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実家じまいとは?何から始める?手順・費用と後悔しない進め方

先に結論

実家じまいで最初に目に入るのは、大量の荷物です。つい片付けから手をつけたくなりますが、先に確かめたいのは、誰の家で、誰が決められて、最終的にどうするのかです。順番を逆にすると、売却や相続に必要な書類を捨てる、家族の了承がない物まで処分する、査定前に解体して選べたはずの売り方をなくす、といった、あとから戻せない失敗が起こります。

実家じまいには、法律上の決まった定義はありません。この記事では、親の家について次の三つを整理し、売却・賃貸・保有・解体といった方針を決めるまでの一連の作業を「実家じまい」と呼びます。

実家じまいで整理する3つの領域

権利:所有者、親の意思、相続人、名義、期限

物と契約:家財、重要書類、公共料金、保険、郵便、デジタル契約

不動産:今後の住まい、管理、売却、買取、賃貸、解体

家財をすべて運び出しても、名義、公共料金、保険、税の手続きが残っていれば、実家じまいは終わっていません。片付けは、三つの領域のうち「物と契約」の一部にすぎないからです。

作業は8段階に分かれますが、まとめると次の三つです。

  1. 止めて、確かめる(手順1〜4):危険への対応、所有者と意思決定者、書類と期限、重要品の救出
  2. 比べる(手順5〜6):片付ける前の状態で、売却・買取・賃貸・保有・解体を並べ、費用と担当を決める
  3. 実行して、閉じる(手順7〜8):家財整理と不動産の手続き、登記、申告、契約の解約、家族間の精算

要になるのは②の「比べる」です。家を空にしてから比べ始めると、選べたはずの案がすでに減っています。

最初に集めたいのは、登記事項証明書、固定資産税の納税通知書、遺言・相続人・借金がわかる資料、購入時の契約書、そして室内外の写真です。登記事項証明書は法務局で取得でき、土地・建物の名義や、住宅ローンの担保が付いたままになっていないかを確認できます。全部そろわなくてもかまいません。何が未確認かを一覧にできれば、作業は始められます。

ただし、次のどれかに当てはまるときは、売却や廃棄の契約を先に進めないでください。あとから元に戻せない作業です。

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状況止める作業最初の確認先
親本人の意思が確認できない売却、解体、高価な家財の処分司法書士・弁護士、成年後見人がいる場合は家庭裁判所
相続人や遺言の内容が確定していない実家全体の売却、家財の分配・廃棄司法書士・弁護士
借金の有無が不明で相続放棄を考えている実家の売却・解体、価値ある家財の処分弁護士、家庭裁判所
雨漏り、漏電、ガス臭、倒壊、害虫などの危険がある通常の片付け電力・ガス会社、自治体、対応できる専門業者
注射針、薬品、灯油、ガス容器、腐敗物がある自分での分別・運搬自治体、医療機関、専門業者
契約や処分を止め、先に確認したい状況
目次

実家じまいの費用に相場はない|総額・売却前の現金・手取りに分ける

実家じまいに、全国共通の費用相場はありません。家財を自分で整理して実家を売れば、売却代金から費用を賄えることもあります。反対に、遠方への移動、家財整理、測量、解体が重なれば、売却前にまとまった現金が必要です。同じ「実家じまい」でも、必要な金額だけでなく、必要になる時期が違います。

そこで、金額を一つの数字で考えず、次の三つに分けます。

費用を考える3つの式

見込み支出総額 = 維持・移動費 + 引っ越し・保管費 + 家財整理費 + 登記・専門家費 + 売却準備費 + 修繕・解体費 + 税・申告費

売却前に用意する現金 = 見込み支出総額のうち、決済代金から差し引けず、売却前に支払期限が来るもの

手取りの目安(税金とローン返済を引く前) = 売却代金 − 売却に伴う支出

見落としやすいのは、二つ目です。仲介手数料は決済のときに売却代金から支払えますが、家財整理費や解体費は、売る前に現金で払います。総額が同じでも、手元の資金が足りるかどうかは支払日で決まります。

三つ目で税金とローン返済を引いていないのは、金額を小さく見せるためではありません。譲渡所得税もローン残高も、取得費や返済状況によって人それぞれ違います。売り方を比べる段階では、まず条件をそろえられる範囲で並べ、税とローンは自分の数字を確認してから差し引きます。

相場を一つ覚えるより、自分の家で発生する費用を七つに分けるほうが、予算の抜けは見つけやすくなります。維持・移動、引っ越し・保管、家財整理、登記・専門家、売却準備、修繕・解体、税・申告の七つです。

親の状況別|最初にすることは「居住中・施設入居・相続後」で変わる

同じ実家でも、親が住んでいる家と、相続が始まった家では、決められる人も、守るべき期限も違います。自分の状況に近い行から読んでください。

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現在の状況最初にすることまだしないこと
親が実家で暮らしている親の希望、次の住まい、残したい物、資金計画を本人と確認する子だけで売却や処分を決める
親が施設などへ移り、判断能力に問題がない親本人を売主として今後の方針を比べ、登記簿上の住所も確認する「もう戻らないだろう」と家族だけで決める
親の判断能力に不安がある契約内容を理解できる状態かを個別に確認し、必要に応じて司法書士・弁護士へ相談する安易に委任状を作る、売買契約や解体契約を急ぐ
親が亡くなり、相続放棄を検討している財産と借金など、相続人、3か月の期限を確認する家や価値ある家財を売る・捨てる
親が亡くなり、相続する方針が決まっている遺言、相続人、名義、遺産分割、税の期限を整理する代表者1人の判断で実家全体を売る
親族や第三者が住んでいる所有関係に加え、居住の根拠と退去条件を確認する鍵の交換、荷物の搬出、ライフラインの停止
親の状況別に見る、最初にすること・まだしないこと

