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実家じまいとは?何から始める?手順・費用と後悔しない進め方

この記事を読むとわかること
  • 実家じまいで片付けより先に確認すること
  • 親が居住中・施設入居・相続後の最初の進め方
  • 費用を7項目に分け、売却前の現金と手取りを計算する方法
  • 売却・買取・賃貸・保有・解体を同じ条件で比べる方法

実家じまいは、片付けから始めないことが大切です。最初に確認するのは、誰の家か、誰が決められるか、最終的にどうするかの3点です。

所有者や意思決定者が未確認なら、売却・解体・家財の一括処分は進めません。順番を逆にすると、必要書類を捨てる、家族の了承がない物まで処分する、査定前に解体して選べたはずの売り方をなくすといった、元に戻せない失敗につながります。

この記事では、親の状況別の初動、実家じまいの8段階、費用を7項目に分ける方法、売却・買取・賃貸・保有・解体の比べ方を、進める順番に沿って解説します。

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目次

実家じまいの費用に共通の相場はない|総額・売却前の現金・手取りに分ける

実家じまいに、全国共通の費用相場はありません。家財を自分で整理して実家を売れば、売却代金から費用を賄えることもあります。反対に、遠方への移動、家財整理、測量、解体が重なれば、売却前にまとまった現金が必要です。同じ「実家じまい」でも、必要な金額だけでなく、支払う時期が違います。

金額を一つにまとめると、この「いつ払うか」の違いが見えなくなります。そこで、次の三つに分けて考えます。

費用を考える3つの式

見込み支出総額 = 維持・移動費 + 引っ越し・保管費 + 家財整理費 + 登記・専門家費 + 売却準備費 + 修繕・解体費 + 税・申告費

売却前に用意する現金 = 見込み支出総額のうち、売却代金から支払えず、決済前に支払期限が来るもの

手取りの目安(税金とローン返済を引く前) = 売却代金 − 売却に伴う支出

見落としやすいのは、二つ目です。仲介手数料は決済時に支払う契約なら売却代金から賄えることがありますが、売買契約時と決済時に分けて請求される場合もあります。家財整理費や解体費も、着手金・中間金・残金の時期は業者によって異なります。見積額だけでなく、支払日まで確認してください。

三つ目で税金とローン返済を引いていないのは、金額を小さく見せるためではありません。譲渡所得税もローン残高も、取得費や返済状況によって人それぞれ違います。売り方を比べる段階では、まず共通条件で並べ、税とローンは自分の数字を確認してから差し引きます。

相場を一つ覚えるより、自分の家で発生する費用を七つに分けるほうが、予算の抜けを見つけやすくなります。維持・移動、引っ越し・保管、家財整理、登記・専門家、売却準備、修繕・解体、税・申告の七つです。

\ 手取りの計算は、売却価格の目安から /

実家じまいで最初にすることは親の状況で変わる|居住中・施設入居・相続後

実家じまいで最初にすることは、親の居住状況、判断能力、相続が始まっているかによって変わります。売却・解体・家財の一括処分を進める前に、自分が次のどれに当てはまるかを確認してください。

  1. 親が実家で暮らしている
    親の希望、次の住まい、残したい物、売却代金の使い道を本人と確認します。
  2. 親が施設などへ移っている
    実家へ戻る予定、契約内容を理解できる状態か、登記簿上の住所が現在の住所と一致しているかを確認します。
  3. 親が亡くなっている
    遺言、相続人、借金の有無、相続放棄の期限、相続登記や税の期限を確認します。

親族や第三者が実家に住んでいる場合は、所有関係だけでなく、賃貸借や使用貸借など居住の根拠と退去条件も先に確認します。確認が終わるまで、鍵の交換、荷物の搬出、ライフラインの停止は進めません。

本人の意思、相続人、借金の有無のどれかが未確認なら、売却・解体・価値のある家財の処分を先に進めないでください。

親が元気なうちの実家じまいは、売却より先に本人の住まいを決める

親名義の実家は、子どもにとっての「実家」であっても、法律上は親の財産です。親が契約の内容と結果を理解できる状態なら、売却を決めて契約するのは親本人です。

ただし、家を手放すかどうかだけを決めても、親の暮らしは決まりません。次の住まいに何を持っていくか、売却代金を住居費や介護費へどう充てるか、家族が残したい物は何か。ここまでをひと続きで考えます。

施設へ移った後も、一時帰宅の予定や、退所したときの戻り先として実家を残す考えがあるかもしれません。空き家に見えることと、処分してよいことは別です。

2026年4月1日から、不動産の登記名義人の住所や氏名が変わったときの変更登記が義務化されています。期限は原則として変更の日から2年以内です。制度開始前から住所などが変わったままの場合は、原則2028年3月31日までに登記します。親が施設へ転居した後、登記簿の住所が旧住所のままになっていないかも確認してください。

親の判断能力に不安があるとき|認知症でも実家を売れるかは診断名で決まらない

認知症と診断されただけで、直ちにすべての契約ができなくなるわけではありません。

反対に、診断がなくても、契約の意味や結果を理解できる意思能力がない状態で行った法律行為は、無効となる可能性があります。判断を分けるのは診断名だけではなく、契約時の本人の状態と取引内容です。

成年後見人が本人に代わって居住用不動産を売却・解体する場合は、家庭裁判所の許可が必要です。保佐人・補助人は、不動産を処分する代理権があるかを確認したうえで、同様に許可を得ます。今は施設で暮らしていても、以前の自宅や将来戻る可能性のある家が「居住用不動産」に含まれることがあります。

「子だから代理できる」「委任状があれば売れる」とはかぎりません。本人の意思、委任したときの状態、代理権の内容に少しでも不安があれば、査定は情報収集にとどめ、契約の前に司法書士や弁護士へ相談してください。

