも、住む年数で結論は変わります。仮の家計を入れて確かめます。実際の相場や審査基準を示す数字ではありません。

項目仮の金額
【前提】毎月の手取り収入26万円
【前提】住居費を除く生活費・返済18万円
【前提】家賃と月割りした諸費用9万5,000円
【前提】売却後に住居費へ回す予備資金70万円
【計算】収入から住居費へ回せる額8万円
【計算】毎月の不足1万5,000円
【計算】3年後に残る予備資金16万円
【計算】5年後に残る予備資金20万円の不足
リースバック後の家計を3年と5年で比べる仮想例

3年後は「70万円−1万5,000円×36か月=16万円」で、計算上は予備資金が残ります。5年後は「70万円−1万5,000円×60か月=マイナス20万円」です。家賃の値上げ、一時的な支出、生活費の増加があれば、不足はさらに広がります。

同じ審査結果、同じ家賃でも、3年住む計画と5年住む計画では結論が変わります。

審査に通ったことは、希望する年数を無理なく暮らせる保証ではありません。3年、5年、そして実際に住みたい期間のそれぞれで、予備資金がいくら残るかを確認してください。

リースバックの審査に通らないときの他の方法

どの方法が向くかは、資金が必要な理由、同じ家に住みたい期間、ローン残高、家賃を払う余力によって変わります。新しく借りる方法にも審査と返済があるため、「リースバックに落ちたから担保ローン」と単純に置き換えることはできません。

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現在の状況・優先したいこと主な選択肢向いている条件注意点
会社独自の取扱条件で断られた別のリースバック会社対応地域、物件種別、築年数、価格帯などが断られた理由同じ権利問題や資金不足は解決しない。使う家賃保証会社も確認
家賃が重いが、売却後の手元資金も必要売却価格・家賃・居住期間の見直し物件の取扱いは可能で、複数案を選べる家賃を下げるため売却額も下がると、ローンを完済できない場合がある
一時的に住宅ローン返済が苦しい借入先へ返済条件の変更を相談変更後は返済を続けられる見込みがある審査があり、期間の延長などで総返済額が増える場合がある
売却額と手元資金を優先したい通常売却して転居同じ家に住み続けることより、売却条件を優先できる転居先の入居審査、初期費用、入居日を売却前に確認
一定期間だけ今の家にいたい通常売却で引渡し時期を交渉買主が引渡しを待つことに合意する合意した日には退去が必要。期間や費用を契約書へ記載
所有権を残し、返済できる収入もある不動産担保ローン担保にできる余力があり、収入などから返済を続けられる審査と利息負担があり、返済できなければ自宅を失うおそれがある
所有権を残し、年齢・担保・お金の使い道の条件を満たすリバースモーゲージなど自宅を担保にした借入れが目的に合う金利、限度額、死亡後の返済、相続人への影響を確認
売却してもローンを完済できず、返済継続も難しい借入先の承諾を得る任意売却借入先が売出価格と抵当権を外すことに同意する住み続けられる保証はなく、売却後もローンが残る場合がある
リースバックの審査に通らないときの原因別の選択肢

通常売却と引渡し時期の調整

リースバックの価格ではローンを完済できない、あるいは家賃を長く払えないなら、通常売却のほうが目的に合う可能性があります。国土交通省のガイドラインも、通常売却を選び、代金の受け取りと引渡しの時期を買主と調整する方法を、比較の対象に挙げています。

ただし、引渡しを待ってもらえるかは買主との話し合いで決まります。住み続けられる期間、固定資産税などの精算、引渡しが遅れた場合の扱いを、売買契約書へ記載してください。

返済条件の変更、不動産担保ローン、リバースモーゲージ

資金不足が一時的で、自宅の所有権を手放したくないなら、売却を決める前に住宅ローンの借入先へ返済条件の変更を相談します。利用できるかは審査で決まり、返済期間の延長などで総返済額が増える場合があります。

不動産担保ローンでも所有権は残せます。ただし、誰でもリースバックの代わりに使える方法ではありません。担保として認められる不動産の価値だけでなく、返済能力も審査され、新たな利息と返済義務が生じます。返せなくなれば、自宅を失うおそれがあります。

金融庁の貸金業者向け監督指針でも、担保を売らずに返済できるかを確認し、返済できずに担保となった自宅が売却される事態まで説明することが求められています。すでに毎月の返済が苦しいなら、借りられる金額より「何を元に返し続けるのか」を先に考える必要があります。

リバースモーゲージは、自宅を担保に融資を受ける方法です。リースバックと違い、所有権をすぐに売るわけではありませんが、年齢、収入、物件、資金の使い道などの審査があります。

たとえば住宅金融支援機構の「リ・バース60」は、住宅関連の資金に使う商品です。一般的な生活資金向けのリバースモーゲージとは条件が異なります。毎月の利息、金利の変動、借入限度、死亡後の返済方法、相続人に残る債務の有無を確認してください。

任意売却

住宅ローンの返済が難しく、通常の売却代金でも完済できない場合、借入先の同意を得て売る方法を「任意売却」といいます。好きな価格で先に売り、後から借入先へ報告する手続きではありません。借入先が売出価格と抵当権を外すことに同意できるかを確認したうえで進めます。