親が元気なうちは、本人の暮らしを先に決める

親名義の実家は、子どもにとっての「実家」であっても、法律上は親の財産です。親が契約の内容と結果を理解できる状態なら、売却を決めて契約するのは親本人になります。

ただし、家を手放すかどうかだけを決めても、親の暮らしは決まりません。次の住まいに何を持っていくか、売却代金を住居費や介護費へどう充てるか、家族が残したい物は何か。ここまでをひと続きで考えます。

施設へ移った後も、一時帰宅の予定や、退所したときの戻り先として実家を残す考えがあるかもしれません。空き家に見えることと、処分してよいことは別です。

2026年4月1日からは、不動産の登記名義人の住所や氏名が変わったとき、その変更を登記することが義務になりました。期限は原則として変更の日から2年以内です。制度が始まる前から住所が変わったままの場合は、原則2028年3月31日までに登記します。親が施設へ転居した後、登記簿の住所が旧住所のままになっていないかも確認してください。

判断能力に不安があるときは、家族の同意だけで進めない

認知症と診断されただけで、直ちに契約ができなくなるわけではありません。反対に、診断がなくても、契約の意味や結果を理解できない状態であれば、売買が無効になる可能性があります。分かれ目は診断名ではなく、契約したときの本人の状態と、取引の内容です。

成年後見人、保佐人、補助人といった、本人の判断を法的に支える立場の人が居住用不動産を売却・解体する場合は、まず権限の範囲を確認します。そのうえで、原則として家庭裁判所の許可が必要です。今は施設で暮らしていても、以前の自宅や、将来戻る可能性のある家が「居住用不動産」に含まれることがあります。

「子だから代理できる」「委任状があれば売れる」とはかぎりません。本人の意思、委任したときの状態、代理権の内容に少しでも不安があれば、査定は情報収集にとどめ、契約の前に司法書士や弁護士へ相談してください。

相続後は、家財を動かす前に相続人と期限を確認する

相続放棄(財産も借金も原則として引き継がない手続き)は、自分が相続人になったと知ったときから3か月以内が原則です。財産や借金を調べても判断がつかない場合は、家庭裁判所へ期間の延長を申し立てられます。

問題は、この3か月のあいだの行動です。相続放棄を検討している間に実家を売却・解体したり、価値のある家財を処分したりすると、相続を承認したとみなされるおそれがあります。建物を守るための最低限の対応などは扱いが異なるため、何を動かしてよいか分からないときは、動かす前に弁護士へ確認してください。

相続する方針であっても、共有になった実家全体を売るには、原則として共有者全員の合意が必要です。遺言の有無、相続人の範囲、誰が不動産を取得するかを先に確認します。

相続した実家を売るときは、まず不動産の名義を売主となる相続人へ変更する「相続登記」を行い、その後に買主へ所有権を移すのが通常です。相続登記は、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内が原則です。2024年4月1日より前に始まった相続も対象で、制度開始前から取得を知っていた場合は原則2027年3月31日が期限になります。

相続後に確認したい主な期限

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期限の目安主な手続き注意点
3か月以内相続放棄・限定承認自分が相続人になったと知った時から。限定承認は、相続した財産の範囲内で借金を引き継ぐ手続き。必要なら期間の延長を検討
4か月以内所得税の準確定申告亡くなった人の所得税を相続人が申告する手続き。申告が必要な場合は、亡くなったことを知った日の翌日から数える
10か月以内相続税の申告・納付相続税の申告が必要な場合。亡くなったことを知った日の翌日から数える
3年以内相続登記不動産を相続で取得したことを知った日からが原則
売却時期で変動相続空き家の3,000万円特別控除など所有・建築時期・利用状況・売却期限など複数条件あり
相続後に確認したい主な期限

期限を数え始める日も、手続きが必要な人も、同じではありません。死亡日だけを基準に一つのカレンダーへまとめず、税務署、司法書士、税理士へ個別に確認してください。

実家じまいの手順は8段階|片付ける前に今後の方針を比べる

実家じまいの進み具合は、家財が何割減ったかでは測れません。基準になるのは、次の段階へ進む条件がそろったかどうかです。各段階には、残しておく記録と、そろわないうちは先へ進まない条件があります。

STEP
危険と緊急対応を確認する

残す記録・資料:現在の状態がわかる写真、緊急対応メモ
次へ進まない条件:漏電・ガス・倒壊・衛生上の危険がある

STEP
所有者・意思決定者・関係者を一覧にする

残す記録・資料:誰が何を決められるかの一覧
次へ進まない条件:本人の意思、相続人、共有者が未確認

STEP
書類・期限・年間維持費を洗い出す

残す記録・資料:書類台帳、期限表、年間維持費
次へ進まない条件:相続放棄や税期限への対応が決まっていない

STEP
重要品を救出し、写真で記録する

残す記録・資料:写真台帳、持出品一覧、保留箱
次へ進まない条件:家族の確認前、または危険物がある

STEP
片付ける前に売却・賃貸・保有を比べる

残す記録・資料:同じ条件で取った査定、賃料・費用の資料
次へ進まない条件:現在の状態で売る案を見ずに、解体・修繕を勧められた

STEP
費用・担当・精算方法を決める

残す記録・資料:費用表、役割表、家族合意メモ
次へ進まない条件:支払者や追加費用の上限が未定

STEP
家財整理と不動産の手続きを進める

残す記録・資料:契約書、許可の確認記録、作業前後の写真
次へ進まない条件:見積範囲・処分先・契約条件が曖昧

STEP
登記・申告・解約・精算を終える

残す記録・資料:完了書類、領収書、家族精算表
残っていたら未完了:名義、税務、契約の未処理

1.危険と緊急対応を確認する

最初の訪問では、作業より確認を優先します。建物の外周と各室を撮影し、日時も記録します。雨漏り、漏電、ガス臭、水漏れ、窓や鍵の破損、外壁や屋根材の落下、害虫、庭木の越境が見つかったら、必要な安全措置を先に取ります。