相続後の実家じまいは、家財を動かす前に相続人と期限を確認する

相続放棄(財産も借金も原則として引き継がない手続き)は、自分のために相続が始まったことを知ったときから3か月以内が原則です。この期間は「熟慮期間」と呼ばれます。財産や借金を調べても判断できない場合は、期間内に家庭裁判所へ熟慮期間の伸長を申し立てられます。

問題は、この3か月のあいだの行動です。相続放棄を検討している間に実家を売却・解体したり、価値のある家財を処分したりすると、相続財産の処分として法定単純承認に当たるおそれがあります。建物を守るための保存行為などは扱いが異なるため、何を動かしてよいか分からないときは、動かす前に弁護士へ確認してください。

相続する方針であっても、共有になった実家全体を売るには、原則として共有者全員の合意が必要です。遺言の有無、相続人の範囲、誰が不動産を取得するかを先に確認します。

相続した実家を売るときは、まず不動産の名義を売主となる相続人へ変更する「相続登記」を行い、その後に買主へ所有権を移すのが通常です。

相続登記は、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内が原則です。2024年4月1日より前に始まった相続も対象で、制度開始前から取得を知っていた場合は、原則2027年3月31日が期限です。

相続後の実家じまいで確認する主な期限

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期限の目安主な手続き注意点
3か月以内相続放棄・限定承認自分のために相続が始まったことを知った時から
限定承認は、相続財産の範囲内で債務を負担する手続き
必要なら熟慮期間の伸長を検討
4か月以内所得税の準確定申告申告が必要な場合
相続の開始があったことを知った日の翌日から数える
10か月以内相続税の申告・納付相続税の申告が必要な場合
亡くなったことを知った日の翌日から数える
3年以内相続登記不動産を相続で取得したことを知った日からが原則
売却時期で変動相続空き家の3,000万円特別控除など取得者数、建築時期、利用状況、売却期限など複数条件あり

期限を数え始める日も、手続きが必要な人も、同じではありません。死亡日だけを基準に一つのカレンダーへまとめず、税務署、司法書士、税理士へ個別に確認してください。

\ 親の状況が整理できたら、価格の確認へ /

実家じまいの手順は8段階|片付ける前に売却・活用の方針を比べる

実家じまいの手順は8段階|片付ける前に売却・活用の方針を比べる

実家じまいは、家財を減らすだけでは完了しません。安全を確かめ、所有者や期限を整理し、売却・賃貸・保有などの方針を比べたうえで、片付けや契約を進めます。

次の8段階を順番に確認すると、家族の了承や必要書類がそろわないまま、処分や契約を進める失敗を防ぎやすくなります。

STEP
実家の危険と緊急対応を確認する

建物の内外を撮影し、雨漏り、漏電、ガス臭、水漏れ、倒壊、害虫などの危険がないかを確認します。危険が見つかった場合は、通常の片付けを始めず、安全確保を優先してください。

STEP
実家の所有者・意思決定者・関係者を一覧にする

登記事項証明書などで所有者を確かめ、売却や家財処分を決められる人、現地で動く人、費用を支払う人を分けて整理します。親本人の意思、相続人、共有者が確認できるまでは、売却や解体を進めません。

STEP
実家の書類・期限・年間維持費を洗い出す

権利証や売買契約書、遺言、借入資料、納税通知書などを集め、相続放棄、税の申告、登記の期限を一覧にします。あわせて、固定資産税、保険、光熱費、見回り、交通費などの年間維持費も確認してください。

STEP
実家から重要品を救出し、写真で記録する

重要書類、現金、通帳、印鑑、鍵、貴重品、思い出の品を先に分け、持ち出した物と保管場所を記録します。所有者や価値が分からない物は、その場で捨てず、家族が確認するまで保留にしてください。

STEP
片付ける前に実家の売却・賃貸・保有を比べる

家財が残っている現在の状態で、仲介による売却、買取、賃貸、保有、解体後の売却を比べます。現況の査定を取らないまま、修繕や解体を契約すると、選べたはずの売り方を失う可能性があります。

STEP
実家じまいの費用・担当・精算方法を決める

見積もりを比較し、誰が契約するか、誰が費用を立て替えるか、何のお金からいつ精算するかを家族で決めます。追加費用が出たときの予算上限と承認方法も、作業を始める前に共有してください。

STEP
家財整理と実家の売却手続きを進める

方針と予算が決まったら、家財整理、不動産会社との媒介契約、売買契約などを進めます。見積範囲、追加料金、廃棄物を運ぶ許可業者、家財を残す条件を、口頭だけでなく書面で確認してください。

STEP
登記・申告・解約・家族間精算を終える

引き渡し後は、必要な登記や税の申告、公共料金・保険・通信などの解約、立替金の精算を行います。家が空になっていても、名義、税務、契約の処理が残っていれば、実家じまいは完了していません。

実家の危険と緊急対応を確認する

最初の訪問では、作業より確認を優先します。建物の外周と各室を撮影し、日時も記録します。雨漏り、漏電、ガス臭、水漏れ、窓や鍵の破損、外壁や屋根材の落下、害虫、庭木の越境。こうした点が見つかったら、必要な安全措置を先に取ってください。

空き家になった直後に、水道・電気・火災保険を一律に止めるのは避けます。査定、換気、清掃、凍結防止、設備確認に必要になるからです。保険は、補償の対象や空き家になったときの扱いを保険会社へ確認し、売却や解体の完了日と合わせて終了時期を決めます。

近隣へ連絡先を渡すときは、親の病状や相続の事情まで説明する必要はありません。「当面の管理連絡先」と、異常があったら知らせてほしい内容だけを伝えます。

実家の所有者・意思決定者・関係者を一覧にする

固定資産税の納税通知書だけでは、現在の登記名義を確定できない場合があります。登記事項証明書で、土地・建物の名義、共有持分、抵当権(住宅ローンなどの担保として設定される権利)を確認します。