任意売却とリースバックを組み合わせても、必ず住み続けられるわけではありません。借入先の同意だけでなく、買主が見つかること、家賃を払い続けられること、賃貸借の条件に合意できることが必要です。

競売の期限が迫っている場合は、リースバックだけに絞らず、転居後の住まいと、売却後に残るローンの返済まで同時に計画してください。

リースバック審査に通っても契約を止めるべき条件

審査の通過は、事業者が「この取引はできる」と判断した結果です。売主にとって安全で有利な契約だと保証するものではありません。

一つでも未確認なら署名を止める8項目
  • 通常売却の査定額と比べていない
    住み続けられる代わりに、売却価格がどれだけ変わるのかを確認します。
  • 住みたい期間の家賃総額を計算していない
    家賃だけでなく、保証料、更新・再契約料、火災保険、借主負担の修繕費も含めます。
  • 普通借家・定期借家のどちらかが曖昧
    定期借家は、期間が終わった後の再契約を保証されません。
  • 売った自宅を将来買い直す「買戻し」が口約束になっている
    買戻しの価格、申出の期限、価格の計算方法、第三者へ売却された場合の扱いを契約書で確かめます。
  • 修繕・設備・退去時に元の状態へ戻す「原状回復」を誰が負担するかわからない
    給湯器、屋根、配管、マンションの設備など、誰が何を直すのかを条文で確認します。
  • 売買と賃貸の契約相手がわからない
    仲介会社、買主、売却後の貸主、管理会社、家賃保証会社の正式名称と役割を確認します。
  • 売買と賃貸の一方が成立しない場合の扱いがない
    どちらかが成立しないとき、もう一方の契約、手付金・敷金、所有権、明渡しがどうなるかを確認します。
  • 「今日だけ」「審査が切れる」と署名を急かされる
    売買契約書と賃貸借契約書の案を持ち帰り、家族や、利害関係のない専門家へ見せます。

消費者が不動産会社などの宅建業者へ自宅を売るリースバックでは、宅建業法上のクーリングオフを使って無条件に解除することはできません。

国土交通省のガイドラインは、契約の解除に違約金などが生じる場合もあると説明しています。審査に通った直後こそ、署名を急がないでください。

国民生活センターの2026年更新のFAQでも、売却価格が相場より低くなることがある点や、家賃の値上げ・契約更新の問題で住み続けられなくなる可能性が、注意点として挙げられています。

リースバック審査のよくある質問

複数社へ同時に申し込むと不利になりますか?

相談した会社の数だけで必ず不利になる、という共通のルールはありません。ただし、短い期間に条件の違う申込書を出すと、どの会社へ何を伝えたかを管理しにくくなります。申込先が同じ家賃保証会社を使っている可能性もあります。

まず各社に、買取査定と賃貸・家賃保証の審査をどこまで行うのか、保証会社はどこかを確認します。比べるときは、同じ物件資料、ローン残高、希望する居住期間、収入情報を使い、提出日と回答を記録してください。

1社で審査に落ちたら、他社も通りませんか?

対応地域や物件種別など、会社独自の条件が理由なら、他社で取り扱える可能性があります。一方、共有者が同意しない、抵当権を外せない、差押えを解除できないといった問題は、申込先を替えるだけでは解決しません。

別の会社へ申し込む前に、どの段階で止まったのかを確認し、同じ資料・同じ希望条件で相談してください。

通常売却へ切り替えたいものの、転居先の賃貸審査が心配です

自宅の売買契約だけを先に決めず、転居先の候補、入居審査に必要な資料、初期費用、入居できる日を同時に確認します。売却代金を初期費用に使うなら、代金を受け取る日と、賃貸借契約の支払日が合うかも確認が必要です。

収入や信用情報に不安があることを隠さず、不動産会社へ、利用できる保証の方法と必要な資料を先に相談してください。

審査落ちの情報は住宅ローンの信用情報に残りますか?

リースバック会社が物件の買取を見送った事実だけで、住宅ローンの延滞情報になるわけではありません。ただし、家賃保証会社などが信用情報機関へ申込情報を登録・照会する契約では、その取扱いが申込書や同意条項に定められています。

「どの会社が、どの情報機関へ、何の情報を、どの期間登録・照会するか」を申込先へ確認してください。

まとめ

リースバックの審査は、住宅ローンのような一つの信用審査ではありません。物件を買い取れるか、決済日までに登記・住宅ローン・差押えなどを整理できるか、売却後も家賃を払えるか。この3つに分けると、落ちた理由と次の行動が見えてきます。

審査に落ちた後の判断は3段階
  1. 判断した相手と、止まった段階を確認する
  2. 会社独自の条件か、先に整理すべき問題かを分ける
  3. 他社への相談、条件の見直し、通常売却、借入先との相談から、原因に合う方法を選ぶ

審査に通っても、売却価格、家賃の総額、賃貸借契約の種類、修繕、買戻しが不明なままなら署名しないでください。目的は審査に通ることではなく、必要な資金と住まいを無理なく両立させることです。

本記事は2026年7月24日時点の公表情報を基にした一般的な解説です。契約、登記、税金、ローン返済の扱いは個別の事情で異なります。判断が難しいときは、契約相手だけでなく、内容に応じて弁護士、司法書士、税理士、借入先などへ確認してください。

参考資料

以下の内容は2026年7月24日に確認しています。

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