空き家になった直後に、水道・電気・火災保険を一律に止めるのは避けます。査定、換気、清掃、凍結防止、設備確認に必要になるからです。保険は、補償の対象や空き家になったときの扱いを保険会社へ確認し、売却や解体の完了日と合わせて終了時期を決めます。

近隣へ連絡先を渡すときは、親の病状や相続の事情まで説明する必要はありません。「当面の管理連絡先」と、異常があったら知らせてほしい内容だけを伝えます。

2.所有者・意思決定者・関係者を一覧にする

固定資産税の納税通知書だけでは、現在の登記名義を確定できない場合があります。登記事項証明書で、土地・建物の名義、共有持分、抵当権(住宅ローンなどの担保として設定される権利)を確認します。

そのうえで、「決める人」「動く人」「払う人」を同じ欄にまとめず、次の役割ごとに書き出します。

  • 家を所有している人
  • 売却や賃貸を決められる人
  • 家財の所有者・相続人
  • 現地作業を担当する人
  • 見積もりを集める人
  • 費用を一時的に支払う人
  • 契約や税務を確認する専門家

連絡の窓口を1人にしても、処分や売却の決定権までその人に集まるわけではありません。「窓口」「決定者」「支払者」を別々に書いておくと、家族内の誤解を減らせます。

3.書類・期限・年間維持費を洗い出す

家財を動かす前に、次の書類を探します。

分類主な書類
不動産登記識別情報・権利証、固定資産税通知書、測量図、境界確認書、建築確認関係、設計図、修繕記録
購入時の資料売買契約書、建築請負契約書、購入代金・仲介手数料・改良費の領収書
相続遺言書、戸籍関係書類、遺産分割に関する記録、借入・保証の資料
お金・契約通帳、印鑑、保険、住宅ローン、公共料金、通信、警備、リース、サブスクリプション
本人確認マイナンバー関係書類、身分証、年金・介護・医療の書類
片付け前に探して保管したい主な書類

とくに慎重に扱いたいのは、購入時の古い契約書です。相続した不動産を売った利益(譲渡所得)を計算するとき、親が購入・建築したときの代金などの「取得費」と購入時期を、原則としてそのまま引き継ぐからです。取得費が分からない場合は売却代金の5%を概算取得費にできますが、実際の取得費を証明できたほうが、課税される譲渡所得を抑えられることがあります。

捨てやすく見える古い紙が、家財整理費より大きな差につながることもあります。書類を確認し終えるまで、紙類の一括廃棄はしないでください。

維持費は、納税通知書や請求書から実額を集めます。

年間維持費の考え方

固定資産税・都市計画税 + 保険料 + 水道光熱の基本料金 + 見回り・草刈り + 修繕・害虫対策 + 交通・宿泊費

4.重要品を救出し、写真で記録する

家の中の物を「捨てる・残す」の二択で分けると、所有者や価値が分からない物まで、その場で判断することになります。そこで、四つに分けます。

家の中の物を分ける4分類
  1. 必ず持ち出す:権利・税務書類、現金、通帳、印鑑、身分証、鍵、借用品
  2. 家族が確認する:写真、手紙、形見、位牌、本尊、過去帳、遺骨
  3. 価値を確認する:貴金属、美術品、骨董品、新しい家電、コレクション
  4. 判断を保留する:所有者や処分方法が分からない物

各部屋は入口から撮り、収納、屋根裏、物置、車庫、庭も記録します。持ち出した物は、品名、写真、日付、持ち出した人、保管場所を一覧にします。

5.片付ける前に売却・賃貸・保有を比べる

家財を全部出す前、建物を壊す前に、いまの状態のまま資料を集めます。不動産会社はこの状態を「現況」と呼びます。

  • 仲介で売る場合に実際に売れると見込む価格(成約予想価格)、期間、売主負担
  • 不動産会社が買い取る場合の価格、家の中に残した家財の扱い、入金時期
  • 貸す場合の賃料、初期工事、管理費、空室・修繕の見込み
  • 保有する場合の年間維持費と管理担当
  • いまの状態のまま売る場合と、解体して土地で売る場合の価格差

査定先には、同じ日に撮った写真、家財の量、土地・建物の情報、希望時期を共通で渡します。条件のそろっていない見積もりを並べても、比べたことにはなりません。仲介の査定では、広告に出す価格ではなく、根拠のある成約予想価格と、低め・標準・高めの幅を確認します。

査定額の高さと、手元に残る額の多さは別の話です。成約予想価格から費用を引き、売却までの期間と現地へ通う回数も並べて比べます。

6.費用・担当・精算方法を決める

見積もりを取ったら、誰が契約し、誰が一時的に支払い、いつ、何のお金から精算するかを記録します。

親が所有する実家の売却代金は、親の財産です。子が片付け費用を立て替える場合も、親の口座から返すのか、貸付として記録するのかを曖昧にしません。相続後の費用も、遺産から当然に差し引けるわけではなく、費用の性質や家族の合意によって扱いが変わります。