そのうえで、「決める人」「動く人」「払う人」を同じ欄にまとめず、次の役割ごとに書き出します。

  • 家を所有している人
  • 売却や賃貸を決められる人
  • 家財の所有者・相続人
  • 現地作業を担当する人
  • 見積もりを集める人
  • 費用を一時的に支払う人
  • 契約や税務を確認する専門家

連絡の窓口を1人にしても、処分や売却の決定権までその人に集まるわけではありません。「窓口」「決定者」「支払者」を別々に書いておくと、家族内の誤解を減らせます。

実家の書類・期限・年間維持費を洗い出す

家財を動かす前に、次の書類を探します。

分類主な書類
不動産登記識別情報・権利証、固定資産税通知書、測量図、境界確認書、建築確認関係、設計図、修繕記録
購入時の資料売買契約書、建築請負契約書、購入代金・仲介手数料・改良費の領収書
相続遺言書、戸籍関係書類、遺産分割に関する記録、借入・保証の資料
お金・契約通帳、印鑑、保険、住宅ローン、公共料金、通信、警備、リース、サブスクリプション
本人確認マイナンバー関係書類、身分証、年金・介護・医療の書類

とくに慎重に扱いたいのは、購入時の古い契約書です。相続した不動産を売った利益(譲渡所得)を計算するとき、親が購入・建築したときの代金などの「取得費」と購入時期を、原則として引き継ぐからです。

取得費が分からない場合は、売却代金の5%を概算取得費にできます。ただし、実際の取得費を証明できたほうが、課税される譲渡所得を抑えられることがあります。

捨てやすく見える古い紙が、家財整理費より大きな差につながることもあります。書類を確認し終えるまで、紙類の一括廃棄はしないでください。

維持費は、納税通知書や請求書から実額を集めます。

年間維持費 = 固定資産税・都市計画税 + 保険料 + 水道光熱の基本料金 + 見回り・草刈り + 修繕・害虫対策 + 交通・宿泊費

実家から重要品を救出し、写真で記録する

家の中の物を「捨てる・残す」の二択で分けると、所有者や価値が分からない物まで、その場で判断することになります。

家の中の物は、次の4つに分けます。

  1. 必ず持ち出す
    権利・税務書類、現金、通帳、印鑑、身分証、鍵、借用品
  2. 家族が確認する
    写真、手紙、形見、位牌、本尊、過去帳、遺骨
  3. 価値を確認する
    貴金属、美術品、骨董品、新しい家電、コレクション
  4. 判断を保留する
    所有者や処分方法が分からない物

各部屋は入口から撮り、収納、屋根裏、物置、車庫、庭も記録します。持ち出した物は、品名、写真、日付、持ち出した人、保管場所を一覧にします。

片付ける前に実家の売却・賃貸・保有を比べる

家財を全部出す前、建物を壊す前に、いまの状態のまま資料を集めます。不動産会社はこの状態を「現況」と呼びます。

  • 仲介で売る場合に実際に売れると見込む価格(成約予想価格)、期間、売主負担
  • 不動産会社が買い取る場合の価格、家の中に残した家財の扱い、入金時期
  • 貸す場合の賃料、初期工事、管理費、空室・修繕の見込み
  • 保有する場合の年間維持費と管理担当
  • いまの状態のまま売る場合と、解体して土地で売る場合の価格差

査定先には、同じ日に撮った写真、家財の量、土地・建物の情報、希望時期を共通で渡します。条件のそろっていない見積もりを並べても、比べたことにはなりません。仲介の査定で確認するのは、広告に出す価格だけではなく、根拠のある成約予想価格と、低め・標準・高めの幅です。

査定額の高さと、手元に残る額の多さは別の話です。成約予想価格から費用を引き、売却までの期間と現地へ通う回数も並べて比べます。

\ 片付ける前でも、査定は受けられます /

実家じまいの費用・担当・精算方法を決める

見積もりを取ったら、誰が契約し、誰が一時的に支払い、いつ、何のお金から精算するかを記録します。

親が所有する実家の売却代金は、親の財産です。子が片付け費用を立て替える場合も、親の口座から返すのか、貸付として記録するのかを曖昧にしません。相続後の費用も、遺産から当然に差し引けるわけではなく、費用の性質や家族の合意によって扱いが変わります。

家族の合意メモには、次の7項目を残します。

  • 売却・保有などの方針
  • 捨てない物と確認期限
  • 各作業の担当者
  • 見積もりの承認者
  • 立替者、予算上限、精算日
  • 売却代金や家財買取代金の受取先
  • 追加費用が出たときの決め方

税務上の贈与や、遺産分割への影響が気になる場合は、支払う前に税理士や弁護士へ確認します。

家財整理と実家の売却手続きを進める

家財整理では、処分する物、買い取ってもらう物、運ぶ物を分け、書面の見積もりを取ります。家財整理と不動産売却を同じ窓口へ依頼する場合も、それぞれの金額と、実際に作業する会社を分けて示してもらいます。

家庭から出る廃棄物を業として回収・運搬できるのは、物件所在地の市区町村から一般廃棄物処理業(収集運搬)の許可を受けた事業者か、市区町村から委託された事業者です。産業廃棄物処理業や古物商の許可だけでは、家庭ごみを回収できません。

定額パックをうたう不用品回収では、高額な追加請求を受けた事例が報告されています。総額だけでなく、作業範囲、追加料金、キャンセル料、実際に運搬する許可業者を書面で確認してください。

不動産の契約では、家財を残す範囲、撤去期限、費用負担に加え、引き渡し後に書類や貴重品が見つかった場合の扱いも書き入れます。「現況渡し(いまある状態で引き渡す)」の一言で済ませると、後から出てきた物の扱いでもめる可能性があります。