家族の合意メモに残す7項目
  • 売却・保有などの方針
  • 捨てない物と確認期限
  • 各作業の担当者
  • 見積もりの承認者
  • 立替者、予算上限、精算日
  • 売却代金や家財買取代金の受取先
  • 追加費用が出たときの決め方

税務上の贈与や、遺産分割への影響が気になる場合は、支払う前に税理士や弁護士へ確認します。

7.家財整理と不動産の手続きを進める

家財整理では、処分する物、買い取ってもらう物、運ぶ物を分け、書面の見積もりを取ります。家財整理と不動産売却を同じ窓口へ依頼する場合も、それぞれの金額と、実際に作業する会社を分けて示してもらいます。

家庭から出るごみを回収・運搬できるのは、市区町村から「一般廃棄物収集運搬業」の許可を受けた事業者か、市区町村から委託された事業者だけです。産業廃棄物処理業や古物商の許可では、家庭ごみを回収できません。

定額パックをうたう不用品回収では、高額な追加請求を受けた事例が報告されています。総額だけでなく、作業範囲、追加料金、キャンセル料、実際に運搬する許可業者を書面で確認してください。

不動産の契約では、家財を残す範囲、撤去期限、費用負担に加え、引き渡し後に書類や貴重品が見つかった場合の扱いも書き入れます。「現況渡し(いまある状態で引き渡す)」の一言で済ませると、後から出てきた物の扱いでもめます。

8.登記・申告・解約・精算を終える

家が空になっても、名義や税、契約が残っていれば実家じまいは終わりません。次の項目まで済んでいるかを確認します。

  • 相続登記、住所変更登記、抵当権抹消(住宅ローン完済後などに担保の登記を外す手続き)、建物滅失登記(建物がなくなったことを登記簿へ反映する手続き)など
  • 譲渡所得や相続税など、必要な申告と納付
  • 電気、ガス、水道、通信、警備、保険、新聞、定期購入
  • 郵便の転送、自治体や金融機関などの住所変更
  • 鍵、境界資料、設備資料の引き渡し
  • 立替金、家財買取代金、売却代金の家族間精算
  • 契約書、見積書、請求書、領収書、作業前後写真の保管

建物を解体した場合は、原則として解体後1か月以内に建物滅失登記を申請します。また、土地を売却しただけでは、公共料金や保険は自動で解約されません。

実家じまいの費用はいくら?7項目に分けて見積もる

費用表は、「発生するか」「いつ払うか」「最終的に誰が負担するか」を分けて作ります。売却時に代金から差し引ける費用と、作業前に現金で払う費用があるためです。

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費用区分主な内容金額が変わる要因・確認方法
1.維持・移動固定資産税、保険、光熱基本料、見回り、草刈り、交通、宿泊納税通知書・請求書と訪問回数から実額計算
2.引っ越し・保管親の転居、形見の運搬、トランクルーム荷物量、距離、保管期間
3.家財整理分別、梱包、搬出、廃棄、家電リサイクル、清掃間取りではなく荷物量、階段、車両、廃棄方法、買取額
4.登記・専門家相続・住所変更・抵当権抹消・滅失登記、司法書士等固定資産税評価額、土地・建物の数、相続人の数、必要書類
5.売却準備・取引仲介手数料、印紙、測量、境界、診断、ローン返済売却価格、契約方法、境界・建物の状況
6.修繕・解体清掃、補修、アスベスト調査、解体、庭・塀・地中物構造、延床面積、道路、付帯物、アスベスト、補助制度
7.税・申告譲渡所得税、相続税、税理士報酬など取得費、所有期間、特例、相続税、売却時期
実家じまいで見積もる7つの費用

家財整理費は、間取りだけでは決まらない

民間が公開している目安の一例では、1R・1Kが3万〜8万円、1LDKが7万〜20万円、2LDKが12万〜30万円、3LDKが17万〜50万円、4LDK以上が22万〜60万円です(2026年7月24日確認)。

別の公開目安では、家電リサイクル料金を含む前提で、1R・1Kが10万〜15万円、1LDK・2DK・3Kが30万〜50万円、2LDK以上が50万〜100万円超とされています。

同じ間取りでも金額がこれだけ違うのは、荷物量、家電、搬出、清掃など、見積もりに含まれる作業が同じではないからです。どちらか一方を相場として覚えず、次の内訳をそろえて比べます。

家財整理費の考え方

人件費 + 分別・梱包費 + 搬出・車両費 + 一般廃棄物処理費 + 家電リサイクル費 + オプション費 − 買取額

見積書では、次を確認してください。

  • 荷物量または品目、車両の大きさと台数
  • 作業人数と時間、階段・駐車位置
  • 分別、梱包、搬出、清掃の範囲
  • 廃棄物を運ぶ会社名と、物件所在地での許可
  • 家電リサイクル料金と収集運搬料金
  • 買取品と買取額
  • 追加料金になる条件
  • 税込み総額、キャンセル料、損害への補償

仲介手数料は売却価格で上限が変わる

売却価格が800万円を超える場合、仲介手数料の通常の上限は、1人の依頼者につき次の速算式で計算できます。

仲介手数料の上限(税込)

(売却価格 × 3% + 6万円)× 1.1

2,000万円なら72万6,000円、3,000万円なら105万6,000円です。あくまで不動産会社が受け取れる上限であって、必ずこの額を請求される定額ではありません。

売買価格が800万円以下のときは、通常の上限に加えて、「低廉な空家等」(売買価格800万円以下の低価格な空き家など)の特例が使われるかを確認します。不動産会社が事前に説明し、依頼者と合意した場合、1人の依頼者から受け取れる上限が税込33万円となることがあります。「800万円以下なら必ず33万円」「空き家なら一律33万円」ではありません。

紙で作る不動産売買契約書の印紙税は、2027年3月31日までの軽減措置により、契約金額が500万円超1,000万円以下なら5,000円、1,000万円超5,000万円以下なら1万円です。

相続登記は評価額の0.4%に報酬・実費を足す

相続による所有権移転登記の登録免許税(登記申請時に国へ納める税金)は、原則として固定資産税評価額の0.4%です。固定資産税評価額とは、市区町村が固定資産税などの計算に使う評価額のことで、市場で売れそうな価格に0.4%を掛けるのではありません。

たとえば、土地・建物の固定資産税評価額の合計が1,000万円なら、登録免許税は原則4万円です。ここに、司法書士へ依頼する場合の報酬や、戸籍・証明書の取得費が加わります。相続関係が複雑、物件数が多い、相続登記をしないうちに次の相続が起きているといった場合は、費用が増えます。

相続登記をしないまま次の相続が始まった土地や、税額計算の基礎となる課税標準額が100万円以下の土地には、2027年3月31日まで免税措置が適用される可能性があります。建物を含めて一律に免税となる制度ではなく、申請書への法令条項の記載も必要です。

解体費は、本体工事と付帯工事を分けて見る

民間の公開目安では、木造住宅の本体解体は1坪3万〜5万円程度、鉄骨造は4万〜7万円程度、鉄筋コンクリート造は6万〜8万円程度という例があります。木造30坪なら、本体解体だけで90万〜150万円が目安です。

ただし、総額はこれで決まりません。本体解体とは別に、次の費用が加わります。

  • 家財や一般廃棄物の処分
  • アスベスト(石綿)の事前調査と除去
  • 塀、門、樹木、庭石、物置、井戸、浄化槽
  • 地下埋設物、地中の基礎
  • 狭い道路での小型重機・手壊し
  • 養生、交通誘導、整地、各種届出
  • 建物滅失登記

建物の解体は、規模にかかわらずアスベストの事前調査が必要です。床面積80平方メートル以上の建物は調査結果の報告対象で、建設リサイクル法に基づき、原則として着工7日前までの届出も必要になります。

解体補助金は、契約や着工の前に申請しなければ対象外となる自治体があります。査定、見積もり、自治体への確認、交付決定の順を確かめてから契約してください。

解体するかどうかは、次の式で比べます。

解体した場合の差額

解体後の想定売却価格 − 現在の状態での想定売却価格 − 解体関連費 − 解体によって増える維持費・税負担

式の最後の項目を忘れないでください。住宅を解体し、1月1日時点で更地になっていると、土地の固定資産税などを軽くする「住宅用地特例」は、原則として翌年度から外れます。ただし、建物分の固定資産税はなくなるため、土地・建物の税額合計が単純に6倍になるわけではありません。解体前に、自治体へ翌年度の見込みを確認します。

譲渡所得税は、実家じまいの支出総額とは別に計算する

不動産を売った利益のうち、税金の計算対象になる「課税譲渡所得」は、基本的に次の式で計算します。

課税譲渡所得の基本式

売却代金 − 取得費 − 譲渡費用 − 適用できる特別控除

相続した不動産は、原則として亡くなった人の取得費と取得時期を引き継ぎます。取得費が分からない場合は、売却代金の5%を概算取得費とする方法があります。

ここで混同しやすいのが、資金計画上の「支出」と、税務上の「譲渡費用」です。譲渡費用とは、売るために直接かかった費用を指します。仲介手数料、売主が負担した印紙税、売却のために行った解体費などは譲渡費用になる場合がありますが、通常の修繕費、固定資産税、維持費、家財整理費が、そのまますべて譲渡費用になるわけではありません。二つは別々に整理してください。

相続した空き家を売る場合は、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例を使えることがあります。主な確認項目は次のとおりです。

  • 売却が2027年12月31日まで、かつ亡くなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までであること
  • 1981年5月31日以前に建築された家で、分譲マンションなどの区分所有建物ではないこと
  • 亡くなった人が原則として1人で住んでいたこと
  • 売却額が1億円以下であること
  • 相続後に賃貸・事業・居住へ使っていないこと
  • 耐震改修または解体をすること

さらに、2024年1月1日以後の売却で、対象の不動産を取得した相続人が3人以上なら、控除の上限は1人2,000万円になります。買主が翌年2月15日までに耐震改修や取り壊しを行う形にする場合は、買主の協力と証明書類も必要です。控除は自動では適用されません。契約の前に税務署や税理士へ確認し、確定申告を行ってください。

親本人が生前に自宅を売る場合は、居住用財産の3,000万円特別控除を使える可能性があります。転居後は、原則として転居した年から3年目の年末までといった条件があるため、売却時期を決める前に税務署や税理士へ確認してください。

2,000万円で売れた家に、いくら残るか(架空例)

売却価格が同じでも、手元に残る額は支出の中身で変わります。相続した地方都市の3LDK戸建てを2,000万円で売る架空例で、売却代金から何がどれだけ引かれるかを見ます。実際の相場や見積額を示すものではありません。家財整理費、訪問費、維持費は資金収支上の支出であり、税務上の譲渡費用とは一致しません。