登記・申告・解約・家族間精算を終える

家が空になっても、名義や税、契約が残っていれば実家じまいは終わりません。次の項目まで済んでいるかを確認します。

  • 相続登記、住所変更登記、抵当権抹消(住宅ローン完済後などに担保の登記を外す手続き)、建物滅失登記(建物がなくなったことを登記簿へ反映する手続き)など
  • 譲渡所得や相続税など、必要な申告と納付
  • 電気、ガス、水道、通信、警備、保険、新聞、定期購入
  • 郵便の転送、自治体や金融機関などの住所変更
  • 鍵、境界資料、設備資料の引き渡し
  • 立替金、家財買取代金、売却代金の家族間精算
  • 契約書、見積書、請求書、領収書、作業前後写真の保管

建物を解体した場合は、原則として建物がなくなった日から1か月以内に建物滅失登記を申請します。また、土地や建物を売却しただけでは、公共料金や保険は自動で解約されません。

実家じまいの費用内訳|7項目に分けて見積もる

費用表は、「発生するか」「いつ払うか」「最終的に誰が負担するか」を分けて作ります。売却代金から支払える費用と、作業前に現金で払う費用があるためです。

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費用区分主な内容金額が変わる要因・確認方法
1.維持・移動固定資産税、保険、光熱基本料、見回り、草刈り、交通、宿泊納税通知書・請求書と訪問回数から実額計算
2.引っ越し・保管親の転居、形見の運搬、トランクルーム荷物量、距離、保管期間
3.家財整理分別、梱包、搬出、廃棄、家電リサイクル、清掃間取りだけでなく荷物量、階段、車両、廃棄方法、買取額
4.登記・専門家相続・住所変更・抵当権抹消・滅失登記、司法書士等固定資産税評価額、不動産と相続人の数、必要書類
5.売却準備・取引仲介手数料、印紙、測量、境界、診断、住宅ローン残債の返済売却価格、契約方法、境界・建物・ローンの状況
6.修繕・解体清掃、補修、アスベスト調査、解体、庭・塀・地中物構造、延床面積、道路、付帯物、アスベスト、補助制度
7.税・申告譲渡所得税、相続税、税理士報酬など取得費、所有期間、特例、相続税、売却時期

実家の家財整理費用は、間取りだけでは決まらない

民間比較サイトが2026年3月21日に更新した掲載目安では、1R・1Kが3万〜8万円、1LDKが7万〜20万円、2LDKが12万〜30万円、3LDKが17万〜50万円、4LDK以上が22万〜60万円です。

日本郵便に掲載された別の記事では、家電リサイクル料金を含む例として、1R・1Kが10万〜15万円、1LDK・2DK・3Kが30万〜50万円、2LDK・3DK・3LDK以上が50万〜100万円以上とされています。

同じ間取りでも金額が大きく違うのは、荷物量、家電、搬出、清掃など、見積もりに含まれる作業が同じではないからです。どちらか一方を全国共通の相場として覚えず、次の内訳をそろえて比べます。

家財整理費 = 人件費 + 分別・梱包費 + 搬出・車両費 + 一般廃棄物処理費 + 家電リサイクル費 + オプション費 − 買取額

見積書では、次を確認してください。

  • 荷物量または品目、車両の大きさと台数
  • 作業人数と時間、階段・駐車位置
  • 分別、梱包、搬出、清掃の範囲
  • 廃棄物を運ぶ会社名と、物件所在地での許可・委託関係
  • 家電リサイクル料金と収集運搬料金
  • 買取品と買取額
  • 追加料金になる条件
  • 税込み総額、キャンセル料、損害への補償

実家売却の仲介手数料は、売却価格で上限が変わる

売却価格が800万円を超える場合、仲介手数料の通常の上限は、1人の依頼者につき次の速算式で計算できます。

仲介手数料の上限(税込)=(消費税等を含まない売却価格 × 3% + 6万円)× 1.1

2,000万円なら72万6,000円、3,000万円なら105万6,000円です。あくまで不動産会社が受け取れる上限であって、必ずこの額を請求される定額ではありません。

売買価格が800万円以下の宅地・建物は、使用されているかどうかを問わず、「低廉な空家等」の特例対象になり得ます。不動産会社が必要な費用を踏まえて事前に説明し、依頼者と合意した場合、1人の依頼者から受け取れる上限が税込33万円となることがあります。「800万円以下なら必ず33万円」「実際の空き家だけが対象」という制度ではありません。

紙で作る不動産売買契約書の印紙税は、2027年3月31日までの軽減措置により、契約金額が500万円超1,000万円以下なら5,000円、1,000万円超5,000万円以下なら1万円です。

実家の相続登記費用は、評価額の0.4%に報酬・実費を足す

相続による所有権移転登記の登録免許税(登記申請時に国へ納める税金)は、原則として固定資産税評価額の0.4%です。固定資産税評価額とは、市区町村が固定資産税などの計算に使う評価額です。市場で売れそうな価格に0.4%を掛けるのではありません。

たとえば、土地・建物の固定資産税評価額の合計が1,000万円なら、登録免許税は原則4万円です。ここに、司法書士へ依頼する場合の報酬や、戸籍・証明書の取得費が加わります。相続関係が複雑、物件数が多い、相続登記をしないうちに次の相続が起きているといった場合は、費用が増えます。

相続登記をしないまま次の相続が始まった土地や、登録免許税の課税標準額が100万円以下の土地には、2027年3月31日まで免税措置が適用される可能性があります。建物を含めて一律に免税となる制度ではなく、申請書への法令条項の記載も必要です。

実家の解体費用は、本体工事と付帯工事を分けて見る

民間の公開目安の一例では、木造住宅の本体解体は1坪3万〜5万円程度、鉄骨造は4万〜6万円程度、鉄筋コンクリート造は6万〜8万円程度です。木造30坪なら、本体解体だけで90万〜150万円の計算になります。