資金収支例の前提
  • 相続した地方都市の3LDK戸建てを、仲介で2,000万円で売却
  • 相続人は3人で、相続登記の対象は土地1筆(登記上の土地1区画)・建物1棟
  • 家財整理を委託し、解体・測量・修繕はしない
  • 固定資産税評価額の合計は1,000万円
  • 相続登記と抵当権抹消を司法書士へ依頼
  • ローン返済、譲渡所得税、相続税は含めない
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項目試算額計算の前提
家財整理350,000円架空の見積額
家電リサイクル・運搬20,000円架空の見積額
遠方から4回訪問144,000円1回36,000円
引き渡しまで6か月の維持100,000円税・保険・基本料金等の架空額
相続登記119,888円登録免許税40,000円+司法書士報酬の公開平均74,888円+書類実費5,000円
仲介手数料726,000円法律上の上限で試算
印紙税10,000円紙の契約書・軽減税率
抵当権抹消19,470円土地1筆・建物1棟の税2,000円+司法書士報酬の公開平均17,470円
支出合計1,489,358円 
手取りの目安(税金・ローン返済前)18,510,642円20,000,000円−1,489,358円
2,000万円で売却する架空例の支出と手取りの目安

司法書士報酬には、公開されている報酬アンケートの全国平均を使っています。個別の見積額ではありません。

2,000万円で売れても、この例では約149万円が出ていきます。しかも、ローン返済と譲渡所得税はまだ入っていません。売却価格をそのまま資金計画に使えないのは、このためです。

測量、修繕、解体、ローン返済、譲渡所得税が加われば、手取りはさらに減ります。反対に、家財を自分で整理したり、仲介手数料が上限を下回ったりすれば、支出は減ります。自分の金額へ置き換えるときは、空欄を0円で埋めず、「不要と確認済み」なのか「未確認」なのかを分けてください。

売る・買い取ってもらう・貸す・保有・解体はどう選ぶ?

仲介の査定額が最も高い案が、最も多くお金を残す案とはかぎりません。

支出、売却までの期間、家族の負担、将来も残る責任まで含めて比べます。

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選択肢向きやすい状況判断前に取る資料主な注意点
仲介で売る時間をかけて広く買主を探せる成約事例、成約予想価格、期間、売主負担査定額どおりに売れる保証はなく、内覧・維持が続く
不動産会社に買い取ってもらう早く手放したい、現地対応を減らしたい買取価格、費用、家財を残す条件、入金日仲介の成約予想価格より低いことがある
貸す賃貸需要があり、修繕と管理を続けられる賃料査定、初期工事、管理費、空室・修繕想定収入が保証されるわけではなく、貸主責任が続く
当面保有する将来使う具体的な予定と管理者がいる年間維持費、管理計画、見直し日期限なしの保留は、費用と劣化を積み上げやすい
解体して土地で売る建物が市場価値を下げ、解体後に増える見込み額が費用を上回る現在の状態・更地の両方の査定、解体見積、税・補助確認先に壊すと古家需要や税特例、補助制度を失う場合がある
実家の売却・買取・賃貸・保有・解体を比べる早見表

仲介と買取は、同じ条件で「手取り」を比べる

仲介では「成約予想価格」、買取では「実際の提示価格」を使い、そこから次の費用を両方とも差し引きます。

  • 家財整理と引っ越し
  • 仲介手数料・契約費用
  • 修繕・測量・解体
  • 入金までの維持費
  • 現地へ行く交通・宿泊費
  • ローン返済

買取で「残置物処分無料(家財の処分費がかからない)」と説明された場合も、処分の負担が買取価格へ織り込まれている可能性があります。不動産の価格、家財の買取額、処分費、追加費用を分けて書面でもらいます。

賃貸は、売らない決断ではなく貸主になる決断

見込むのは賃料収入だけではありません。入居前の工事、仲介・管理費、空室、設備交換、退去後の修理(原状回復)、税務まで含めます。家族の誰が修繕を判断し、急な連絡へ対応するかも決めておきます。

もう一つ、税の面で見落としやすい点があります。相続空き家の3,000万円特別控除は、相続後に貸した家では原則として使えません。将来の売却も考えるなら、賃貸契約を結ぶ前に税務上の影響を確認してください。

保有するなら、管理する人と見直し日を決める

すぐに結論を出せないときは、当面の保有も選択肢です。ただし、「家族で考えておく」という状態のままでは、見回りも支払いも誰か1人へ偏りがちです。管理する人、年間予算、災害時の連絡先、次に売却方針を見直す日まで決めます。

放置して建物の傷みが進むと、管理が不十分な空き家として「管理不全空家」に、周囲への影響が深刻な空き家として「特定空家」に指定され、指導を受ける可能性があります。勧告を受けた敷地は、土地の固定資産税などを軽くする住宅用地特例から外れる場合があります。ここでも、税額の合計が一律に6倍になるわけではありません。

解体は、現在の状態での査定と制度確認の後に決める

「古いから更地のほうが売れる」とはかぎりません。古家を直して使いたい買主や、解体を自分で手配したい買取会社もいます。先に壊すと、その需要ごと失います。

最低でも、次の順で判断します。

  1. 現況のまま売る場合の価格と条件を取る
  2. 更地にした場合の価格と売却期間を取る
  3. 付帯工事を含む解体見積もりを取る
  4. 固定資産税、税特例、自治体補助の影響を確認する
  5. 費用負担と、解体後に売れないリスクを比べる

家財と契約を安全に整理する|捨てる前に救出、解約は最後

片付けでは、物を減らす速さより、誰の物かを確かめ、あとから追える状態にすることを優先します。

家族の確認は、写真と期限をセットにする

「残したい物があれば連絡して」とだけ伝えると、返事が来ないまま作業が止まります。部屋ごとの写真を共有し、保留箱の置き場所と確認期限まで伝えます。

家族への連絡文例

〇月〇日の作業に向け、各部屋と収納の写真を共有します。残したい物は〇月〇日までに写真番号で知らせてください。通帳・権利書類・写真・位牌などは処分せず、別箱で保管します。期限まで判断できない物は、箱〇個を上限に〇月末まで保管し、その後の扱いを改めて決めます。

高価な物を誰かが持ち出すときは、相続人や所有者の合意を取り、写真と受領記録を残します。

片付け業者の見積もりは、処分方法まで確認する

見積書に「一式」としか書かれていない場合は、分別、搬出、清掃、廃棄、家電、買取を分けてもらいます。一般廃棄物を実際に運ぶ会社と、その許可、処分先も確認します。

無料回収や定額パックの広告だけで契約せず、できれば現地確認を含む複数の書面見積もりを取ります。追加料金が出る物、階段や駐車距離、作業後に重要品が見つかった場合の対応まで決めておきます。

解約する契約と時期を一覧にする

契約の名義、連絡先、解約日、最終請求、返却物を一つの表にします。

契約終了時期を決める前の確認
電気・水道査定、清掃、通水、凍結防止、解体に必要か
ガス・灯油閉栓、容器や残油の回収方法
火災・地震保険空き家時の補償、売却・解体日との関係
通信・警備機器の返却、撤去費、違約金
介護・医療機器レンタル品の所有会社と返却
新聞・定期購入解約日、未配達分、転送先
郵便転居届だけでなく、重要な送付元の住所変更
デジタル契約メール、クラウド、通販、サブスク、端末の認証
契約ごとに終了時期を決める前の確認事項

実家じまいで後悔につながりやすい7つの進め方

1.親や相続人の了承前に捨てる

所有権の問題だけではありません。写真や形見を失った不満は、金額では埋め合わせにくいものです。家族が確認する箱と期限を作り、処分の承認を記録します。

2.書類を探す前に紙を一括廃棄する

売買契約書、建築請負契約書、測量図、修繕の領収書は、売却や税の計算に使う可能性があります。紙類は「重要書類を確認し終えた」と言えるまで残します。

3.査定前に家を空にし、修繕・解体する

家の中に残した家財(残置物)ごとの買取、現在の状態での仲介、古家付き土地。これらの選択肢を見ないまま、費用を先に固定してしまいます。重要品だけ救出し、いまの状態での価格を先に取ります。

4.補助金や税控除を使える前提で契約する

自治体の解体・家財処分補助には、対象地域、空き家の状態、業者、申請時期などの条件があります。税控除にも、所有・利用・売却時期などの条件があります。「使えそう」ではなく、担当窓口へ対象と必要書類を確認してから契約します。

5.見積もりの「一式」と総額だけを見る

安く見える見積もりに、家電、庭、階段作業、アスベスト、運搬、処分が含まれていないことがあります。同じ範囲と同じ写真を渡し、追加料金の条件まで比べます。

6.電気、水道、保険をすぐに解約する

点検や清掃で必要になったり、無保険の期間ができたりします。最終利用日と、引き渡し・解体日から逆算して決めます。

7.家族間の立替を口約束にする

交通費や小さな購入費でも、回数が増えれば大きくなります。立替日、目的、金額、領収書、精算方法を共通の表へ記録します。

遠方の実家じまいは「現地へ行く回数」を先に設計する

遠方では、思いつくたびに訪問すると、交通費も時間も膨らみます。現地でしかできないことをまとめ、オンラインや郵送でできることと分けます。

訪問まとめて行うこと
1回目安全確認、全室・外周の撮影、書類と重要品の救出、鍵の確認
2回目不動産会社・家財整理業者・必要な専門業者の現地確認を同日に集約
3回目家族が持ち出す物の確定、契約前の最終確認
4回目作業後・引き渡し前の確認、鍵と書類の受け渡し
遠方の実家じまいで、訪問ごとにまとめたい作業

実際の回数は家の状態で変わります。現地の窓口役を決める場合は、鍵を預ける範囲、立ち入りの連絡方法、撮影してよい場所、緊急時に使える費用の上限を書面にします。

見積もりは、同じ写真と条件で依頼し、オンラインで先に不足資料を確認します。原本を送る必要があるときは、コピーを残し、追跡できる方法を使います。

実家じまいの相談先は、止まっている作業で選ぶ

一つの窓口ですべてが解決するわけではありません。相談先の得意分野と、報酬が誰から発生するのかを確認します。

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困っていること主な相談先確認したいこと
売却・買取・賃貸の比較不動産会社(宅地建物取引業者)成約根拠、期間、費用、残した家財への対応
相続登記、住所変更、抵当権抹消司法書士、法務局必要書類、期限、登録免許税、報酬
相続人間の対立、相続放棄、代理権弁護士処分を止める範囲、交渉・手続き
成年後見人などが実家を売る・壊す家庭裁判所、司法書士・弁護士権限と処分許可
譲渡所得、相続税、特例比較税務署、税理士適用条件、必要書類、申告期限
土地の境界、建物の表題登記・滅失登記土地家屋調査士、法務局測量範囲、隣接地対応、費用
家財・家庭ごみの処分物件所在地の自治体、許可業者分別、持込、許可、補助制度
解体解体業者、自治体アスベスト、付帯工事、届出、補助金
保険・住宅ローン保険会社、金融機関空き家時の補償、ローンの残り、担保を外すための書類
困りごと別に見る、実家じまいの主な相談先

家族で使える実家じまい進行表・費用設計シート

家族会議では、思い出の品を一つずつ話し始める前に、方針・担当・費用・期限を一つの表にまとめます。「禁止する作業」と「完了条件」まで書いておくと、誰か1人の判断で作業が先走るのを防ぎやすくなります。