ただし、総額はこれだけでは決まりません。本体解体とは別に、次の費用が加わります。

  • 家財や一般廃棄物の処分
  • アスベスト(石綿)の事前調査と除去
  • 塀、門、樹木、庭石、物置、井戸、浄化槽
  • 地下埋設物、地中の基礎
  • 狭い道路での小型重機・手壊し
  • 養生、交通誘導、整地、各種届出
  • 建物滅失登記

建物の解体・改修では、規模の大小にかかわらずアスベストの事前調査が必要です。建築物の調査は、原則として一定の資格を持つ人が行います。そのうえで、解体部分の床面積が80平方メートル以上の工事は、事前調査結果の報告対象です。

床面積80平方メートル以上の建築物の解体工事は、建設リサイクル法に基づく届出の対象でもあり、原則として着工7日前までに提出します。アスベスト調査の報告とは別の制度なので、両方の要否を確認してください。

解体補助金は、契約や着工の前に申請しなければ対象外となる自治体があります。査定、見積もり、自治体への確認、交付決定の順を確かめてから契約してください。

解体するかどうかは、次の式で比べます。

解体した場合の差額 = 解体後の想定売却価格 − 現在の状態での想定売却価格 − 解体関連費 − 解体によって増える維持費・税負担

式の最後の項目を忘れないでください。住宅を解体し、1月1日時点で住宅用地に当たらない状態になると、土地の固定資産税などを軽くする「住宅用地特例」は、原則として翌年度から適用されません。ただし、建物分の固定資産税はなくなるため、土地・建物の税額合計が単純に6倍になるわけではありません。解体前に、自治体へ翌年度の見込みを確認します。

実家売却の譲渡所得税は、実家じまいの支出総額とは別に計算する

不動産を売った利益のうち、税金の計算対象になる「課税譲渡所得」は、基本的に次の式で計算します。

課税譲渡所得 = 売却代金 − 取得費 − 譲渡費用 − 適用できる特別控除

相続した不動産は、原則として亡くなった人の取得費と取得時期を引き継ぎます。取得費が分からない場合は、売却代金の5%を概算取得費とする方法があります。

ここで混同しやすいのが、資金計画上の「支出」と、税務上の「譲渡費用」です。譲渡費用とは、売るために直接かかった費用を指します。仲介手数料、売主が負担した印紙税、売却のために行った解体費などは譲渡費用になる場合がありますが、通常の修繕費、固定資産税、維持費、家財整理費が、そのまますべて譲渡費用になるわけではありません。二つは別々に整理してください。

相続した空き家を売る場合は、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例を使えることがあります。主な確認項目は次のとおりです。

  • 売却が2027年12月31日まで、かつ相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までであること
  • 1981年5月31日以前に建築された家で、分譲マンションなどの区分所有建物ではないこと
  • 亡くなった人が原則として1人で住んでいたこと(一定の要件を満たす老人ホーム等への入居を含む)
  • 売却額が1億円以下であること
  • 相続後に賃貸・事業・居住へ使っていないこと
  • 耐震改修または解体などの要件を満たすこと

さらに、2024年1月1日以後の売却で、対象の家屋と敷地を取得した相続人が3人以上なら、控除の上限は1人2,000万円です。買主が譲渡の翌年2月15日までに耐震改修や取り壊しを行う形にする場合は、買主の協力と証明書類も必要です。控除は自動では適用されません。契約の前に税務署や税理士へ確認し、確定申告を行ってください。

親本人が生前に自宅を売る場合は、居住用財産の3,000万円特別控除を使える可能性があります。以前住んでいた家は、原則として住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る必要があります。ほかにも条件があるため、売却時期を決める前に税務署や税理士へ確認してください。

実家が2,000万円で売れたとき、手取りはいくら残るか(架空例)

売却価格が同じでも、手元に残る額は支出の中身で変わります。相続した地方都市の3LDK戸建てを2,000万円で売る架空例で、売却代金から何がどれだけ引かれるかを見ます。

実際の相場や見積額を示すものではなく、家財整理費、訪問費、維持費は資金収支上の支出であり、税務上の譲渡費用とは一致しません。

資金収支例の前提

  • 相続した地方都市の3LDK戸建てを、仲介で2,000万円で売却
  • 相続人は3人で、相続登記の対象は土地1筆(登記上の土地1区画)・建物1棟
  • 家財整理を委託し、解体・測量・修繕はしない
  • 固定資産税評価額の合計は1,000万円
  • 相続登記と抵当権抹消を司法書士へ依頼
  • ローン返済、譲渡所得税、相続税は含めない
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項目試算額計算の前提
家財整理350,000円架空の見積額
家電リサイクル・運搬20,000円架空の見積額
遠方から4回訪問144,000円1回36,000円
引き渡しまで6か月の維持100,000円税・保険・基本料金等の架空額
相続登記119,888円登録免許税40,000円+報酬アンケート全国平均74,888円+書類実費5,000円
仲介手数料726,000円法律上の上限で試算
印紙税10,000円紙の契約書・軽減税率
抵当権抹消19,470円土地1筆・建物1棟の税2,000円+報酬アンケート全国平均17,470円
支出合計1,489,358円 
手取りの目安(税金・ローン返済前)18,510,642円20,000,000円−1,489,358円
架空例です。実際の相場や見積額ではありません。

司法書士報酬には、日本司法書士会連合会が公表した報酬アンケートの全国平均を使っています。設例の条件に基づく平均であり、個別案件の見積額ではありません。

2,000万円で売れても、この例では約149万円が出ていきます。しかも、ローン返済と譲渡所得税はまだ入っていません。売却価格をそのまま資金計画に使えないのは、このためです。

測量、修繕、解体、ローン返済、譲渡所得税が加われば、手取りはさらに減ります。反対に、家財を自分で整理したり、仲介手数料が上限を下回ったりすれば、支出は減ります。自分の金額へ置き換えるときは、空欄を0円で埋めず、「不要と確認済み」なのか「未確認」なのかを分けてください。