実家じまい進行表(記入例つき)

記入例は、相続した3LDK戸建てを、解体せず仲介で売る想定です。手順を示すための架空ケースで、実在の相談・取引事例ではありません。右の欄に、自分の家の内容を書き入れてください。

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項目記入例自分の家の記入欄
基準日2026年7月24日 
現在の状況(居住中・施設入居・判断能力に不安・相続後)父が死亡。相続する方針で、母はすでに死亡 
所有者・登記名義父名義のまま。相続登記はこれから 
意思決定者・相続人・共有者相続人は長女・長男の2人。遺言なし。借金なども調査済み。相続人全員で分け方を決める遺産分割協議により、長女が家を取得して売主になる方針 
手続き・申告の期限相続登記、相続税申告の要否確認、売却特例の期限確認 
現地対応の担当者と、任せる範囲長男。鍵の保管と業者立ち会いのみ 
捨てない物売買契約書、測量図、通帳、印鑑、写真、位牌、貴金属 
禁止する作業・停止条件遺産分割成立前の売却契約、高価品の処分、査定前の解体 
比較案Aと手取りの目安現在の状態のまま買取。提示価格と、家財を残す条件を2社比較 
比較案Bと手取りの目安重要品搬出・家財整理後に仲介。低・標準・高の成約予想を確認 
採用方針と理由仲介。現在の状態で査定し、建物を利用したい需要を確認してから、解体しないと判断 
予算上限・追加時の承認方法売却前支出160万円。追加10万円超は2人で再承認 
立替者・精算に使うお金・精算日長女が立替。領収書を共有し、売却代金受領時に精算 
見積もりの共通条件全室写真を共通使用。分別・搬出・許可業者・家電・清掃・追加条件を分けて記載 
契約書・領収書の保管場所共有フォルダ。原本は長女が保管 
次回確認日2026年8月7日。査定3案と家財見積2社を比較 
完了条件引き渡し、登記、必要な申告、契約解約、立替精算、書類保管まで終了 
家族で共有できる実家じまい進行表(記入例つき)

費用設計表(記入例)

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費用区分予定額支払時期支払者確認状況
維持・移動244,000円随時長女4回訪問・6か月で試算
引っ越し・保管0円不要と確認済み
家財整理370,000円作業後長女2社見積予定
登記・専門家139,358円登記時長女報酬は公開平均で試算
売却準備・取引736,000円決済時売却代金から仲介上限・印紙で試算
修繕・解体未確認契約前未定現在の状態で査定した後に必要性を判断
税・申告未確認申告時長女取得費・特例を税理士へ確認
実家じまいの費用設計記入例

「0円」と「未確認」は必ず分けてください。まだ調べていない費用を0円にすると、予算不足が見えなくなります。

コピーして使える費用設計表

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費用区分予定額支払時期支払者見積・確認先と状況
維持・移動    
引っ越し・保管    
家財整理    
登記・専門家    
売却準備・取引    
修繕・解体    
税・申告    
合計    
実家じまいの費用設計表

実家じまいについてよくある質問

実家は片付けてから査定してもらうべきですか?

いいえ。重要書類、貴重品、家族が残す物を救出したら、家財がある状態でも査定を受けられます。家の中に残した家財(残置物)ごとの買取、片付け後の仲介、古家付き土地などを比べてから、必要な範囲だけ片付けてください。

親が実家じまいに同意しない場合、子どもだけで進められますか?

親名義の家を、子どもであるという理由だけで売却・解体することはできません。まず親本人の意思と理解を確認します。判断能力に不安がある場合は、委任状を急いで作らず、司法書士や弁護士へ相談してください。

兄弟姉妹のうち、誰が費用を払うものですか?

全国一律の決まりで自動的に1人へ決まるわけではありません。所有者、相続の状況、費用の目的、家族の合意で扱いが変わります。契約者、立替者、精算に使うお金、領収書の保管を先に決め、相続や税への影響がありそうなら専門家へ確認してください。

実家じまいにはどれくらいの期間がかかりますか?

荷物量、家族の合意、名義、不動産の売れやすさで変わるため、一律の標準期間はありません。「いつ終わるか」から逆算するより、相続放棄・申告・登記など法令上の期限を先に確認し、2週間ごとの確認日を設けると、遅れに気づきやすくなります。

家財を残したまま売却できますか?

買主が内容と費用負担に合意すれば可能です。不動産会社による買取では、家の中に残した家財ごと引き受ける会社もあります。残す物、撤去する物、処分費、追加費用、重要品が見つかった場合の扱いを、契約書へ明記してください。

まとめ|最初の一歩は、捨てることではなく現状を表にすること

実家じまいは、家を空にすれば終わる作業ではありません。所有者と意思を確認し、重要書類と家財を守り、売却・賃貸・保有などの方針と費用を比べ、登記・税・契約・家族間の精算まで終えて、ようやく完了します。

最初の一歩

進行表の「現在の状況」「所有者」「意思決定者」「手続き・申告の期限」を確認します。その四つが未確認なら、売却、解体、一括処分の契約は進めないでください。

四つがそろったら、重要品を救出し、片付け前の写真を使って、いまの状態での売却・買取・賃貸・保有・解体後を比べます。目の前の荷物をどこまで片付けるかは、その比較を終えてから決められます。

参考資料

法務・裁判手続

税・不動産取引

家財整理・解体・空き家管理

費用の民間公開資料

※制度、税率、補助金、サービス料金は変更される場合があります。記事内の情報は2026年7月24日時点で確認しています。個別の契約、登記、法務、税務は、物件所在地の窓口や有資格者へ確認してください。

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