\ 手取りは、査定額を入れないと出ません /

実家じまいで売却・買取・賃貸・保有・解体をどう選ぶか

仲介の査定額が最も高い案が、最も多くお金を残す案とはかぎりません。支出、売却までの期間、家族の負担、将来も残る責任まで含めて比べます。

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選択肢向きやすい状況判断前に取る資料主な注意点
仲介で売る時間をかけて広く買主を探せる成約事例、成約予想価格、期間、売主負担査定額どおりに売れる保証はなく、内覧・維持が続く
不動産会社に買い取ってもらう早く手放したい、現地対応を減らしたい買取価格、費用、家財を残す条件、入金日仲介の成約予想価格より低いことがある
貸す賃貸需要があり、修繕と管理を続けられる賃料査定、初期工事、管理費、空室・修繕想定収入が保証されるわけではなく、貸主責任が続く
当面保有する将来使う具体的な予定と管理者がいる年間維持費、管理計画、見直し日期限なしの保留は、費用と劣化を積み上げやすい
解体して土地で売る建物が市場価値を下げ、解体後に増える見込み額が費用を上回る現況・更地の両査定、解体見積、税・補助確認先に壊すと古家需要や税特例、補助制度を失う場合がある

実家の売却は、仲介と買取を同じ条件の「手取り」で比べる

仲介では「成約予想価格」、買取では「実際の提示価格」を使い、そこから次の費用を両方とも差し引きます。

  • 家財整理と引っ越し
  • 仲介手数料・契約費用
  • 修繕・測量・解体
  • 入金までの維持費
  • 現地へ行く交通・宿泊費
  • ローン返済

買取で「残置物処分無料(家財の処分費がかからない)」と説明された場合も、処分の負担が買取価格へ織り込まれている可能性があります。不動産の価格、家財の買取額、処分費、追加費用を分けて書面でもらいます。

実家を貸す選択は、売らない決断ではなく貸主になる決断

見込むのは賃料収入だけではありません。入居前の工事、仲介・管理費、空室、設備交換、退去後の修理(原状回復)、税務まで含めます。家族の誰が修繕を判断し、急な連絡へ対応するかも決めておきます。

税の面でも、見落としやすい点があります。相続空き家の3,000万円特別控除は、相続後に貸した家では原則として使えません。将来の売却も考えるなら、賃貸契約を結ぶ前に税務上の影響を確認してください。

実家を当面保有するなら、管理する人と見直し日を決める

すぐに結論を出せないときは、当面の保有も選択肢です。ただし、「家族で考えておく」という状態のままでは、見回りも支払いも誰か1人へ偏りがちです。管理する人、年間予算、災害時の連絡先、次に売却方針を見直す日まで決めます。

放置して建物の傷みが進むと、管理が不十分な空き家として「管理不全空家」に、周囲への影響が深刻な空き家として「特定空家」に指定され、指導を受ける可能性があります。勧告を受けた敷地は、土地の固定資産税などを軽くする住宅用地特例の対象から外れます。ここでも、土地・建物を合わせた税額が一律に6倍になるわけではありません。

実家の解体は、現況の査定と税・補助制度の確認後に決める

「古いから更地のほうが売れる」とはかぎりません。古家を直して使いたい買主や、解体を自分で手配したい買取会社もいます。先に壊すと、その需要ごと失います。

最低でも、次の順で判断します。

  1. 現況のまま売る場合の価格と条件を取る
  2. 更地にした場合の価格と売却期間を取る
  3. 付帯工事を含む解体見積もりを取る
  4. 固定資産税、税特例、自治体補助の影響を確認する
  5. 費用負担と、解体後に売れないリスクを比べる

\ 仲介と買取、同じ条件で比べられます /

実家の片付けと契約解約の進め方|捨てる前に救出、解約は最後

片付けでは、物を減らす速さより、誰の物かを確かめ、あとから追える状態にすることを優先します。

実家の家財は、写真と確認期限をセットで家族へ共有する

「残したい物があれば連絡して」とだけ伝えると、返事が来ないまま作業が止まります。部屋ごとの写真を共有し、保留箱の置き場所と確認期限まで伝えます。

家族への連絡文例

〇月〇日の作業に向け、各部屋と収納の写真を共有します。残したい物は〇月〇日までに写真番号で知らせてください。通帳・権利書類・写真・位牌などは処分せず、別箱で保管します。期限まで判断できない物は、箱〇個を上限に〇月末まで保管し、その後の扱いを改めて決めます。

高価な物を誰かが持ち出すときは、相続人や所有者の合意を取り、写真と受領記録を残します。

実家の片付け業者は、見積もりと処分方法・許可まで確認する

見積書に「一式」としか書かれていない場合は、分別、搬出、清掃、廃棄、家電、買取を分けてもらいます。一般廃棄物を実際に運ぶ会社と、物件所在地での許可・委託関係、処分先も確認します。

無料回収や定額パックの広告だけで契約せず、できれば現地確認を含む複数の書面見積もりを取ります。追加料金が出る物、階段や駐車距離、作業後に重要品が見つかった場合の対応まで決めておきます。

実家の公共料金・保険など、解約する契約と時期を一覧にする

契約の名義、連絡先、解約日、最終請求、返却物を一つの表にします。

契約終了時期を決める前の確認
電気・水道査定、清掃、通水、凍結防止、解体に必要か
ガス・灯油閉栓、容器や残油の回収方法
火災・地震保険空き家時の補償、売却・解体日との関係
通信・警備機器の返却、撤去費、違約金
介護・医療機器レンタル品の所有会社と返却
新聞・定期購入解約日、未配達分、転送先
郵便転居届だけでなく、重要な送付元の住所変更
デジタル契約メール、クラウド、通販、サブスク、端末の認証

実家じまいで後悔につながりやすい7つの進め方

次の七つは、その時点では作業が前に進んでいるように見えます。戻せなくなるのは、確認より先に物や契約を動かした点が共通しています。

親や相続人の了承前に実家の家財を捨てる

所有権の問題だけではありません。写真や形見を失った不満は、金額では埋め合わせにくいものです。家族が確認する箱と期限を作り、処分の承認を記録します。

重要書類を探す前に、実家の紙類を一括廃棄する

売買契約書、建築請負契約書、測量図、修繕の領収書は、売却や税の計算に使う可能性があります。紙類は「重要書類を確認し終えた」と言えるまで残します。

査定前に実家を空にし、修繕・解体してしまう

家の中に残した家財(残置物)ごとの買取、現在の状態での仲介、古家付き土地。これらの選択肢を見ないまま、費用を先に固定してしまいます。重要品だけ救出し、いまの状態での価格を先に取ります。

\ 空にする前に、いまの状態の価格を /

解体補助金や税の特例を使える前提で契約する

自治体の解体・家財処分補助には、対象地域、空き家の状態、業者、申請時期などの条件があります。税控除にも、所有・利用・売却時期などの条件が付きます。「使えそう」で進めず、担当窓口へ対象と必要書類を確認してから契約してください。

家財整理や解体の見積もりを「一式」と総額だけで比べる

安く見える見積もりに、家電、庭、階段作業、アスベスト、運搬、処分が含まれていないことがあります。同じ範囲と同じ写真を渡し、追加料金の条件まで比べます。

実家の電気・水道・火災保険をすぐに解約する

点検や清掃で必要になったり、無保険の期間ができたりします。最終利用日と、引き渡し・解体日から逆算して決めます。

実家じまい費用の立替を家族間の口約束で済ませる

交通費や小さな購入費でも、回数が増えれば大きくなります。立替日、目的、金額、領収書、精算方法を共通の表へ記録します。

遠方の実家じまいは「現地へ行く回数」を先に設計する

遠方では、思いつくたびに訪問すると、交通費も時間も膨らみます。現地でしかできないことをまとめ、オンラインや郵送でできることと分けます。

訪問まとめて行うこと
1回目安全確認、全室・外周の撮影、書類と重要品の救出、鍵の確認
2回目不動産会社・家財整理業者・必要な専門業者の現地確認を同日に集約
3回目家族が持ち出す物の確定、契約前の最終確認
4回目作業後・引き渡し前の確認、鍵と書類の受け渡し

実際の回数は家の状態で変わります。現地の窓口役を決める場合は、鍵を預ける範囲、立ち入りの連絡方法、撮影してよい場所、緊急時に使える費用の上限を書面にします。

見積もりは、同じ写真と条件で依頼し、オンラインで先に不足資料を確認します。原本を送る必要があるときは、コピーを残し、追跡できる方法を使います。

実家じまいの相談先はどこ?止まっている作業で選ぶ

一つの窓口ですべてが解決するわけではありません。相談先の得意分野と、報酬が誰から発生するのかを確認します。

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困っていること主な相談先確認したいこと
売却・買取・賃貸の比較不動産会社(宅地建物取引業者)成約根拠、期間、費用、残した家財への対応
相続登記、住所変更、抵当権抹消司法書士、法務局必要書類、期限、登録免許税、報酬
相続人間の対立、相続放棄、代理権弁護士処分を止める範囲、交渉・手続き
成年後見人などが実家を売る・壊す家庭裁判所、司法書士・弁護士代理権と居住用不動産の処分許可
譲渡所得、相続税、特例比較税務署、税理士適用条件、必要書類、申告期限
土地の境界、建物の表題登記・滅失登記土地家屋調査士、法務局測量範囲、隣接地対応、費用
家財・家庭ごみの処分物件所在地の自治体、許可・委託業者分別、持込、許可、補助制度
解体解体業者、自治体アスベスト、付帯工事、届出、補助金
保険・住宅ローン保険会社、金融機関空き家時の補償、ローン残高、担保を外す書類

\ 売却・買取・賃貸の比較は不動産会社へ /

家族で使える実家じまい進行表・費用設計シート

家族会議では、思い出の品を一つずつ話し始める前に、方針・担当・費用・期限を一つの表にまとめます。「禁止する作業」と「完了条件」まで書いておくと、誰か1人の判断で作業が先走るのを防ぎやすくなります。

実家じまい進行表(記入例つき)

記入例は、相続した3LDK戸建てを、解体せず仲介で売る想定です。手順を示すための架空ケースで、実在の相談・取引事例ではありません。右の欄に、自分の家の内容を書き入れてください。

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項目記入例自分の家の記入欄
基準日2026年8月17日 
現在の状況
(居住中・施設入居・判断能力に不安・相続後)
父が死亡。相続する方針で、母はすでに死亡 
所有者・登記名義父名義のまま
相続登記はこれから
 
意思決定者・相続人・共有者相続人は長女・長男の2人
遺言なし。借金なども調査済み
遺産分割協議により、長女が家を取得して売主になる方針
 
手続き・申告の期限相続登記、相続税申告の要否確認、売却特例の期限確認 
現地対応の担当者と、任せる範囲長男。鍵の保管と業者立ち会いのみ 
捨てない物売買契約書、測量図、通帳、印鑑、写真、位牌、貴金属 
禁止する作業・停止条件遺産分割成立前の売却契約、高価品の処分、査定前の解体 
比較案Aと手取りの目安現在の状態のまま買取。提示価格と、家財を残す条件を2社比較 
比較案Bと手取りの目安重要品搬出・家財整理後に仲介。低・標準・高の成約予想を確認 
採用方針と理由仲介。現況で査定し、建物を利用したい需要を確認してから、解体しないと判断 
予算上限・追加時の承認方法売却前支出160万円。追加10万円超は2人で再承認 
立替者・精算に使うお金・精算日長女が立替。領収書を共有し、売却代金受領時に精算 
見積もりの共通条件全室写真を共通使用
分別・搬出・許可業者・家電・清掃・追加条件を分けて記載
 
契約書・領収書の保管場所共有フォルダ。原本は長女が保管 
次回確認日2026年8月31日。査定3案と家財見積2社を比較 
完了条件引き渡し、登記、必要な申告、契約解約、立替精算、書類保管まで終了 
記入例は架空ケースです。

実家じまいの費用設計表(記入例)

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費用区分予定額支払時期支払者確認状況
維持・移動244,000円随時長女4回訪問・6か月で試算
引っ越し・保管0円不要と確認済み
家財整理370,000円作業後長女2社見積予定
登記・専門家139,358円登記時長女報酬は公開アンケート平均で試算
売却準備・取引736,000円契約時・決済時長女・売却代金仲介上限・印紙で試算。請求時期は要確認
修繕・解体未確認契約前未定現況査定後に必要性を判断
税・申告未確認申告時長女取得費・特例を税理士へ確認

「0円」と「未確認」は必ず分けてください。まだ調べていない費用を0円にすると、予算不足が見えなくなります。

コピーして使える実家じまいの費用設計表(空欄)

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費用区分予定額支払時期支払者見積・確認先と状況
維持・移動    
引っ越し・保管    
家財整理    
登記・専門家    
売却準備・取引    
修繕・解体    
税・申告    
合計    

\ 比較案AとBは、査定を取ると埋まります /

実家じまいのよくある質問|片付けの順番・親の同意・費用・期間

相談の場でとくに多い質問を、5つにまとめました。

実家は片付けてから査定してもらうべきですか?

いいえ。重要書類、貴重品、家族が残す物を救出したら、家財がある状態でも査定を受けられます。

家の中に残した家財(残置物)ごとの買取、片付け後の仲介、古家付き土地などを比べてから、必要な範囲だけ片付けてください。

親が実家じまいに同意しない場合、子どもだけで進められますか?

親名義の家を、子どもであるという理由だけで売却・解体することはできません。

まず親本人の意思と理解を確認します。判断能力に不安がある場合は、委任状を急いで作らず、司法書士や弁護士へ相談してください。

兄弟姉妹のうち、誰が費用を払うものですか?

全国一律の決まりで自動的に1人へ決まるわけではありません。所有者、相続の状況、費用の目的、家族の合意で扱いが変わります。

契約者、立替者、精算に使うお金、領収書の保管を先に決め、相続や税への影響がありそうなら専門家へ確認してください。

実家じまいにはどれくらいの期間がかかりますか?

荷物量、家族の合意、名義、不動産の売れやすさで変わるため、一律の標準期間はありません。

「いつ終わるか」から逆算するより、相続放棄・申告・登記など法令上の期限を先に確認し、2週間ごとの確認日を設けると、遅れに気づきやすくなります。

家財を残したまま売却できますか?

買主が内容と費用負担に合意すれば可能です。不動産会社による買取では、家の中に残した家財ごと引き受ける会社もあります。

残す物、撤去する物、処分費、追加費用、重要品が見つかった場合の扱いを、契約書へ明記してください。

実家じまいの最初の一歩は、捨てることではなく現状を表にすること

実家じまいは、家を空にすれば終わる作業ではありません。所有者と意思を確認し、重要書類と家財を守り、売却・賃貸・保有などの方針と費用を比べ、登記・税・契約・家族間の精算まで終えて、ようやく完了します。

最初の一歩は、進行表の「現在の状況」「所有者」「意思決定者」「手続き・申告の期限」を確認することです。

その四つが未確認なら、売却、解体、一括処分の契約は進めないでください。四つがそろったら、重要品を救出し、片付け前の写真を使って、いまの状態での売却・買取・賃貸・保有・解体後を比べます。目の前の荷物をどこまで片付けるかは、その比較を終えてから決められます。

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出典

法務省「相続登記の申請義務化について」
法務省「住所等変更登記の義務化」
e-Gov法令検索「民法」
裁判所「相続の放棄の申述」
裁判所「相続の承認又は放棄の期間の伸長」
裁判所「成年被後見人(被保佐人、被補助人)の居住用不動産の処分についての許可」
法務局「建物を取り壊した(建物滅失の登記をオンライン申請したい方)」
法務局「相続登記の登録免許税の免税措置について」(更新日:2026年4月1日)
国税庁「登録免許税の税額表」
国税庁「相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期」
国税庁「譲渡費用となるもの」
国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
国税庁「マイホームを売ったときの特例」
国税庁「納税者が死亡したときの確定申告」
国税庁「相続税の申告と納税」
国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」
国土交通省「消費者の皆様向け 不動産取引に関するお知らせ」
環境省「廃棄物の処分に無許可の回収業者を利用しないでください」
国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」
石綿総合情報ポータルサイト「改修・リフォーム業者のみなさまへ」
国土交通省「建設リサイクル法の届出」
国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」(更新日:2026年4月20日)
みんなの遺品整理「遺品整理の費用相場はいくら?追加請求はある?料金を抑えるコツは?」(更新日:2026年3月21日)
日本郵便「遺品整理の費用相場はいくら?料金体系と内訳をプロが徹底解説」
SUUMO「解体工事の費用相場と流れを徹底解説」
日本司法書士会連合会「司法書士の報酬アンケート結果」
リビン・テクノロジーズ「『リビンマッチ』が全国認知度・今後利用したい不動産査定サイト 6年連続No.1に輝きました!」(公開日:2025年10月9日)

※制度、税率、補助金、サービス料金は変更される場合があります。記事内の情報は2026年8月17日時点で確認しています。個別の契約、登記、法務、税務は、物件所在地の窓口や有資格者へ確認してください。

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